2013年2月24日日曜日

USDJPY : Now Taking Time.

G20の余韻も残る中でドル円は上も下も限定的な落ち着いた動きとなっており、特に本邦当局が安堵している事でしょう。上がってしまえば海外からのノイズが再燃し、下落してしまうとこれまでの度努力が水泡に帰すという事で、一旦90円台で落ち着いてくれるのはWelcomeなのではないでしょうか。
USDJPY DAILY ⇒ Consolidation
一方でドル円以上のパフォーマンスを実現してきたクロス円は少々足元ががたついています。

今後、一部の勢力が予想や期待をするような円安の大きな切り返しが来るのだとすれば、これもドライバーはドル円ではなくクロス円の反落だと思って間違いないでしょう。


EURJPY DAILY ⇒ Lower Tops












GBPJPY DAILY ⇒ Broken.












CADJPY DAILY ⇒ Bearish.
目先のイベントは、何と言っても日銀の正副総裁人事でしょうか。

巷のトークでは、武藤総裁なら数円規模の円高、岩田総裁なら円安継続(候補とされる2名の岩田氏のどちらでも積極緩和が期待されるので)等と言う単純なシナリオが出回っていますが、今日になって一部メディアが安倍政権から正式に黒田氏に打診が入っていると言う報道をしています。
For the moment............Just stay tuned!

DXY Upswing?


円安を筆頭にその他の主要通貨もEUR,GBP,CADがリードする形で失速中と言う環境下で少しUSDに追い風が吹き易い環境が続きそうな気配です。

DXY(ドルインデックス)は前回高値で抵抗線となると思われた81.46を越えてきており、テクニカルには84を越える水準を望めそうな形状にあります。パターンとしてはドル円が一気に95円を突破していくとか、欧州通貨などの失速がトレンド化するなどの展開が考えられますが、G20直後だけに前者のシナリオは本邦当局ですら臨まないと思いますし、対円以外での広範囲なドルブル圧力の方がテーマとしてはFreshですので、ドルインデックスがこのまま上昇するなら後者のシナリオのほうが可能性は高いのかなと思っています。
DXY(Dollar Index) ⇒ Picking Up Now.

GBP Fell off the Ladder.

前項でも触れていますが、先週の動きで一番に目を引くのがGBPの急落であり、それは値幅以上にタイミングが印象的でした。

GBPの下落をチャートでチェックするとこういう感じです。
GBPUSD DAILY ⇒ On the steady Decline.
このチャートのようにGBPは日足ベースで明らかなベアトレンドが確認出来ますが、この最後の一番陰線である金曜日の下落は、殆どが最後の30分で起きているのです。

それを金曜日の30分足チャートで表示するとこうなります。


GBPUSD 30Min ⇒ Finished with Amazing Decline.

一体何が起きたのかと言う事になりますが、Moody'sによる英国のDebt Ratingの格下げでした。

Moody's downgraded UK's debt rating from Aaa to Aa1 and changed the outlook to stable. 

Moody's said that economic growth in UK will be "subdued" because of weak global activities, as well as a drag "from the ongoing domestic public and private-sector de-leveraging process."

ということで、最後の最後にGBPは梯子から突き落とされるような終わり方をして越週しています。

対円、対ユーロでもGBPの突然の転落を確認しましょう。
GBPJPY 30Min ⇒ Same Story














EURGBP 30Min ⇒ EUR Jumped vs GBP.













今週はシドニー時間からGBPの動向に注目する必要があります。かなり不安定な動きとなりそうですね。

Top FX Movers Last Week

G20明けで注目された先週の為替市場でしたが、大きなイベント後にはよくある事ように、一旦Volatilityが落ち着いた印象の動きになっています。

G20においても円に関してはオフレコでの意見交換も含めて相当なやり取りがあったようですので、直後から円安が加速するようだと日本も困ると言う状況だったと思いますので、まーこんなもんでしょうね。
 日銀の外債購入などに関する要人発言や日銀正副総裁人事を巡る憶測からかなりChoppyな展開でもありました。

週次ベースでの主要通貨の変動上位は以下のようになります。

   通貨ペア ↑↓ 週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
GBPJPY   141.60   144.97    -337      -2.38%   
  
GBPAUD↓ 1.4698  1.5043    -345      -2.35%

GBPUSD  1.5170   1.5513    -343      -2.26%

CADJPY    91.46    92.82      -136     -1.49%

EURJPY  ↓ 123.08  124.86    -178     -1.45%

AUDCAD↑ 1.0523  1.0372   +151    +1.43%

EURAUD↓ 1.2775  1.2955    -180     -1.41%

GBPCHF ↓ 1.4099  1.4297    -198     -1.40%

USDCAD↑ 1.0199   1.0062    +137    +1.34%

EURUSD↓ 1.3186   1.3360     -174     -1.32%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ JPY(3回),AUD(3回),USD(3回),CHF
下落通貨 ⇒ GBP(4回),CAD(3回),EUR(3回)

円は調整的な上昇。欧州通貨が全面安と言う展開で米ドルに上昇圧力が掛かるイメージで越週しています。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

2月22日(金)の北米市場の最後の4時間における主要通貨の攻防です。

いつもより値幅が出ている印象ですが、必ずしも流動性が潤沢とは言えないこの時間帯で相当纏まった規模のGBP売りが執行されている事がわかります。

 通貨ペア ↑↓   終値    始値  変動(pips) 変動(%)
GBPCAD↓ 1.5473   1.5599    -126       -0.81%

GBPJPY  ↓ 141.60   142.56     -96        -0.68%

GBPCHF ↓ 1.4099   1.4185     -86        -0.61%

GBPNZD ↓ 1.8095   1.8203    -108       -0.60%

GBPUSD ↓ 1.5170   1.5259      -89       -0.59%

GBPAUD ↓ 1.4698   1.4784     -86       -0.59%

EURGBP   0.8690   0.8644     +46      +0.53%

NZDCAD↓ 0.8541   0.8567      -26       -0.30%

AUDCAD↓ 1.0523   1.0550      -27       -0.26%

EURCAD↓ 1.3451   1.3484      -33       -0.25%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CAD(4回),JPY,CHF,EUR,NZD,USD,AUD
下落通貨 ⇒ GBP(7回),NZD,AUD,EUR

とにかくGBPの急落が目を引きます。

2013年2月17日日曜日

Behind the Decline of Metals.

個人的に頭を掻いている事を白状しないといけないのが、貴金属価格の下落です。特に先週の下落は私が予測したレベルでは止まりませんでした。
Gold daily  ⇒ Breaking Lower.

GoldもSilverもチャートは殆ど相似形ですね。

対ドルでGoldは1オンス当たりで1,600ドルを割り込む下髭を出していますし、Silverは同じく30ドルを割り込む水準で越週しています。

貴金属下落の背景は主に二つあると見ています。

1 株式市場への資金移動
2 通貨不安の後退

です。

1の資金移動に関しては米国を中心に不動産市場へのシフトもありそうですね。また2に関しては今回のG20で通貨安政策への歯止めが掛かると言う期待感が定着すれば、貴金属価格の試練はまだまだ続く可能性も出てきます。
Silver Daily ⇒ Following Suit

Post-G20 : Japan Not a Handy Whipping Boy.

週末にロシアで開催されたG20は取り敢えずは無難な結末を迎えたと言う評価になると思います。白川さんも麻生さんも妥協することなく日本の主張を清々と述べた事で声明文などで日本が名指しで批判されると言うような馬鹿げた事態は回避されました。

金融緩和を実施する先進国グループは、アベノミクスを全く批判する根拠を持たないと思いますし、米国も欧州も量的緩和にまで踏み込んでいる訳ですから全く同じです。まさにJapanizationです。その意味では先進各国へのロビー活動が功を奏してドイツやカナダなども矛先を納めたばかりかG20開催前には日本批判も飛び出した議長国ロシアからもアベノミクスを支持する発言なども得られた事は十分な成果だったのではないでしょうか。

多くの記事などから、今回のG20が日本 vs 世界ではなく、先進国 vs 新興国という構図に収斂して行った事は非常に重い意味を持つと思いますが、金融緩和という共通項を持つ先進各国に対してそれを批判する新興国の多くは事実上のあからさまな市場操作(介入)を恒常的に行っていると言う意味で日本批判の先頭に立てる状況では無かったと言う背景もありそうです。

中でも中国がアベノミクスを日本を追い込む材料にする余裕が無かった事も大きかったでしょう。市場に準拠した為替市場というコンセプトはどこよりも自国が困ると言う状況なのですから流石に今回だけは日本以上に自己防衛に忙しかったとも伝えられています。

またシンガポールはユニークな国で、金融政策を為替操作で行っています。インフレ圧力が高まれば普通の国は金融を引き締めますが、シンガポールは通貨を切上げます。逆にシンガポールはデフレになれば躊躇無く自国通貨(シンガポールドル)を切り下げる訳なので、ここも日本批判など出来る訳も無い訳です。

何はともあれ、久し振りに世界に物を言える日本が少しだけ復活したような気がします。

Top FX Movers Last Week.

既に触れた通り、週末にモスクワで開催されるG20に向けた様々な思惑の中で円が乱高下する1週間でした。

週を通した主要通貨ペアの動向は以下のようになります。

 通貨ペア ↑↓  週終値  前週終値  変動(pips)  変動(%) 
GBPNZD  1.8324    1.8876      -552       -3.01% 

NZDJPY   78.93      77.41       +152      +1.93% 

GBPUSD  1.5513    1.5796      -283       -1.82% 

EURGBP  0.8608    0.8460     +148      +1.72% 

NZDCHF  0.7781    0.7649     +132      +1.70% 

GBPAUD  1.5043    1.5294      -251       -1.67% 

NZDCAD  0.8498    0.8369     +129      +1.52% 

GBPCAD  1.5613    1.5841      -228       -1.46% 

GBPCHF   1.4297    1.4482      -185      -1.29% 

AUDNZD  1.2190    1.2340      -150      -1.23% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(5回),USD,EUR,AUD,CAD,CHF
下落通貨 ⇒ GBP(6回),JPY,CHF,CAD,AUD

NZDの上昇とGBPの下落が際立っていたと言う結果が出ていますが、恐らく走行距離としては乱高下した日本円がトップだったと思います。流石にNZDJPYは上昇していますが、他のクロス円も勿論ドル円もめまぐるしい乱高下でした。

G20明けとなる今週は波乱材料を消化した事でトレンド回帰となるのでしょうか。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

2月15日(金)の北米市場における最後の4時間の主要通貨の攻防です。

G20前の最後の神経質な調整時間の中で、CHFが強くGBPが弱かったと言う結果になっており、この時間帯でのJPYの乱暴な調整や仕掛けは見られなかったようです。

    通貨ペア ↑↓  終値   始値    変動(pips)  変動(%)
NZDCHF 0.7781  0.7801   -20    -0.26% 

GBPCHF 1.4297  1.4333   -36    -0.25% 

GBPNZD 1.8324  1.8368   -44    -0.24% 

NZDUSD 0.8433  0.8450   -17    -0.20% 

USDCHF 0.9214  0.9232   -18    -0.20% 

GBPAUD 1.5043  1.5070   -27    -0.18% 

GBPCAD 1.5613  1.5638   -25    -0.16% 

CADCHF 0.9151  0.9165   -14    -0.15% 

NZDCAD 0.8498  0.8511   -13    -0.15% 

AUDCHF 0.9496  0.9510   -14    -0.15% 

上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CHF(5回),CAD(2回),USD,AUD,NZD
下落通貨 ⇒ GBP(4回), NZD(3回),USD,CAD,AUD

円が全く登場していませんね。

2013年2月14日木曜日

Love and Miss a thing they all once Hated.

為替市場では英国ポンドが失速中です。
GBPUSD DAILY ⇒ GBP Losing Ground












GBPJPY DAILY  ⇒ GBP Out of Breath.












EURGBP DAILY ⇒ EUR >GBP

目下の直接の原因は英国中銀(BOE)の四半期インフレーション報告でした。同レポート内では英国経済の2014年第一四半期までの経済成長を2.0%から1.7%に引き下げると共に、2015年には経済危機以前の状態に回帰するべく今後一定期間は少々見込みよりも高めのインフレーションを許容していく姿勢が明確に打ち出されています。

退官するBOEのKing総裁も、”短期的に”とした上で、ターゲットを上回る水準のインフレーションを許容していく事は”必要悪”だとし、インフレーションの上振れ分を取り除く目的で性急な行動を取れば中期的な経済成長を阻害することになるとまで述べています。

デフレーションで通貨高、インフレーションで通貨安と言う図式がありますが、為替市場にも様々な潮流や方程式がある中で必ずしもこの通りの動きがトレンドになる保証は無いのですが、足元の円やポンドの動きに関しては市場はこの思惑をメインシナリオに動いていると考えてよいでしょう。

それにしても数年前までは、中央銀行=インフレファイター、と言う図式が常識でした。その頑固なまでの徹底振りは多くの危機を救いもしたし、多くの回復を阻害したりもしました。インフレ退治の引き出しは豊富ですが、デフレへの対処方法を知らなかった中央銀行がデフレを問題視しなかった為に起きた悲劇と言えば残念ながら日本経済が典型例と言う事になる可能性もあるでしょう。

今の日本に必要な事は、それに反論する事ではなく、見事に立ち直って見せる事である事を忘れない事ですね。

昨日の敵は今日の友。実は国際社会の勢力図も・・・・・と言う気がしています。ぶれない価値観をベースとした柔軟な機動力が問われるところです。

2013年2月13日水曜日

A Fuss about the Statement.

どうもG7の緊急声明の解釈を巡る混乱から円も乱高下状態になっているようです。

声明文の発表後には円安が進んでドル円は94円台ミドル付近まで上昇したのですが、その後は米国当局者筋からとされる”声明は誤解されている”、”G7は円の動きに懸念を持っている”と言う発言が伝わると93円割れまで反落し、その後は93円台前半で膠着モードに入っています。

ヘッドラインは以下のようなものでした。

An unnamed US official was quoted later in the day saying the statement was "misinterpreted" and has indeed "signaled concern about excess moves in the yen". The official warned that ":the G7 is concerned about unilateral guidance on the yen" and "Japan will be in the spotlight at the G20 in Moscow this weekend." Then it's reported that a Canadian official said then statement was aimed at calming recent rhetoric on yen and criticized that Japan has been too vocal on the need for a weaker currency.

要するに、アベノミクスを評価する勢力もあるし、警戒する勢力もある訳で、それは国単位で意思統一が取られている訳でもないと言う事です。従って米国筋だの欧州当局者だのと言うソースから斑模様の意見が出されて市場が混乱していると言う事なのでしょう。

ここは本邦当局や現政権に大いに奮闘してもらいたいところです。

超円高水準の長期定着で日本が苦しんでいる時には、それは自国産業界には福音なので何もしてくれなかった連中が、日本が問題の是正に立ち上がったところで「いいから音無しくしてろ」、「これまで通り円高を受け入れろ」と言って来ている様なものです。

2020年の五輪からレスリングを中核種目から外すと言う五輪委員会の裁定が色々と波紋を呼んでいますが、その背景はよく判りません。ただ、アングロサクソンコミュニティはバレーボール、スキー競技、(国際化した)柔道などでも日本勢が脅威となるとネットの高さや板の長さなどのルールを変えてゲームそのものを欧米勢有利に変更する位の事は平気で行って来た人達であることは事実です。

理不尽な批判は清々と跳ね返すべし。日本の金融緩和がおかしいのなら欧州も米国も完全に同じ穴の狢であり、日本だけを問題視する理由は無いでしょう。また近隣諸国の幾つかは経済面でも軍事面でも大国でありながら未だに新興国の仮面も捨てずに恒常的に為替介入をしているのですから何をかいわんやです。

2013年2月12日火曜日

G7 Joint Statement on Currencies.


今週末にモスクワで開催されるG20の国際会議に向けた駆け引きが盛んになってきていましたが、先ほどG20開催に先んじる形でG7財務相・中央銀行総裁会議が為替に関する緊急共同声明を発表しました。

これは例外的な事だと思うのですが、週末に向けた市場の投機的な動きを封じる意味なのか、このまま本番に突入すると収拾が付かなくなるリスクを感じたのか、はたまた先手を打つ形で日本の戦略が奏功したのか・・・・・背景は色々と憶測を呼びそうですが、内容的にはいたってまともな声明となっています。

 われわれ、G7の財務相・中央銀行総裁は、われわれが長年にわたりコミットしている、為替レートは市場において決定されるべきこと、そして為替市場における行動に関して緊密に協議すべきことを再確認する。われわれは、われわれの財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられてきていること、今後もそうしていくこと、そしてわれわれは為替レートを目標にはしないことを再確認する。われわれは、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得ることに合意している。われわれは引き続き、為替市場に関して緊密に協議し、適切に協力する。


この程度の教科書的な内容を”緊急声明”として発表する事になった背景には、今回の足早な円安に対する複数の国からの批判的な懸念表明、日本の反論、日本を支持する意見などが相次いだと言う流れがあったと思います。


早い段階から韓国、ドイツ、ECB、FRB関係者からも批判や困惑の表明がありましたが、ここへ来て本邦の政権や当局者の根回しもあってか、理解を示す内容も増えていました。

The Treasury Undersecretary for International Affairs Lael Brainard 
 
    ⇒”US support the effort to reinvigorate growth and to end deflation in  
   Japan".
  ”G20 must deliver on the commitment to move to market-determined 
   exchange rates and refrain from competitive devaluation."

・ Bundesbank head Jens Weidmann 
 
   ⇒"Latest indicators don’t signal a serious overvaluation of the euro despite 
  its recent appreciation".
  "An exchange-rate policy to specifically weaken the euro would lead to 
      higher inflation in the end."
    "Politically induced depreciations show that they don’t normally lead to a 
      sustained increase in competitiveness."
    "If more and more countries try to depress their currency, it will end in a 
      depreciation competition, which will only produce losers."

・French Finance Minister Pierre Moscovici 

  ⇒"Exchange rates can’t be subject to moods or speculation."
   "A coordinated approach at the international level which enables 
        exchange-rate stability".

ユーロ上昇も円の下落も各国政府の介入も干渉も無い市場力学で決定されるべきと言うことが確認されれば、足元のアベノミクス要因の円安を批判する事は困難になると思います。このあたりはやはり現政権が非常に手堅く動いていると言うことなのかもしれません。

Aso Lays it on THICK.

またまた麻生氏の発言によってドル円が94円台を回復してきました。ドル円は今週も週前半で上げて来るのでしょうか?
USDJPY DAILY ⇒ 94円ミドルを示現!

調整色を一掃(?)したのは麻生氏の発言で、事業年度末となる3月末までに日経平均を1万3千円に持って生きたいという趣旨の発言でした。

また、2%のインフレターゲットは国際標準であるという自説や、次期日銀総裁として従来より一層踏み込んだ金融緩和を提唱してきた黒田元財務官の可能性にも言及した事がアベノミクスを一層推進していく決意表明と解釈されたようです。

ドル円は調整が始まったと思うとこういう動きになるので、やはり95円は早い段階でやってしまう流れなのでしょうか。先週も放置すれば結構調整しそうなところで白川総裁の辞任次期の前倒しの話が出て息を吹き返しました。かつては円買いにも反応した北朝鮮の核実験も今では円売り方向で働く可能性の方が高そうですし、株式の動向と円の動向から目が離せません。

North Korea

北朝鮮は核実験を断行したのですね・・・・

立て続けにニュースが飛び込んできました。(以下STRATFORからのニュース引用)


South Korea: North Korean Nuclear Test Confirmed - Defense Ministry

February 12, 2013 | 0406 GMT
The South Korean Defense Ministry confirms that North Korea went ahead with a threatened nuclear test, Xinhua reported Feb. 11. South Korean President Lee Myung Bak will convene an emergency meeting of the National Security Council at 1:00 pm local time, an official said.

North Korea: Nuke Test Causes Magnitude 5.0 Tremor

February 12, 2013 | 0430 GMT
A magnitude 5.0 tremor occurred at 11:58 a.m. local time and was centered in Kilju County in North Korea's northeast, where the country's Punggye-ri underground nuclear test site is located, officials said, Yonhap reported Feb. 11.

North Korea's Latest Nuclear Test

February 12, 2013 | 0516 GMT
North Korea has apparently carried out another nuclear test Feb. 12, days after suggesting the West was mistaken that such an event would occur soon. Like the recent missile launch, the North has again sought to catch observers off guard even as everyone expected a nuclear test.
Global Intelligenceの情報収集は個人的にもSTRATFORの購読がお勧めできますが、経済のマクロやミクロの分析以上に国際紛争や自然災害なども大きく世の中を動かす材料になると言うご時世ですので気をつけたいところです。
それにしても恐ろしい国です。先般のミサイル打ち上げの時もそうですが、どうせ何をやるにも準備段階からバレバレなので、せめて実施のタイミングだけは国際社会を煙に巻いてやろうと言うのが一種の国策になっているような気がしますね。
各国からの非難や懸念の表明が相次ぐ事は確実ですし、これは堅調な金融市場にも冷や水を浴びせる性格のものです。とにかく波乱の週初となりました。状況を見守りましょう。

2013年2月10日日曜日

JPY Shorts Got Too Populated and Shaken.

先週は流石に円ショートも膨らみすぎたようです。週初から例によって前半は調整モードと思われたところで突然の日銀白川総裁の任期前辞任の表明があり、円売りはClimax的な上昇を記録しました。

その後、週も終盤になって麻生財務相による「円は我々が意図した以上に下落した」と言う発言が伝わると週前半で膨らんだ俄かポジションを皮切りに円ショートポジションの調整が一気に加速しました。
USDJPY DAILY ⇒ Bad Shape!

日次チャート的には2つの点を警戒する必要があるでしょう。

①下げて終了している事。つまりは週の展開が右下がりになっていると言う事です。これは先々週までの右上がり構造の正反対です。

②金曜日の陰線前の2本(水曜日、木曜日)が実体部分が小さく上下に髭を残す気迷い形状になっている事。これは一旦流れが変わりやすいタイミングで発生するものです。
AUDJPY DAILY ⇒ Topping Out












CHFJPY DAILY ⇒ Out of Breath.












GBPJPY DAILY ⇒ Most Tricky Move.












NZDJPY DAILY  ⇒ Feeling Softer.

ドル円以外のクロス円ではGBP円が微妙な以外はチャート的にはどれも失速感が出ていると言えるでしょう。

非常に大きなトレンドであるだけに尚更調整が深い可能性もあるので今週の動きにも注意深い観察が必要だと思います。

EUR Takes a Breather.

前項でも触れていますが、ECBのドラギ総裁によるユーロ高懸念発言により先週は久し振りにユーロ高が一服しています。ポジション調整が始まった程度との見方もありますが、ちょっとチェックしてみましょう。

EURAUD DAILY ⇒ EUR is Weaker than struggling AUD!












EURCAD DAILY ⇒ Topping Out?












EURCHF DAILY ⇒ Double-Top Formation?












EURUSD DAILY ⇒ Also Looks Topping Out?












EURJPY DAILY ⇒ Must be Watched Carefully












強気トレンドに調整と言うか少しもたつき始めたかもしれないという程度ですが、今週以降の動き次第ではちょっとしたリバーサル相場となる可能性もあるでしょう。イベントもあるので注視していく必要がありそうですね。中期的な強気相場は継続と見ていますが、個人的には短期的にはもう少し調整するべきと思っています。

A Quick Recap of Last Week.

先週の簡単なRECAPです。


1 EURが反落していますが、ECBのドラギ総裁がユーロ高は欧州経済の回復を遅らせる懸念があると発言した事が引き金になっています。

2 一方で反発したGBPですが、Carney時期BOE総裁が自身の就任後に英国の金融政策が大幅に変わると言う市場予想を萎ませる発言をしたことによる買戻しです。

3 AUDも下落していますが、金融政策を据え置いたRBAの声明文がDovishと解釈された事によるものです。

4 ECB,BOE,RBAの金融政策決定会合は全て据え置きと言うノーサプライズでした。

5 円は日銀の白川総裁が任期満了を待たずに319日付けで辞任すると言う報道を受けて円安方向に振れたものの、麻生財務相が円の下落は政府の想定しなかったレベルで進行してきたと言う発言をしたことで終盤になって反発に転じました。

個人的に面白いと思うのは、上記の25は中央銀行の総裁人事に関連している事です。特にBOEKing総裁の後任に他国(カナダ)の中銀総裁であるCarney氏を持ってくるというのは歴史的にも初めての事です。これまでにもMPCメンバー(金融政策決定委員)に外国人の登用があったと言う前例がありますが、中銀の総裁と言うのは相当思い切った人事だと思います。

日本では白川総裁の後任人事が注目を浴びており、やれ財務省出身者では駄目だとか極めて小さな議論が横行していますが、いっそのこと米国からグリーンスパン元FRB議長でも持ってきたらインパクトがあるでしょうね・・・

Top FX Movers Last Week.

主要通貨ペアの週次ベースのパフォーマンスです。"やっと" と言うか、"遂に" と言うか、非常にCorrectiveな結果になっています。

    通貨ペア ↑↓ 週終値  前週終値  変動(pips) 変動(%)
EURGBP↓  0.8460    0.8690      -230      -2.72%

EURJPY 123.88     126.56      -268      -2.16%

EURUSD↓ 1.3366     1.3643      -277      -2.07%

GBPNZD↑ 1.8876     1.8555     +321     +1.70%

GBPCHF   1.4482    1.4243     +239      +1.65%

GBPAUD↑ 1.5294    1.5077     +217      +1.42%

EURCAD↓ 1.3406    1.3593      -187      -1.39%

NZDJPY    77.41      78.41        -100      -1.29%

GBPCAD↑ 1.5841    1.5640      +201    +1.27%

EURAUD↓ 1.2943    1.3102      -159      -1.23%

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ GBP(5回),JPY(2回),USD,CAD,AUD
下落通貨 ⇒ EUR(5回),NZD(2回),CHF,AUD,CAD

本当に久し振りに先週は日本円が上昇した通貨に入ってきました。また英国ポンドの反発も目を引きますし、下落サイドではこれもかなり久し振りにユーロが最弱通貨だったことになります。

兎に角値幅的にも時間的にも相当伸びてきた動きの調整が始まったとすれば値幅も時間も暫くは先週の方向で動きやすいと言う事になりそうです。ここからの数週間は結構トリッキーな動きを想定した方が良いですね。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

2月8日(金)の北米市場における最後の4時間の主要通貨の動きです。

    通貨ペア ↑↓    終値     終値     変動(pips) 変動(%)
GBPNZD↓ 1.8876    1.8929     -53       -0.28%

CADCHF↓ 0.9136    0.9157     -21       -0.23%

USDCHF   0.9167    0.9187     -20       -0.22%

GBPCHF   1.4482    1.4510     -28       -0.19%

NZDCHF↓ 0.7649     0.7663    -14       -0.18%

GBPAUD↓ 1.5294    1.5320     -26       -0.17%

EURNZD↓ 1.5979    1.6005     -26       -0.16%

NZDUSD↑ 0.8353    0.8342    +11      +0.13%

AUDNZD↓ 1.2340    1.2356    -16       -0.13%

AUDUSD↑ 1.0320    1.0308    +12      +0.12%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ NZD(4回),CHF(4回),AUD(2回)
下落通貨 ⇒ GBP(3回),USD(3回),CAD,NZD,EUR,AUD

週を通した動きの中では上昇しているGBPやUSDに小幅ながら調整が入っていたイメージでしょうか。