先週も金融市場はギリシャネタに振り回されました。かつて文明の中心であったギリシャが今では金融市場混乱の中心となっていると言うのは物凄いことですね。
先週は遂にそのギリシャが、財政赤字の下方修正→格付け機関による格下げ→債券下落、金利急騰というプロセスを経て遂にEU及びIMFに対して正式に支援を要請しました。既に国家がサブプライム状態とみなされていたギリシャに対して市場(投資家)は莫大な利払いを要求し始めていましたが流石に2年ゾーンでも10%水準という金利を要求されるにいたり、同国政府も腹をくくったと言うところでしょうか。とにかく最後の膿でも噴出すのかと言うイメージでしたがEurostatの発表でギリシャの2009年の財政赤字/GDP比率はこれまでの12.9%から2008年度からほぼ倍増となる13.6%に修正され、格付機関Moodysが同国の信用格付けをA3に引き下げるという動きがありました。このA3はジャンクボンドのたった4段階上という厳しい評価と言うことになります。
金融市場は金曜日のアジア市場で欧州売りのClimaxが訪れて、ここEURは対ドルでほぼ1年振りの安値となる1.32割れ刻寸前まで売り込まれ、対AUDでは史上最安値を更新する程の売られ方をしますが、ギリシャの正式な支援要請の後は材料出尽くしの一服感から豪快な巻き戻しにあって1.34水準まで急騰して終了しましています。
EUR Daily
この日次チャートでもわかる通り、EURは先々週後半から大きく下落しており最後の一本(=先週金曜日)で下方に長い下ヒゲを出して大きな陽線引けを実現しています。この下ヒゲがSelling Climaxを示唆しているのは明らかですし、週末に行われたG7+G20でも世界経済の回復振りは予想以上に早く、力強いという声明が採択されているので今週の前半は更なる反発が見込まれるのではないでしょうか。
EURAUD Daily : (こちらは史上最安値を更新した後に陽線引け)
同様に欧州の一服感とG7+G20の結果を好感しそうなのが株式市場などのリスクアセット(景気敏感資産)ですが、特に株式市場に関しては高所恐怖症との戦いという様相すら呈し始めています。
好決算に沸く米株市場ではダウ平均が過去12営業日で11日陽線、過去11週間では10週間陽線という賑わいになっています。これは凄いですね。
こうなると為替市場ではお約束の資源国通貨買いとクロス円の集団上昇という現象が起こりますが、資源国通貨に死角無しという印象が強まりますね。
ドル円は週末に94円台まで上昇し、引けでは93円台となっていますが週明けには94円台を回復し来週は95円に再挑戦する展開となる可能性があります。
USDJPY Daily
ドル円も先週5営業日のうちで4営業日で上昇ですね。
市場はギリシャ問題、GS訴追問題などの諸展開を全て強気に(好意的に?)解釈、消化してきていると言うことです。個人的には違和感を感じてしまいますが、とにかくこれは凄いことですね。