まだ終了してはいませんが、今年は夏場まで続いた世界中の資産価格上昇の動きに対して8月に米国のサブプライム問題の表面化で急ブレーキが掛かると言う展開となりました。
世界をリードする繁栄を謳歌し続けてきた米国景気、金融革新の中心地であり続けたWall Street、多くの邦銀や世界中の金融機関がビジネスモデルのお手本とした米国投資銀行に対して大きな疑問符が付けられる結果となりましたが、面白い事に程度の差こそあれ世界中で同様の現象が起きていることが分かります。
豪州、英国、スペインなどで住宅価格のバブルが弾けた事や、欧州の金融機関が米系金融機関と同様の問題を内包していた事、景気にしても英国中銀、カナダ中銀が米国に追随して利下げに踏み切り、日銀も利下げを見送り続けている事・・・・・これらは依然として米国の影響力が大きいという事実を起点とした因果関係で説明出来るのですが、私が面白いと感じるのはこのような因果関係が不明な領域でも同様の現象が拡大しているように見える事です。
China Miracleと言う言葉で歴史に残る事が確実な経済拡大を続ける中国における知的所有権を無視した贋物の横行、それに毒野菜問題や禁止材料、禁止薬物を使用した台所用品等の氾濫や海外輸出の実態は、モラルやコンプライアンスを置き去りにした経済成長の実態とそれに追いつかない管理者としての行政システムの整備遅延と言う問題を浮かび上がらせています。
日本でも鶏肉や豚肉を牛肉として売る業者がいたり、製品の成分表示を隠したり、偽ったりする業者の摘発が相次ぎ、食品業界でも製造年月日、賞味期限などをちょろまかしていた業者が続出し、特に老舗や名門と言われる複数の業者が長年消費者を騙していた事が明るみに出た事は多くの国民に衝撃を与えました。高級料亭なんて元々縁がありませんが、我々もよく行くような複数の大手居酒屋チェーンでも赤身の肉に油を注入したものを"霜降り"として客に食わしていたと言う話もありましたね・・・・
以前人工イクラというのがありましたが、あれを本物として売っていたようなものですね・・・
干支、十二支(Zodiac)が一巡して来年が鼠年のようですが、一巡して最初に戻った時には、真実が明るみに出るという Zodiac Jinx があったはずです。
2008年も色々なものが出てきて、最後は収まるべきところに収まると言う展開になるような気がします。
A year of realignmnet. そんなテーマを意識しながら来年を展望していきましょう。