先週の金融市場は全く予想外の展開だったと言えるのではないでしょうか。
先々週の金曜日(6月6日)に発表された5月の米国雇用統計が、予想以上に弱い内容だったことで自国の雇用に不安を抱える金融当局がインフレ対策で金融引き締めを断行できるわけは無いとの思惑から米ドルが一気に反落し、ドル円も106円台から104円台まで下落しました。
これを受けて始まった先週の取引では月曜日早朝、Welington市場からドル売りが加速し、ドル円でも104円40銭まで売り込まれた事で米ドルの先安感が急上昇していました。
実はこの先週の月曜日ですが、前週の金曜日に米国雇用統計を受けて大きく米ドルが反落した後でもあり、シドニー市場が休場だった事も手伝ってふだんよりも多くの東京勢が深夜出勤してオーダー管理などを行いつつ、ドル売り方向での勝負ポジションを積み上げていました。
私自身「勝負あった」という印象を持っていましたので、米ドルの大幅反落もありうるという予想を持っていましたが、米ドルは週半ばに向けて徐々に地歩を回復し、後半に向けて再び上昇姿勢を回復するという驚異的な粘り腰を見せました。
兎に角過去2週間の攻防は物凄いので整理してみましょう。
1 先々週の6月6日(金)の運命の雇用統計の凄さ
・失業率が5.5%まで上昇したのは2004年10月以来の
3年7ヶ月振り。
・非農業者部門新規就業者数が5ヶ月連続で上昇したのは
2003年6月以来の4年11ヶ月振り。
・失業率が一気に0.5%も上昇したのは1986年2月以来の
22年3ヶ月振り。
2 先週後半に盛り返した米国の不気味な底力
・Best week for USD index and worst week for EURO
in over 4 years
・Best week for USDJPY in almost 10 years!
更に極めつけは・・・・
・2Yr U.S. yields have biggest weekly rise this week
for 26 years up almost 70 bps.
ドル円は週初の104円40銭から108円台まで上昇して終了しています。
米ドルは、木曜日までに全ての主要通貨に対して前週の雇用統計前の水準以上にまで回復していましたが、金曜日が"13日の金曜日"だったこともあり、米ドルは金曜日に試されると言う嫌な予感もあったのですが、その金曜日にある意味では吹き上がるような勢いを示して終了しました。
それにしても6月相場・・・・既に充分に見せてくれていますね。