それにしても足元のGreen Shoots相場の再来を思わせるようなアセット市場の上昇は実際にどれほどの定着力、持続力があるのでしょうか?
2009年の4月から12月あたりまでの元祖Green Shoots相場に関してはそもそも発射台となるアセット価格が3月まで続いたLehmanショック相場のために極端に売り込まれていたと言う前段がありました。株価にしてもValue投資家と言われる人達が目をつぶってでも大規模に参入する水準まで圧縮されていたと言うことです。
一方で現状の株価は極めて堅調ですが、価格水準的には1年前と比較して全く割安感はなく、Value投資家が買い仕込んでいると言う動きもなければ出来高も奇妙に少なく、むしろ価格上昇時に出来高は減少し、価格下落時に出来高が上昇するという傾向すらあります。
米国のオルタナティブとなるはずだった欧州は大きく転落した一方で成長の担い手としての期待は新興国が一手に引き受ける格好になっています。
以下はCAD(カナダドル)、AUD(豪ドル)、NZD(ニュージーランドドル)、BRL(ブラジルレアル)のチャートですが、物凄い高相関です。
NZDと株価を重ねてみても、極めて相関が高いことが明白です。
やっぱりいつか来た道にしか見えませんね・・・
High Correlation ⇒ Low Volatility
Investors’ Paradise ⇒ Traders’ Agony
そんな図式が再現しつつあるのでしょうか。
そんなシナリオの視角となるのは以下の点などではないかと思います。
・ 中国の人民元の大幅切り上げ。
・ 欧州混乱拡大による世界景気の失速。
・ 米金利の持続的上昇。
・ 中東戦争やアフガンの泥沼化。
・ 株式市場の大幅調整。
実際に何らかのリスクシナリオが台頭する時には現時点では予想もつかなかったというような新たな材料が市場を蹂躙することになる可能性が高いのですが、強いて現時点で考察するならばこのようなリスクが考えられると思います。
個人的には今の市場参加者の過半数が共有し始めているであろうユーフォリア的なセンチメントには少々疑問を感じているものの足元の市場の動きはしっかりと捕捉したいというところです。オプションなども絡めて下値リスクをある程度限定しながら新興国や中国、アジア、そして商品市場を注意深くロング回転していくイメージで臨む感じですね。
このシナリオはダラダラ続くか、どこかで大コケにコケる事になるかだと思いますが、後者の時にはアセット間の相関が崩れてVolatilityが急上昇するはずなので楽観ムードがあまりにも膨張した時にはしっかりとオプションを買っておくのがよさそうです。
今年も夏から秋にそういう展開もありかと想定していますが、春先のユーフォリアにはそれなりに参戦しようと思う今日この頃です。