いよいよ残暑の名残も影をひそめて、季節も急速に秋の色合いを強めてきたように感じます。
クールビズ(と言うのでしたっけ?)の期間も終了し、週明けからはまたネクタイをして出勤する必要があるようです。
9月末というのは、本邦企業にとっては半期末であり、全世界共通で四半期末という節目になりますが、28日の金曜日はこれに週末と言う要素まで加わったまさに節目のタイミングとなりました。
週全般の動きを総括すると、金利債券市場、クレジットデリバティブ市場は安定的なConsolidation、株式市場は多くの市場で史上最高値水準まで復活したという状態ですが、為替市場に関しては断続的に米ドルの下落トレンドが鮮明になり商品市場でも小幅調整をこなしながら強気相場が継続と言う展開でした。
特にドル安に関しては週末の金曜日にドルインデックスが史上最安値を更新する等、10月相場に向けてVolatilityの上昇を予感させる終わり方をしており、2007年度も終盤の3ヶ月が非常に重要な時間帯となりそうです。
1 米国景気は、減速? 縮小? はたまた破綻か?
2 FRBの利下げ幅とペースは?
3 米国不調下の欧州、アジア、エマージング経済は独自の成長を維持できるのか?
4 日本はアジアの殿をつとめるのか?
などが大きな着眼点となりますが、更に細かく言えば・・・・
①金価格、原油価格、食物価格は本当に上がり続けるのか?
②世界の株価は再び大幅調整の危機に晒されるのか?
③米ドルベアトレンドの中の勝ち組と負け組みは?
④日経平均、日本円は負け組み候補から脱出可能か?
⑤金融商品取引法下の本邦からの投資資本流出は?
というテーマが大きな注目材料となるでしょう。
世界の金融当局は、8月中旬の動乱以降9月末までは混乱の沈静化に見事な舵取りを見せましたが、問題やリスクの芽を根絶したと言うよりは問題の表面化や悪化を上手く抑制してきたという要素が強い為に、今後も米国を中心に主要国の経済指標や主要企業業績の悪化や再びリスクテイクに動き出す投機筋への対処という難題に取り組む必要があります。
実は・・・・職務としてトレーダーやファンド運営に携わっている我々はその愚直なまでの勤勉さゆえに(?)ついつい見落としがちではありますが、ここからの数ヶ月、或いは2年~3年と言う期間は、我々の個人資産の防衛や運用において非常に重要だと思われます。それこそ我々がどういう老後を送るかがここで決まるくらいの重要度かもしれないと思っています。
人生がドルベースの人、円基準の人も、一緒に考えて行きましょう。コモディティ市場の爆発的な上昇は、資産の大部分を預貯金という形・・・・つまりは通貨で保有する事自体が大きなリスクとなり始めている事を示唆しており、更に債券や株式で保有する事でもそのリスクはヘッジし切れない可能性もあります。
"紙からモノへ"・・・・・資産を紙幣や株券という紙から金などの貴金属や原油などのエネルギーや小麦などの食物と言う形で保有する動きは資本主義経済の根幹を揺るがすものです。
"神から物へ”・・・・群集の信仰の対象が神から富と変化するという物質主義に走り過ぎた資本主義の行き過ぎを是正するような動きが、その富の象徴であるPaper Assetの根源的価値の下落と言う形で始まっているとすれば、それはとても皮肉な話です。
いずれにしても、短期的にも中期的な視点でも我々は今、大きな分岐点に立っている事は間違いなさそうです。
We are at a major cross roads, unlike any....in the past few years.