先週は、週央に6月末という重要日柄(半期末、四半期末、月末)があり、金曜日には米国の6月雇用統計の発表があると言う注目週でしたが、投資家のリスク離れが止まらないという印象が残る展開でした。
今後も相当長期間にわたって相場の台風の目であり続けるであろう欧州の混乱については、先週は一服感も出ています。7月1日に期限を迎えるECBの1年物資金供給オペのロールオバー規模が注目されましたが、期限を迎える約440bioユーロの3ヶ月物での延長入札規模が約4分の1程度まで減少していた事が好感されており、欧州系金融機関の多くは既に様々な手法でECBに頼らなくても資金繰りのメドが付いていたと言う評価になっています。
これを受けて為替市場ではユーロがその他通貨に対して反発する動きとなっているのですが、このような欧州の一服感を好感するどころか逆に不安材料としての役割を引き継いだかのように株式市場、コモディティ市場が大きく下落してしまいました。
株式市場はダウ、FTSE、日経平均など多くの国々で2010年の最安値を更新し、米株市場も金曜日までで7営業日連続陰線となってしまいました。通常は大きなベアマーケットでは初期段階で騙し的な反発が起きる傾向がありますが、今回はそれすら起きずにダラダラ下げていると言う指摘があります。(以下のチャートです)
こういう時の頼みの綱は上海市場なのですが、こちらも中国のコンファレンスボードが計算間違いを理由に4月の経済指標を大幅に下方修正したり、先週はその他の中国の経済指標も予想を下回るものが多かった事から中国経済にも慎重な見方が増えてきているようです。特殊要因としては中国農業銀行が大規模なIPOを控えている為に多くの資金がそちらにプールされてしまうという事象が指摘されていますが、足元の市場センチはかなり悪化していると言わざるを得ないようですね。
株式市場、商品市場の不調を受けて先週を通した為替市場のBig Moverは、欧州通貨がコモディティ通貨に対して反発した図式が目立っています。
通貨ペア 先週末 前週 変化 変化率
AUDCHF 0.8940 0.9546 -606 -6.78%
NZDCHF 0.7310 0.7794 -484 -6.62%
AUDJPY 73.81 77.95 -414 -5.61%
CADCHF 1.0000 1.0551 -551 -5.51%
NZDJPY 60.37 63.66 -329 -5.45%
EURAUD 1.4924 1.4149 +775 +5.19%
EURNZD 1.8239 1.7315 +924 +5.07%
GBPAUD 1.8048 1.7225 +823 +4.56%
GBPNZD 2.2053 2.1082 +971 +4.40%
CADJPY 82.57 86.17 -360 -4.36%
このように為替市場では、①欧州反発、②資源国不調、③円とCHFが2大王者 という値動きでした。
悲観とまでは見ていませんが、警戒、慎重モードが大きく上昇した状態で7月相場が始まりました。