2010年5月16日日曜日

EU Implosion = Volatility Explosion.

先週もかなりの変動がありました。多くの市場が日替わり的にかなりの値幅で方向感をFLIPしながら大きな変動幅を記録していますが、やはり週後半特に最後の需給が拮抗する金曜日の海外市場の動きが重要だったと思います。

前週末のEU/ECBによる大規模なギリシャ支援策の発表を受けて先週は週初のシドニー時間からユーロが買い戻される展開で始まりましたが、1.27台から1.31目前まで反発した後はアジア午後から欧州時間にかけて大きく反落し、結局火曜日以降も週を通して下落する展開となりました。

EURUSD daily ⇒先週も5本の陰線

image

週末には一時1.2352まで下落していますが、これは2008年の底値1.2329に肉薄した事になります。EURクロスは大きなトレンドを形成していますが、EURCAD2001年以来の安値、EURAUDは史上最安値更新です。

欧州の状況は非常に憂慮されるべき状況で、最もギリシャ救済救に対する世論の反発が厳しいドイツでメルケル首相が政治生命を賭けて議会説得に当たる横でフランスのサルコジ大統領が世論の反発に押されてフランスのEUR脱退の可能性に言及するなど、ギリシャの次に市場の標的となりやすいポルトガルやスペインが緊縮財政策を前倒しで発表するなどの努力もむなしく欧州連合の瓦解リスクが燻り続けています。

リスク資産全般が一層の調整リスクに晒される中で日々乱高下しながらも株式市場は踏ん張っていて、Dowは週を通して240ポイントの上昇、FTSE100139ポイント、日経平均も98ポイント上昇するなど気を吐いています。しかし商品市場は究極の安全資産と位置付けられるGOLD以外は原油価格を始めとしてスランプ状態が継続しており、AUDCADなどのコモディティ通貨の足を引っ張る形で世界中の投資家の資金がGOLD,米ドル,日本円という安全地帯に雪崩れ込む動きが一層強まる格好で週の取引を終了しています。

今週も各市場でかなりの乱高下が予想されます。2010年はやはりVolatility復活の年となる可能性が急上昇していると思います。

週明けの相場はやはりユーロと株の動きが焦点になるでしょう。

Daily Sentiment Indexなるものを見るとユーロに関しては既にBull3%Bear97%という状況であり投資家はともかくトレーダーという括りに入る勢力は皆が売っている(ショートにしている)状況のはずです。通常はこういう時には大きなショートスクイーズが入り相場は一旦大きく反発する事があるのですが、大相場の特徴としてはこうしたテクニカル面の行き過ぎシグナルを無視し続けながら相場が走るという事象も起こりますので安易な短期逆張りは怪我の基です。リスク量を落としながらユーロショート等を持ち切るか、一旦ポジションをニュートラルにして反発局面を待つかという選択肢となりそうです。