2008年6月8日日曜日

What a start of the month !!

先週は夜の付き合いが多く、職場以上に多くの情報が入る個人のアドレスに届くメールをチェックも出来ず、週末に市場に関するものだけで数百件のメールをチェックしました。

職業柄、毎日金融市場を追いかけているのでわかってはいたのですが、改めて先週の動きを伝えるメールをまとめて整理していると物凄い週だったということが実感されます。

5月は米ドルや株式市場が安定する一方で原油などのコモディティ市場が下落局面入りした事で金融市場は全体的に安定していましたが、6月は月初から各市場が乱高下する竜巻状態に突入した感じですね。

週初には英国の大手Lender, Bradford&Bingley Plcの資金繰り問題が表面化すると同時に米国のLehman Brothersが1994年の株式公開以来初めて四半期ベースで損失を計上すると同時に大規模な資本増強が必要となると言う報道が駆け巡りました。
 これで6月は開始早々から金融機関の経営危機問題が再燃する格好となり、米ドルと株式市場に圧力が掛かる展開となりました。

これを一気に覆したのがFRBのBernanke議長のドル安牽制発言でした。

通貨に関しては財務省の管轄なので通貨への言及を意識的に必要最小限に留めてきた同議長だけに、彼がここで何を言ったかよりも何かを言ったという事に大いに注目が集まりました。ある指摘によれば彼が議長就任以来議会証言の場などで米ドルについて言及してきた時間の合計よりも長い時間を費やして彼がドル安の負の面について懸念を表明したと言う位インパクトが大きかったと言う事になります。

米ドルは週央に掛けて週初の守勢から一気に復活し、ドル円でも5月の高値105円88銭をあっさりクリアして106円台に突入し一気に上昇軌道に回帰したように思えました。
 
注目の商品市場は週初の米ドル下落局面でも上昇出来ず、週半ばに向けての米ドル復活局面では原油も金も下げ幅を拡大すると言う展開となり、完全に地合いが変わったと言う印象もあったのですが・・・

ここで欧州が口を開きます

木曜日にはECBが過去6年間で最高水準にある政策金利を据え置くと共にTrichetが登場し、今後欧州経済が減速する局面でもインフレ退治に必要とあれば利上げを躊躇しないと言う姿勢を明確にした事でユーロが復活し、ライバル米ドルとの綱引きを土俵中央にまで戻します。
 原油など商品価格もユーロに追随し、これまでの米ドル優位に"待った"をかけます。

奇しくも週末の金曜日が経済指標としては米ドルの天敵とも言える米国雇用統計の発表と言うことで木曜日までにライバル達も名乗りをあげると言う絶妙の舞台設定が出来上がることになりました。

そして、5月の雇用統計の悪化でまさに自落現象のように米ドル、米株が崩落しました。

非農業部門新規就業者数はマイナス6万人の予想よりは良いマイナス4.9万人と言う結果でしたが、失業率がこれまでの5.0%から5.5%まで一気0.5ポイント上昇すると言う驚愕の結果を受けて米ドルが一気に大幅下落に転じ、米株もダウで$394下落と言う大どんでん返しの展開で週の取引を終了しました。

・失業率が5.5%まで上昇したのは2004年10月以来の3年7ヶ月振り。
・非農業者部門新規就業者数が5ヶ月連続で上昇したのは2003年6月以来の4年11ヶ月振り。
・失業率が一気に0.5%も上昇したのは1986年2月以来の22年3ヶ月振り。

それにしてもこれは・・・・と言う内容ですね。

What a week it really was..............106円台から反落したドル円は104円台で越週しており、これも週明けの動きが注目されます。日経平均は大幅下落が不可避でしょう。