2013年2月17日日曜日

Post-G20 : Japan Not a Handy Whipping Boy.

週末にロシアで開催されたG20は取り敢えずは無難な結末を迎えたと言う評価になると思います。白川さんも麻生さんも妥協することなく日本の主張を清々と述べた事で声明文などで日本が名指しで批判されると言うような馬鹿げた事態は回避されました。

金融緩和を実施する先進国グループは、アベノミクスを全く批判する根拠を持たないと思いますし、米国も欧州も量的緩和にまで踏み込んでいる訳ですから全く同じです。まさにJapanizationです。その意味では先進各国へのロビー活動が功を奏してドイツやカナダなども矛先を納めたばかりかG20開催前には日本批判も飛び出した議長国ロシアからもアベノミクスを支持する発言なども得られた事は十分な成果だったのではないでしょうか。

多くの記事などから、今回のG20が日本 vs 世界ではなく、先進国 vs 新興国という構図に収斂して行った事は非常に重い意味を持つと思いますが、金融緩和という共通項を持つ先進各国に対してそれを批判する新興国の多くは事実上のあからさまな市場操作(介入)を恒常的に行っていると言う意味で日本批判の先頭に立てる状況では無かったと言う背景もありそうです。

中でも中国がアベノミクスを日本を追い込む材料にする余裕が無かった事も大きかったでしょう。市場に準拠した為替市場というコンセプトはどこよりも自国が困ると言う状況なのですから流石に今回だけは日本以上に自己防衛に忙しかったとも伝えられています。

またシンガポールはユニークな国で、金融政策を為替操作で行っています。インフレ圧力が高まれば普通の国は金融を引き締めますが、シンガポールは通貨を切上げます。逆にシンガポールはデフレになれば躊躇無く自国通貨(シンガポールドル)を切り下げる訳なので、ここも日本批判など出来る訳も無い訳です。

何はともあれ、久し振りに世界に物を言える日本が少しだけ復活したような気がします。