2007年12月31日月曜日

Seed for thought3 : Decoupling vs Recoupling.

Decoupling か Recoupling か・・・・ これも2008年を考える上で非常に重要なテーマです。
簡単に整理すると次のようになります。

Decouplingシナリオ・・・・ かつては米国が風邪を引くと世界がくしゃみをすると言われた位世界景気は米国経済に依存しており、特に日本のような輸出立国は輸入立国兼大量消費国である米国への依存度が高いと指摘されてきました。
 これに対して最近の中国、インド主導のアジア経済や欧州、英国の経済成長は独自の強みに基づくものであり、米国への依存度はかなり減少しているとの主張があり、この考えをベースに今後米国が失速、縮小、景気後退に転じても世界経済は米国を置き去りにした発展を維持出来ると考えるのがDecouplingの考え方です。基本的に米株、米ドルの下落や米国金利の下落を想定しています。

Recoulingシナリオ・・・・ 世界経済と米国経済のDecouplingは世間が望むほど進行しておらず、今後予想通り米国景気が失速し、リセッション入りと言う事態にでもなれば結局は世界経済全体が影響を受けて同じような道を辿るという考え方です。世界的な株安、金利低下がメインシナリオとなり米ドルには複数の可能性が混在します。

Decoupling/Recoupling という言葉を使うかどうかは別として主要な市場参加者の相場観は依然としてDecoupling陣営が優勢ですが、2007年度末にかけてRecoupling陣営も勢力を盛り返してきた感があり我々も2008年はどちらのテーマをメインシナリオにして動くかはとても重要な選択になります。

これは世界経済の根幹部分の議論としては従来からあった古くて新しいテーマですが、2008年度に答えが出そうだと言う意味では個人的にも大いに気にしています。

現時点では両論併記というのが無難なところでしょうか。私個人としては実はRecoupling陣営に軸足を置いて市場を見つめていると言う段階です。

2008年はこのテーマもじっくり考えていきましょう。