そういえばそうだった・・・と言う気もしますが、日本のクリスマスはチキンを食べる習慣が根付いているのですね。実は記憶が衰えているだけかもしれませんが、米国ではあまりクリスマスにチキンを食べていたという明確な記憶が無いのですが、一応キリスト教のイベントだからでしょうか。Thanksgivingでは皆が七面鳥を食べますが、あれは宗教色の無いイベントですからね。
と言う事で地元のスーパー等にもやたらとローストチキンなどが並ぶのですが、私はKFC(ケンタッキーフライドチキン)をBarrelで買って来ようと思い運び役に子供たちを引き連れてわざわざ電車に乗って最寄のKFCまで行ってきました。(余談ですが、日本にはやたらとKFCがあるという気がします)
ところが・・・行ってびっくり玉手箱。
入り口にお兄さんが立っていて、「チキンのご注文は3時間半程お待ち頂く事になります」 とのこと。
凄い人気だ・・・・大したものだ・・・・と驚いた私は、「商売繁盛で何よりですね」と言って諦めて帰ろうとしたのですが、お兄さんの「これらのチキン以外の商品ならばお待ち頂かなくて大丈夫なのですが・・」
という言葉に振り返ると、彼がメニュー上で指し示していたのは全てチキンでした。
大いに困惑した私がよくよく聞いてみると、正確にはKFCの”オリジナルチキン”なるものが大人気で3時間半待ち状態(恐らくクリスマス限定の商品?)、それ以外の通常メニューは待たなくて大丈夫と言う意味だった事が判明しました。
私にとっては通常のちょっとスパイシーなKFCのチキンで充分だったので、そのまま受付カウンターに向かいましたがこれがまた凄い人・・・・3つか4つほどある注文窓口の1つを"チキン専門"としてそれ以外を"チキン以外"として店員さんたちが忙しく対応していました。
私は、KFC の常連客ではないのでメニューには詳しくありませんので、混雑の中で不要なリスクは取れないと思い愚直にチキン専門のカウンターで順番待ちをしましたが、自分の番が来て分かった事は私が買い求めたローストチキン、チキンナゲット、スパイシーチキンのセットは、"チキン以外"という空いていた窓口でよかったと言う事でした。
KFCは立派な企業ですので、例年のクリスマス時期の注文履歴や来店客数データなどから相応の準備と対応を打ち合わせているのだと思いますが、どうやらボキャボラリーの選択を誤っていたのではないでしょうか。
容易に察しが付く事ですが、彼らが仲間内で"チキン"と言えば、それは彼らの"オリジナルチキン"を意味するのでしょう。これが大ヒット商品となったことは天晴れなおめでたい事ですが、内部の打ち合わせの延長線上で顧客に対しても”チキン"、"チキン以外”等といわれては理解出来ない人が殆どでしょう。
そもそもKFCのメニューの中にチキン以外のものがどれだけあるのか私は知りませんが、店員さんの説明を文字通り受け取って彼らの通常メニューをも購入せずに諦めて帰ってしまった潜在顧客も相当数いたのではないかと思うと極めて勿体無い話です。
でも、久しぶりのKFCチキンはとても美味しかったですよ。実は2バレル購入したので今晩も活躍しそうです。
そう言えば、欧米ではFamily eventであるクリスマスが若い恋人達のイベントという色彩が強い事やクリスマス当日よりもクリスマス・イブのほうが盛り上がると言うのも日本の特徴だそうで、先日ある番組で前者に対してはユーミンや山下達郎の歌などがきっかけだったのではないかと言う分析が行われていました。
バレンタインズデーに女性が男性にチョコレートを送ると言うのも日本独自のものですが、外部から柔軟に色々なものを取り込んで独自色を加えると言う日本の得意芸はこういうところにも生きているのかもしれませんね。
独自色と言っても・・・チキンの話は、もう少しキチンとして欲しいという気はしますけどね。