2010年4月11日日曜日

Reversal or Prelude....

海外勢も本邦勢も仕切り直しとなる4月ですが、ここのところ2週連続で金曜日がKey Dateとなっています。第一週はいきなり米雇用統計の発表で振り回されましたが、第二週となる先週は色々な材料や思惑が渦を巻くように相場を翻弄し、金曜日にはポジション調整でちょとした反転相場となりました。まさにFriday Reversalとでも呼ぶべき現象ではないでしょうか。

1 米長期金利

注目の米長期金利ですが、こちらは週央でReversalがありました。個人的には長期金利はまだ上がるんじゃないかと思っていますが、相場の方は少なくとも短期的には反落していると言わざるを得ないでしょう。指標となる10年債利回りは4%に到達した後に好調な入札結果などを背景に3.84%水準まで低下しています。特に10年債の入札はBid-to-Cover ratio3.72の記録的高値となり、ここ数週間は入札不調から価格下落・利回り上昇と言う動きとなっていた米債市場はちょっとしたどんでん返しを演じた格好です。

2 欧州通貨

EURUSD DAILY

先々週の金曜日から先週の水曜日までギリシャ不安の再燃等から4連続陰線となっていたのですが、木曜日に眺めの下ヒゲを出して金曜日には主に海外時間に急騰しました。よく見れば金曜日の高値引けとなる終値が先々週の終値とほぼ横並びとなっており、先週は前半の下落を殆ど金曜日だけで取り返した格好になっています。

 ギリシャ政府が既に決まっていた救済案の内容の変更を求めたり、格付機関のFitchがギリシャを2段階も格下げしたりと言うイベントもあったのですが、やはりそれまでに相当市場にショートポジションが積み上がっていたのでしょうか、金曜日の反発は非常にImpressiveだったと思います。

3 ドル円

 ドル円Weekly

ドル円は週次のチャートです。ご覧の通り、先週はちょっとした陰線ですが、その前の2週間は大きな陽線が連続していました。そしてこの2本の陽線はまさに期末・期初の動きであったと言うことになります。EURのショートポジションと同様に円のショートポジションも相当積み上がっていたと思われるので、先週は円の買い戻しも激しかったと言う事になるのでしょう。

このように先週はあちこちでちょっとした反転現象が見られたのですが、一方で米株市場などのように反転か、少なくとも調整局面に入りそうで中々入らないと言う市場もいくつかあります。大雑把に言うと、投資家の動きが中心となる市場にこういう傾向があり、トレーダーの動きの方が優勢と考えられる市場では機動的なポジション縮小の動きから所謂「行って来い」的な値動きが出易かったと言う事になるのではないでしょうか。

一般にこういう動きが出やすい時にはリーマンショック直後のような一寸先は闇と言う状況の時や、ある事が起きることが予測されているものの市場の反応が全く読めないという状況の時があります。今回は明らかに後者であろうと思いますが、その発生が予期される出来事とは人民元関連でしょう。中国の通貨政策に関する何らかの動きが間も無く発表されると言う思惑は金融市場で急上昇しているところです。