先週の木曜日(6月19日)で水星の逆行期間も終了し、世界インフレシナリオと先進国経済減速シナリオの間で月初来乱暴に揺れ続けた金融市場は極めて重要な週に突入する事になります。
世界インフレシナリオは、米国に口先だけではない本物のドル安警戒姿勢を呼び起こし、ユーロ高を声高に牽制してきた欧州当局にも強い通貨による輸入物価抑制効果を再認識させるという変化をもたらしました。
一方で顕著な物価上昇の中で実体経済の弱体懸念も強まっており、特に金融不安まで再燃してきた米国は本当に利上を断行出来るのか、また利上げ姿勢を米国以上に鮮明にしている欧州では内部から予想以上の反対論が噴出しています。
そんな中で今週米国で行われるFOMCは従来以上に重要なイベントであり、25日に発表される結果が金融市場にもたらすインパクトは絶大な物となりそうです。
市場を混乱させないために一部メディアなどを使って市場にシグナルを発し、事前に結果を織り込ませる事で市場の安定を図る事はよくあることですが、先週もPPI,住宅着工、経常収支などが実体経済の脆弱さを浮き彫りにする中で複数の主要紙(ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナルなど)を通して発せられた金融市場はFRBの引き締め可能性を織り込み過ぎているというメッセージは非常に気になるところです。確かに市場は一時この先1年でFRBの利上げを150bp織り込む水準にまでオバーシュートしていましたので、あれは行き過ぎだったとは思うのですが・・・
利上げの有無以上に声明文で示される今後のスタンスが注目される今週のFOMCですが、依然評価の大きく分かれるBernanke議長が、有限実行の人なのか、口先男という汚名を着せられるのかと言う岐路に立っているという事も言えるのでしょう。
Will he walk the walk or....just talk the talk.
1913年の設立以来、FRBは失業率が上昇する局面で利上げをしたことはありません。今週25日にBernenkeが動くなら・・・・それは歴史的な出来事と言う事になるのですが・・・・・・
綴りも一字違いのWALKとTALKですが、実態は似て非なるものの代表かもしれませんね。