リビア情勢ものっぴきならない状況ですが、徹底抗戦を叫ぶカダフィ大佐の映像を見ていて彼が傘を指して演説しているシーンを不思議に思った人も多いのではないでしょうか。
我々の常識では計り知れない世界があるのは間違いなく、従来から暗殺を警戒して家族にも居場所がわからない事が多かったり、一箇所に留まるのは危険なので夜通しラクダで移動していたりという話を聞いていました。日本の戦国武将でも実際に武田信玄や徳川家康のように影武者を置いた人は多いし、上杉謙信は一日に二回は服装を変えていたりと言うケースがあるのですが、まさに中東独裁政権の国々は日本の戦国時代的な状況なのかもしれません。
話を戻すと、カダフィ大佐の傘ですが、あれは単純に演説する時に雨が降っていたからというのが正解のようです。
なーんだ・・・・
と言う感じですが、米国にいる時に Reagan Broke Hipというニュースのヘッドラインを見て、何かの慣用句ではないかと思い break hip というのを辞書で調べた時の事を思い出しました。
実はこのとき、レーガン元大統領は既に結構弱っていて尻餅をついて臀部を骨折してしまったと言うのが記事の内容だったのですが、その時の私は何かの比喩か慣用句ではないかと勘違いしてしまっていた訳です。
物事を必要以上に複雑に考える傾向が強まっていると思えるときはちょっと休暇でも取ってRefreshしたほうが良いのでしょうね。
寧ろ実際には複雑な事も出来るだけ単純に考えるようにした方が効能がありそうです。
Take it easy.
2011年2月28日月曜日
Big dogs are being wagged by connected tails 2.
下層部分が連結する事で上層部分の統治・管理機能が混乱する現象は経済や金融政策でも同様でした。
経済のグローバル化という現象は、個々の経済の発展⇒ボーダーレス化⇒サイバー経済化⇒レバレッジ化(マルチプル化)という過程を経ていますが、世界経済が一体化してボーダーレスな資本移動が可能になった後もある意味では未だに金融政策主体は分断されたままであり、ここに体制と情報の非対制の逆転が起きている状況は変わっていません。
この状況では、自国経済が加熱気味と言う理由で資金量を絞り込む目的で金融引き締めを行うと高金利を目当てに世界中から資本が流入して自国経済内のマネーの量が寧ろ増加してしまうと言うジレンマが生じます。
経済はグローバル化しているのにローカルな中央銀行群が自国経済を管理していると言う図式であり、世界の中央銀行というものが存在しないので新興国の多くは資本規制をして自国経済のローカル化を余儀なくされているし、豪州などは利上げをしては逆効果になって憤慨したりもしている訳です。
では世界の中央銀行を作って金融政策もグローバルに展開すると言う事は可能なのかと言うと非現実的と言わざるを得ません。欧州程度の規模で見ても欧州の中央銀行であるECBが機能しきれていない状況なのが証左となっていると思います。
欧州統合時はドイツが不調でしたのでECBは低金利政策を取りましたが、景気サイクルが上向きだった周辺国にとっては金融緩和効果となり一部では不動産バブルなども発生する原因となりました。最近はドイツ経済が好調なのですが、そこだけを見て利上げを続けると現在不調に喘ぐ周辺国が持ちません。これを世界規模でやるのは到底無理と言う事になるでしょう。
リーマンショックやデリバティブ不審などで経済のグローバル化は後退したのでしょうか?これはそもそも可逆なプロセスなのでしょうか?
個人的にはこれは不可逆なプロセスであり、世界はグローバル化の方法を誤ってしまったのではないかと考えています。そして今起きている事は世界秩序の再構築に向けたこれまた付加逆なプロセスなのではないかと考えるのです。
New World Orderに向けて、本当にVolatileな時代がやってきたのかもしれません。
経済のグローバル化という現象は、個々の経済の発展⇒ボーダーレス化⇒サイバー経済化⇒レバレッジ化(マルチプル化)という過程を経ていますが、世界経済が一体化してボーダーレスな資本移動が可能になった後もある意味では未だに金融政策主体は分断されたままであり、ここに体制と情報の非対制の逆転が起きている状況は変わっていません。
この状況では、自国経済が加熱気味と言う理由で資金量を絞り込む目的で金融引き締めを行うと高金利を目当てに世界中から資本が流入して自国経済内のマネーの量が寧ろ増加してしまうと言うジレンマが生じます。
経済はグローバル化しているのにローカルな中央銀行群が自国経済を管理していると言う図式であり、世界の中央銀行というものが存在しないので新興国の多くは資本規制をして自国経済のローカル化を余儀なくされているし、豪州などは利上げをしては逆効果になって憤慨したりもしている訳です。
では世界の中央銀行を作って金融政策もグローバルに展開すると言う事は可能なのかと言うと非現実的と言わざるを得ません。欧州程度の規模で見ても欧州の中央銀行であるECBが機能しきれていない状況なのが証左となっていると思います。
欧州統合時はドイツが不調でしたのでECBは低金利政策を取りましたが、景気サイクルが上向きだった周辺国にとっては金融緩和効果となり一部では不動産バブルなども発生する原因となりました。最近はドイツ経済が好調なのですが、そこだけを見て利上げを続けると現在不調に喘ぐ周辺国が持ちません。これを世界規模でやるのは到底無理と言う事になるでしょう。
リーマンショックやデリバティブ不審などで経済のグローバル化は後退したのでしょうか?これはそもそも可逆なプロセスなのでしょうか?
個人的にはこれは不可逆なプロセスであり、世界はグローバル化の方法を誤ってしまったのではないかと考えています。そして今起きている事は世界秩序の再構築に向けたこれまた付加逆なプロセスなのではないかと考えるのです。
New World Orderに向けて、本当にVolatileな時代がやってきたのかもしれません。
2011年2月27日日曜日
Big dogs are being wagged by connected tails.
犬が尾を振るのではなく、尾が犬を振っていると言う英語表現は主客転等、本末転倒、下克上を表します。
”The tail is wagging the dog.” とか”It is not the dog is wagging its tail but the tail is wagging its dog"などと書かれます。
今、世の中で起きている事を見ているとどうしてもこの言葉が脳裏をよぎります。チェニジアから始まってエジプトに波及し、今もリビア、バーレーン、アルジェリアなどに拡大している民衆の蜂起はSNS革命とかFacebook革命と形容される事が多いのですが、長期独裁政権が続いていたり、独裁者ではなくても特定の一族の支配や特定の政党による一党独裁体制が長期間継続してきたところで民主革命的な潮流が拡大している状況です。
Divide and Conquerという言葉があるように、独裁者は統治対象を分断して征服・統治する事で政権の安泰を図ります。その為に秘密警察や諜報活動が盛んな国々が多い訳ですが、従来はそのような機関が機能してDivide and Conquerというモデルを成り立たせてきた訳ですが、テクノロジーの進歩はある意味予想外であり、Facebookなどにより分断してきた積りの民衆が完全に情報を共有して団結すると言う事態を政権側が気が付くのが相当後手に回ったと言うことが指摘できるのではないでしょうか。
エジプト等でも秘密警察などがインターネットにも入り込んでE-mailなどをチェックする体制だったようですが、Facebook等は個人情報を扱う関係で我々がインターネット上でクレジットカードで買い物をするときのように一旦入力情報が暗号処理されてサーバーに飛ぶなどの過程があるために東京の閲覧能力をバイパスしてしまったと言う事実も指摘されています。まさにテクノロジーの進歩恐るべしとしか言い様の無い事態です。
世の中の仕組みに"主"と"従"があるとして、そこに主の方に情報が集中する、或いは主が情報を管理出来るような情報の非対称性がある間はその仕組みは安定するのですが、そこが怪しくなると途端にそのシステムは不安定化するということだと思います。中東、北アフリカで起きている事はまさに"従"である尻尾の方のネットワークが強大となり、情報の非対称性が逆転してしまったと言う現象なのかもしれません。
最早エジプトのムバラク政権までが唐突な終焉を迎えており、その勢いは止めようも無いと感じられます。暴騰の英語表現を使うとすれば、Connected tailsがBig dogsから主導権を奪ってしまったと言う事になるのではないでしょうか。
チェニジアの動きがエジプトに拡大して行った頃に複数の著名コンサルタント会社や情報ベンダー、一部大手金融機関などが主催する中東情勢に関するConference Callが行われ、主要なTV番組でも専門家が出てきて薀蓄を披露するという催しがありましたが、私の目や耳に触れる限りムバラク政権が倒れるなどと予想した専門家は皆無でした。彼らがボンクラだとは思いませんが、今起きている社会現象はそのくらい当事者たちや専門家の人達ですら想定し得なかったような威力を持っているということなのではないでしょうか。
もしかすると2011年は歴史に残る大きな節目となる年なのかもしれませんね。
”The tail is wagging the dog.” とか”It is not the dog is wagging its tail but the tail is wagging its dog"などと書かれます。
今、世の中で起きている事を見ているとどうしてもこの言葉が脳裏をよぎります。チェニジアから始まってエジプトに波及し、今もリビア、バーレーン、アルジェリアなどに拡大している民衆の蜂起はSNS革命とかFacebook革命と形容される事が多いのですが、長期独裁政権が続いていたり、独裁者ではなくても特定の一族の支配や特定の政党による一党独裁体制が長期間継続してきたところで民主革命的な潮流が拡大している状況です。
Divide and Conquerという言葉があるように、独裁者は統治対象を分断して征服・統治する事で政権の安泰を図ります。その為に秘密警察や諜報活動が盛んな国々が多い訳ですが、従来はそのような機関が機能してDivide and Conquerというモデルを成り立たせてきた訳ですが、テクノロジーの進歩はある意味予想外であり、Facebookなどにより分断してきた積りの民衆が完全に情報を共有して団結すると言う事態を政権側が気が付くのが相当後手に回ったと言うことが指摘できるのではないでしょうか。
エジプト等でも秘密警察などがインターネットにも入り込んでE-mailなどをチェックする体制だったようですが、Facebook等は個人情報を扱う関係で我々がインターネット上でクレジットカードで買い物をするときのように一旦入力情報が暗号処理されてサーバーに飛ぶなどの過程があるために東京の閲覧能力をバイパスしてしまったと言う事実も指摘されています。まさにテクノロジーの進歩恐るべしとしか言い様の無い事態です。
世の中の仕組みに"主"と"従"があるとして、そこに主の方に情報が集中する、或いは主が情報を管理出来るような情報の非対称性がある間はその仕組みは安定するのですが、そこが怪しくなると途端にそのシステムは不安定化するということだと思います。中東、北アフリカで起きている事はまさに"従"である尻尾の方のネットワークが強大となり、情報の非対称性が逆転してしまったと言う現象なのかもしれません。
最早エジプトのムバラク政権までが唐突な終焉を迎えており、その勢いは止めようも無いと感じられます。暴騰の英語表現を使うとすれば、Connected tailsがBig dogsから主導権を奪ってしまったと言う事になるのではないでしょうか。
チェニジアの動きがエジプトに拡大して行った頃に複数の著名コンサルタント会社や情報ベンダー、一部大手金融機関などが主催する中東情勢に関するConference Callが行われ、主要なTV番組でも専門家が出てきて薀蓄を披露するという催しがありましたが、私の目や耳に触れる限りムバラク政権が倒れるなどと予想した専門家は皆無でした。彼らがボンクラだとは思いませんが、今起きている社会現象はそのくらい当事者たちや専門家の人達ですら想定し得なかったような威力を持っているということなのではないでしょうか。
もしかすると2011年は歴史に残る大きな節目となる年なのかもしれませんね。
Top FX Movers Last Week.
地政学リスクが急上昇する状況下、先週の為替市場における主要通貨ペアの変動は以下のようになりました。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF↓ 0.6973 0.7189 -216 -3.10%
②GBPJPY↓ 131.61 135.17 -356 -2.70%
③GBPCHF↓ 1.4959 1.5350 -391 -2.61%
④NZDCAD↓ 0.7342 0.7507 -165 -2.25%
⑤USDJPY↓ 81.67 83.17 -150 -1.84%
⑥GBPCAD↓1.5752 1.6033 -281 -1.78%
⑦EURNZD↑1.8291 1.7966 +325 +1.78%
⑧USDCHF↓ 0.9281 0.9444 -163 -1.76%
⑨AUDNZD↑1.3537 1.3316 +221 +1.63%
⑩AUDJPY↓ 83.09 84.35 -126 -1.52%
上昇サイドで登場した回数はCHF3回、JPY3回、CAD2回、EURとAUDが一度ずつとなっています。中東と北アフリカの地政学リスク上昇と原油価格の上昇を背景に買われたのは通貨市場ではCHF,CAD,JPYだったと言う事になります。
下落サイドに目を向けるとNZD4回、GBP3回、USD2回、AUD1回という内容になっています。NZDの下落は言うまでも無くニュージーランドの地震の影響が大きいのですが、GBPに関しては公表された前回のBOE議事録で利上げの必要性が強く認識されていた事を背景に週前半は上昇していましたが、その後予想外な事に昨年の第四四半期のGDPが下方修正されたことをキッカケに失速⇒反落と言う経路を辿りました。
全体としてはUSDは引き続き基調が弱く、EURはG3で最初に利上げをする見込みが更に強まったとして堅調推移を続けています。この英国や欧州圏での利上げ思惑は恐らく現実の物となると思いますが、その他ファンダメンタルズに関しては不安や明確な不調を認識しながらも足元の物価上昇には利上げを断行すると言う政策スタンスは今年の後半から終盤にかけてどのような結果を齎すのか極めて不透明だと言ってよいでしょう。
前例の無い状況の中で各国、各経済圏が独自にベストと信じる選択肢を実行していくのが今年のテーマだと思いますが、やはり今年は後半にかけて過去数年の低Volatility時代に終止符を打つような展開が待っている可能性を見て生きたいと思っています。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF↓ 0.6973 0.7189 -216 -3.10%
②GBPJPY↓ 131.61 135.17 -356 -2.70%
③GBPCHF↓ 1.4959 1.5350 -391 -2.61%
④NZDCAD↓ 0.7342 0.7507 -165 -2.25%
⑤USDJPY↓ 81.67 83.17 -150 -1.84%
⑥GBPCAD↓1.5752 1.6033 -281 -1.78%
⑦EURNZD↑1.8291 1.7966 +325 +1.78%
⑧USDCHF↓ 0.9281 0.9444 -163 -1.76%
⑨AUDNZD↑1.3537 1.3316 +221 +1.63%
⑩AUDJPY↓ 83.09 84.35 -126 -1.52%
上昇サイドで登場した回数はCHF3回、JPY3回、CAD2回、EURとAUDが一度ずつとなっています。中東と北アフリカの地政学リスク上昇と原油価格の上昇を背景に買われたのは通貨市場ではCHF,CAD,JPYだったと言う事になります。
下落サイドに目を向けるとNZD4回、GBP3回、USD2回、AUD1回という内容になっています。NZDの下落は言うまでも無くニュージーランドの地震の影響が大きいのですが、GBPに関しては公表された前回のBOE議事録で利上げの必要性が強く認識されていた事を背景に週前半は上昇していましたが、その後予想外な事に昨年の第四四半期のGDPが下方修正されたことをキッカケに失速⇒反落と言う経路を辿りました。
全体としてはUSDは引き続き基調が弱く、EURはG3で最初に利上げをする見込みが更に強まったとして堅調推移を続けています。この英国や欧州圏での利上げ思惑は恐らく現実の物となると思いますが、その他ファンダメンタルズに関しては不安や明確な不調を認識しながらも足元の物価上昇には利上げを断行すると言う政策スタンスは今年の後半から終盤にかけてどのような結果を齎すのか極めて不透明だと言ってよいでしょう。
前例の無い状況の中で各国、各経済圏が独自にベストと信じる選択肢を実行していくのが今年のテーマだと思いますが、やはり今年は後半にかけて過去数年の低Volatility時代に終止符を打つような展開が待っている可能性を見て生きたいと思っています。
2011年2月20日日曜日
Listening for footsteps of inflation?
足元のマクロ経済の大きなテーマの一つがInflation vs Deflationというテーマであり大御所レベルのエコノミストやプレーヤー達の間でもちょっとした論争が起きています。
ここに所謂不況下の物価上昇であるStagflationも入ってくると更に議論は複雑になる訳ですが、商品市場の広範な価格上昇を背景に物価上昇圧力が強まってきているのは紛れも無い事実です。
Deflationトレンド下の一時的な物価上昇やStagflation下の物価上昇というものに対して金融当局が利上げで対応する事の是非と言うものも非常に大きなテーマである訳ですが、先週もそのプロローグ的な事象も散見されています。
先週はECBのExecutive Board MemberであるBini Smaghiの発言によりECBが利上げを検討する可能性が浮上してEURが買い戻される展開となりました。発言内容は以下の通りです。
As the economy gradually recovers and global inflationary pressures arise, the degree of accommodation of monetary policy has to be monitored and, if needed, corrected. The ECB's objective is to maintain price stability for the euro area as a whole.
これだけでEURは100pips以上の反発をしています。
英国では、BOEが公表した四半期報で経済成長の鈍化と足元のインフレ懸念への言及が織り込まれており、同国のインフレ懸念に関してキング総裁からも以下の声明が公表されています。
There is "a great deal of uncertainty about the medium-term outlook for inflation and there are real differences of view within the Committee.
委員会の中でも大いに意見が割れていると言う事なのですが、事実BOE内でもタカ派のSentance氏からは、こういう指摘がありました。
Sentance also noted that his " judgment is that the upside risks to inflation are understated," and "monetary policy would most likely need to be tightened fast and by more than the markets currently expect to bring the inflation back to target."
これでGBPも随分と上昇している訳です。
先週は中国の預金準備率引き上げもありました。繁栄を極める中国経済も貧富格差の拡大と言う難題を抱えており、衣食住の領域での物価上昇は暴動等の社会不安にも繋がり易い状況になっています。おりしもエジプトなどで起きている反政府デモの拡大という社会現象の国内への悪影響にも神経を尖らせている状況ですので中国の金融政策も難しい局面に入ったと言えるのではないでしょうか。
中国は2010年には利上げが2回、預金準備率の引き上げが6回ありました。今年はこれで利上げが1回、預金準備率の引き上げを2回行った事になります。
東部が深刻な洪水被害を受けた豪州でも国全体ではインフレ懸念が払拭出来ないという理由で中央銀行であるRBAは利下げを見送っており、多くのアナリストが年内には利上げサイクルに入ると予想しています。
米国の景気回復や株価への楽観や世界的なインフレ圧力の上昇に金融市場がVividに反応していると言う印象ですが、果たしてこの流れは中長期的な潮流となるのでしょうか?
ここに所謂不況下の物価上昇であるStagflationも入ってくると更に議論は複雑になる訳ですが、商品市場の広範な価格上昇を背景に物価上昇圧力が強まってきているのは紛れも無い事実です。
Deflationトレンド下の一時的な物価上昇やStagflation下の物価上昇というものに対して金融当局が利上げで対応する事の是非と言うものも非常に大きなテーマである訳ですが、先週もそのプロローグ的な事象も散見されています。
先週はECBのExecutive Board MemberであるBini Smaghiの発言によりECBが利上げを検討する可能性が浮上してEURが買い戻される展開となりました。発言内容は以下の通りです。
As the economy gradually recovers and global inflationary pressures arise, the degree of accommodation of monetary policy has to be monitored and, if needed, corrected. The ECB's objective is to maintain price stability for the euro area as a whole.
これだけでEURは100pips以上の反発をしています。
英国では、BOEが公表した四半期報で経済成長の鈍化と足元のインフレ懸念への言及が織り込まれており、同国のインフレ懸念に関してキング総裁からも以下の声明が公表されています。
There is "a great deal of uncertainty about the medium-term outlook for inflation and there are real differences of view within the Committee.
委員会の中でも大いに意見が割れていると言う事なのですが、事実BOE内でもタカ派のSentance氏からは、こういう指摘がありました。
Sentance also noted that his " judgment is that the upside risks to inflation are understated," and "monetary policy would most likely need to be tightened fast and by more than the markets currently expect to bring the inflation back to target."
これでGBPも随分と上昇している訳です。
先週は中国の預金準備率引き上げもありました。繁栄を極める中国経済も貧富格差の拡大と言う難題を抱えており、衣食住の領域での物価上昇は暴動等の社会不安にも繋がり易い状況になっています。おりしもエジプトなどで起きている反政府デモの拡大という社会現象の国内への悪影響にも神経を尖らせている状況ですので中国の金融政策も難しい局面に入ったと言えるのではないでしょうか。
中国は2010年には利上げが2回、預金準備率の引き上げが6回ありました。今年はこれで利上げが1回、預金準備率の引き上げを2回行った事になります。
東部が深刻な洪水被害を受けた豪州でも国全体ではインフレ懸念が払拭出来ないという理由で中央銀行であるRBAは利下げを見送っており、多くのアナリストが年内には利上げサイクルに入ると予想しています。
米国の景気回復や株価への楽観や世界的なインフレ圧力の上昇に金融市場がVividに反応していると言う印象ですが、果たしてこの流れは中長期的な潮流となるのでしょうか?
ラベル:
Editorial,
Elevator Pitch,
English,
FX,
Market,
Recap and SnapShot,
Trading
Top FX Movers Last Week.
金融市場はファンダメンタルズ的な要素と中東の緊張等の世界情勢に交互に支配されるような展開になってきています。
先週の主要通貨ペアのパフォーマンスをReviewして見ましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①CADCHF↓ 0.9567 0.9851 -284 -2.97%
②NZDCHF ↓ 0.7189 0.7396 -207 -2.88%
③CHFJPY ↑ 88.00 85.70 +230 +2.61%
④EURCHF ↓ 1.2932 1.3190 -258 -2.00%
⑤AUDCHF↓ 0.9580 0.9745 -165 -1.72%
⑥GBPUSD↑ 1.6252 1.6004 +248 +1.53%
⑦GBPCAD↑ 1.6033 1.5801 +232 +1.45%
⑧GBPCHF↓ 1.5350 1.5572 -222 -1.45%
⑨GBPNZD↑ 2.1321 2.1030 +291 +1.36%
⑩GBPJPY↑ 135.17 133.51 +166 +1.23%
⑪AUDUSD↑ 1.0143 1.0019 +124 +1.22%
⑫AUDNZD↑ 1.3316 1.3164 +152 +1.14%
⑬AUDCAD↑ 1.0007 0.9893 +114 +1.14%
⑭EURUSD ↑ 1.3692 1.3556 +136 +0.99%
いつもより大目の14位まで掲載しておきました。
内容ですが、週の後半にイランが艦艇2隻のスエズ運河航行許可を得るため、エジプト当局と接触したとの発表を行ったために地政学的リスクの上昇を嫌気して安全通貨としてのCHFに資金が還流しています。皮肉なもので週の前半にはCHFロングポジションが狙い撃ちされる局面もあって随分とCHFが反落していたので結果的にはCHFは乱高下した格好です。
スエズ運河当局はその後、イラン艦艇に航行許可を与えた事実はないと表明していますが、イランがスエズ運河を抜けてシリア方面に出るとそこはイスラエルにも近い海域であり、潜在的な軍事衝突リスクの燻るイランーイスラエル間の緊張は一気に高まる事になります。
このような状況を受けて先週は上位10ペアのうちでCHFの上昇が6回、GBPの上昇が4回という組合せになっています。景気は減速しているもののインフレ懸念が上昇しているというBOEのレポートを受けてGBPが上昇しているのですが、そのCHFの次に強かったGBPとのクロスでもCHFがしっかり上昇している(8位にGBPCHFの下落が入っていますね)ので、CHFの強さが圧倒的であったことが伺えます。
下落サイドでは特に目を引くものは無いのですが、CAD,NZD,JPYが2回ずつで後は、EUR,USD,AUD,GBPが一度ずつという顔触れになっています。中東の緊張と言う事態が”有事のドル買い”、”安全通貨としての円”というコンセプトを迂回してスイスフランに集中したという事になります。
イラン、イスラエルが緊迫すると米国の立場は極めて難しくなるのと、原油価格の高騰やそもそも調達にも苦労する事が確実な日本の立場を考えれば無理もないと言う気もしますが、イラン国内では反政府デモが拡大しており、イラン政府は反政府指導者達を自宅軟禁状態にしている状況などを考えれば国民の関心を外に向けるべく何をやらかすか判らない状況にあるとも考えられるので事態の推移を慎重に見守る必要があると思います。
先週の主要通貨ペアのパフォーマンスをReviewして見ましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①CADCHF↓ 0.9567 0.9851 -284 -2.97%
②NZDCHF ↓ 0.7189 0.7396 -207 -2.88%
③CHFJPY ↑ 88.00 85.70 +230 +2.61%
④EURCHF ↓ 1.2932 1.3190 -258 -2.00%
⑤AUDCHF↓ 0.9580 0.9745 -165 -1.72%
⑥GBPUSD↑ 1.6252 1.6004 +248 +1.53%
⑦GBPCAD↑ 1.6033 1.5801 +232 +1.45%
⑧GBPCHF↓ 1.5350 1.5572 -222 -1.45%
⑨GBPNZD↑ 2.1321 2.1030 +291 +1.36%
⑩GBPJPY↑ 135.17 133.51 +166 +1.23%
⑪AUDUSD↑ 1.0143 1.0019 +124 +1.22%
⑫AUDNZD↑ 1.3316 1.3164 +152 +1.14%
⑬AUDCAD↑ 1.0007 0.9893 +114 +1.14%
⑭EURUSD ↑ 1.3692 1.3556 +136 +0.99%
いつもより大目の14位まで掲載しておきました。
内容ですが、週の後半にイランが艦艇2隻のスエズ運河航行許可を得るため、エジプト当局と接触したとの発表を行ったために地政学的リスクの上昇を嫌気して安全通貨としてのCHFに資金が還流しています。皮肉なもので週の前半にはCHFロングポジションが狙い撃ちされる局面もあって随分とCHFが反落していたので結果的にはCHFは乱高下した格好です。
スエズ運河当局はその後、イラン艦艇に航行許可を与えた事実はないと表明していますが、イランがスエズ運河を抜けてシリア方面に出るとそこはイスラエルにも近い海域であり、潜在的な軍事衝突リスクの燻るイランーイスラエル間の緊張は一気に高まる事になります。
このような状況を受けて先週は上位10ペアのうちでCHFの上昇が6回、GBPの上昇が4回という組合せになっています。景気は減速しているもののインフレ懸念が上昇しているというBOEのレポートを受けてGBPが上昇しているのですが、そのCHFの次に強かったGBPとのクロスでもCHFがしっかり上昇している(8位にGBPCHFの下落が入っていますね)ので、CHFの強さが圧倒的であったことが伺えます。
下落サイドでは特に目を引くものは無いのですが、CAD,NZD,JPYが2回ずつで後は、EUR,USD,AUD,GBPが一度ずつという顔触れになっています。中東の緊張と言う事態が”有事のドル買い”、”安全通貨としての円”というコンセプトを迂回してスイスフランに集中したという事になります。
イラン、イスラエルが緊迫すると米国の立場は極めて難しくなるのと、原油価格の高騰やそもそも調達にも苦労する事が確実な日本の立場を考えれば無理もないと言う気もしますが、イラン国内では反政府デモが拡大しており、イラン政府は反政府指導者達を自宅軟禁状態にしている状況などを考えれば国民の関心を外に向けるべく何をやらかすか判らない状況にあるとも考えられるので事態の推移を慎重に見守る必要があると思います。
2011年2月13日日曜日
A sense of US economic recovery is in the wind.
先週は木曜日にポルトガルの10年債利回りがユーロ導入以降で最高となる7.64%にまで跳ね上がりECBが市場介入して(=同国債を購入して)事態の収拾を図るという局面がありました。週末の水準でも7%は越えているので予断は許しませんが、何が深刻かというと今回は特段引き金を引いたような事象は思い当たらず、市場に遍く燻る不安が同国債の売りを加速させたと言う不気味な背景があります。7%は金融市場が勝手に引いた心理的な合否ラインであり、これ以上の利息の負担はポルトガルにEU/IMFからの支援要請を余儀なくさせる水準と思われていますので今週予定されている同国の1年物の入札結果に注目が集まります。規模は約1bioユーロです。
FRBのBernenke議長は12月と1月で0.8%も失業率が低下した事は求人増加や企業の今後の採用計画の増加などにも裏付けられており非常に勇気付けられる状況であると言う見解を示しましたが、本格回復には数年掛かるとの見通しを示して過度の楽観論を戒める発言をしています。
これはFRB内部にも昨年11月に議長主導で導入された$600bioの資産購入をすると言うLSAPについて景気が回復軌道に乗ったら早期に切上げるべきだとの意見が出ている事も意識した牽制発言であり、一部のコモディティ価格が上昇しているがインフレーションに対する懸念は時期尚早であるという見解を強調する内容になっています。
データ的にインフレーション懸念が上昇しているのは寧ろ英国や豪州なのですが、一部で木曜日の利上げ可能性も指摘されていた英国ではBOEが政策金利を据え置き(0.5%)、GBP200bio規模の資産購入プログラムも維持すると発表しました。今後は今週16日(水)のInflation Reportと来週23日(水)の議事録の内容に焦点が移ります。
豪州は雇用の数字が市場予想比結構弱めに出た事などもありインフレ懸念と利上げ期待もやや後退しています。
カナダですが、12月の貿易収支が10ヶ月ぶりに黒字に戻っています。規模的にもCAD3bioの黒字と言うのは2008年10月以来の高水準でした。エネルギー資源の輸出が好調で輸出が9.7%伸びたのに対して輸入は0.7%増という微増だった事で大きな改善となりました。
カナダと米国と言う北米経済が足元は好調を維持している状況ですが、カナダは元々が黒字国だったものが過去9ヶ月のスランプを経て復活しているのと米国も雇用の回復基調に加えて債券カーブでもBellyと言われる5年~7年ゾーンが売られており、これは従来民間の資金需要が回復する時に起こる現象であることから幅広な経済活動に関する底入れ期待が上昇しているようです。
このような状況下で世の中のお金の流れに関しては二つの大きな潮流を意識しておく必要があるでしょう。①債券から株式へ、②Emerging市場からCommodity市場へ というものです。
①に関しては、現状株式市場は明らかなOverbought状態にあり、あらゆるテクニカル指標が反落調整を示唆しながらも市場がそれらをぶっちぎる形で上昇を続けています。こういう時は他市場との兼ね合いで判断して行く必要があるのですが、今は債券から株式と言う大きな潮流があるので今年の株式市場は調整が始まる前に相当な水準まで上がってしまう可能性が出てきたようです。
②に関しては、インド株がかなり調整を始めているので上海など他のアジア市場や中南米などの新興国にも飛び火するリスクも無視出来ないでしょう。
FRBのBernenke議長は12月と1月で0.8%も失業率が低下した事は求人増加や企業の今後の採用計画の増加などにも裏付けられており非常に勇気付けられる状況であると言う見解を示しましたが、本格回復には数年掛かるとの見通しを示して過度の楽観論を戒める発言をしています。
これはFRB内部にも昨年11月に議長主導で導入された$600bioの資産購入をすると言うLSAPについて景気が回復軌道に乗ったら早期に切上げるべきだとの意見が出ている事も意識した牽制発言であり、一部のコモディティ価格が上昇しているがインフレーションに対する懸念は時期尚早であるという見解を強調する内容になっています。
データ的にインフレーション懸念が上昇しているのは寧ろ英国や豪州なのですが、一部で木曜日の利上げ可能性も指摘されていた英国ではBOEが政策金利を据え置き(0.5%)、GBP200bio規模の資産購入プログラムも維持すると発表しました。今後は今週16日(水)のInflation Reportと来週23日(水)の議事録の内容に焦点が移ります。
豪州は雇用の数字が市場予想比結構弱めに出た事などもありインフレ懸念と利上げ期待もやや後退しています。
カナダですが、12月の貿易収支が10ヶ月ぶりに黒字に戻っています。規模的にもCAD3bioの黒字と言うのは2008年10月以来の高水準でした。エネルギー資源の輸出が好調で輸出が9.7%伸びたのに対して輸入は0.7%増という微増だった事で大きな改善となりました。
カナダと米国と言う北米経済が足元は好調を維持している状況ですが、カナダは元々が黒字国だったものが過去9ヶ月のスランプを経て復活しているのと米国も雇用の回復基調に加えて債券カーブでもBellyと言われる5年~7年ゾーンが売られており、これは従来民間の資金需要が回復する時に起こる現象であることから幅広な経済活動に関する底入れ期待が上昇しているようです。
このような状況下で世の中のお金の流れに関しては二つの大きな潮流を意識しておく必要があるでしょう。①債券から株式へ、②Emerging市場からCommodity市場へ というものです。
①に関しては、現状株式市場は明らかなOverbought状態にあり、あらゆるテクニカル指標が反落調整を示唆しながらも市場がそれらをぶっちぎる形で上昇を続けています。こういう時は他市場との兼ね合いで判断して行く必要があるのですが、今は債券から株式と言う大きな潮流があるので今年の株式市場は調整が始まる前に相当な水準まで上がってしまう可能性が出てきたようです。
②に関しては、インド株がかなり調整を始めているので上海など他のアジア市場や中南米などの新興国にも飛び火するリスクも無視出来ないでしょう。
Top FX Movers Last Week.
金融市場は不安定さを増しているようにも見えますが、基本的に欧州では周辺国債務問題が燻り続け、米国では良好な経済指標が続いた事で景気回復ムードが強まり長期金利も上昇しています。そして何よりも心配されたエジプト情勢では30年にも及んだムバラク独裁体制の終焉という歴史的な出来事も起きています。
そんな中で先週の主要通貨の動向はどうだったのでしょうか?
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①USDCHF ↑ 0.9729 0.9549 +180 +1.85%
②CADCHF ↑ 0.9851 0.9670 +181 +1.84%
③EURCHF ↑ 1.3190 1.2970 +220 +1.67%
④USDJPY ↑ 83.42 82.17 +125 +1.50%
⑤CADJPY ↑ 84.45 83.20 +125 +1.48%
⑥EURJPY ↑ 113.10 111.59 +151 +1.34%
⑦NZDCAD ↓ 0.7504 0.7598 -94 -1.25%
⑧NZDUSD ↓ 0.7602 0.7694 -92 -1.21%
⑨GBPCHF ↑1.5572 1.5384 +188 +1.21%
⑩AUDUSD ↓1.0019 1.0136 -117 -1.17%
先週はユーロの反落もありましたが、それ以上に目を引くのが米ドルの上昇とスイスフラン、日本円の下落でした。
変動率上位10ペアの内訳はUSD上昇が4回、CAD上昇が3回と好調な経済指標を連発して長期金利も上昇している北米経済の通貨が強く、下落サイドで登場するのはCHF下落が4回、JPY下落が3回となっています。
安全資産として買われてきたのがCHFとJPYですので米国景気の復活期待とムバラク大統領の辞任で一旦は鎮静化も期待されるエジプト情勢を受けたリスクテイク意欲の反発が見られるという状況なのではないでしょうか。
ただし、JPYの下落にしてもUSDJPY,CADJPY,EURJPYの上昇であり、AUDJPYやNZDJPYは反発力が弱い状況ですので単純にRISK-ONという状況に戻る訳ではなく、事実多くの資源国、新興国通貨は対USDでは下落しています。
USD Indexもちょっとした抵抗線に当たって止められている状況ですので、今週はUSD反発の持続性が試される展開となりそうです。
糞詰まり状態が続いているUSDJPYもちょっとはレンジブレイクの気配が出てきたかもしれません。
ドル高と円安のバイアスに乗ってて85円方向に抜け出る事が出来るでしょうか?
そんな中で先週の主要通貨の動向はどうだったのでしょうか?
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①USDCHF ↑ 0.9729 0.9549 +180 +1.85%
②CADCHF ↑ 0.9851 0.9670 +181 +1.84%
③EURCHF ↑ 1.3190 1.2970 +220 +1.67%
④USDJPY ↑ 83.42 82.17 +125 +1.50%
⑤CADJPY ↑ 84.45 83.20 +125 +1.48%
⑥EURJPY ↑ 113.10 111.59 +151 +1.34%
⑦NZDCAD ↓ 0.7504 0.7598 -94 -1.25%
⑧NZDUSD ↓ 0.7602 0.7694 -92 -1.21%
⑨GBPCHF ↑1.5572 1.5384 +188 +1.21%
⑩AUDUSD ↓1.0019 1.0136 -117 -1.17%
先週はユーロの反落もありましたが、それ以上に目を引くのが米ドルの上昇とスイスフラン、日本円の下落でした。
変動率上位10ペアの内訳はUSD上昇が4回、CAD上昇が3回と好調な経済指標を連発して長期金利も上昇している北米経済の通貨が強く、下落サイドで登場するのはCHF下落が4回、JPY下落が3回となっています。
安全資産として買われてきたのがCHFとJPYですので米国景気の復活期待とムバラク大統領の辞任で一旦は鎮静化も期待されるエジプト情勢を受けたリスクテイク意欲の反発が見られるという状況なのではないでしょうか。
ただし、JPYの下落にしてもUSDJPY,CADJPY,EURJPYの上昇であり、AUDJPYやNZDJPYは反発力が弱い状況ですので単純にRISK-ONという状況に戻る訳ではなく、事実多くの資源国、新興国通貨は対USDでは下落しています。
USD Indexもちょっとした抵抗線に当たって止められている状況ですので、今週はUSD反発の持続性が試される展開となりそうです。
糞詰まり状態が続いているUSDJPYもちょっとはレンジブレイクの気配が出てきたかもしれません。
ドル高と円安のバイアスに乗ってて85円方向に抜け出る事が出来るでしょうか?
2011年2月6日日曜日
Well I am fixing a....dog.
I'm fixing a hole where the rain gets in and stops my mind from wondering....というBeatlesの歌がありました。気が散るので雨漏りのする天井の穴を塞ぐという事ですが、今この歌を思い出しています。
この週末に以前ここにも書いた経緯で飼うことになった犬の去勢手術を断行しました。
断行すると言うのは極めて大袈裟ですが、想像しただけで痛いので私にとってはまさに断行と言う言葉がふさわしいのですが、何でも性別は問わずともに去勢したほうが病気もしないし長生きすると言う事だそうで、購入したペットショップでも近所の犬のホテル兼美容院を経営している専門家も去勢手術はしたほうが良いと教えてくれました。
でも・・・それで本当に”長生き”=”犬の幸福”なのだろうか・・・・・という思いがあり、非常に迷ったのですが今のご時世夜の間は放し飼いにして恋愛の機会を作らせると言うことも出来ませんので自分がブリーダーでもなければ結局はしてあげた方がいいのかもしれないという結論に達しました。
手術は全身麻酔で短時間で済むようですが、血液検査等もあり一日入院と言う事になりました。主実は土曜日で日曜日の16時以降に迎えに行く事になっていましたが、その前にも面会可能というまさに人間並みの扱いになっていました(笑)。
私は痛々しいのが嫌なので行きませんでしたが妻が面会に行ったところこんな感じだったそうです。
天草四郎のようになっているのは、なんでも傷口を気にして舐めてしまうからだとか。
やっぱり痛いんじゃないの・・・と思い後悔するような心境になっていたのですが、せめて迎えに行ってあげようと思い16時過ぎに病院に行くと、まさに聞いていた通りの格好で意外に元気にしていました。
1週間後には抜糸をするとの事ですが、痛々しくて私はその手術をした場所を見ることが出来ません。
費用は病気ではないのでアニマル保険は適用されず、約5万円を支払ってきました。これも痛々しくて私は預金通帳の残高を見ることが出来ません・・・(汗)
それにしても驚いたのは動物病院の混み方です・・・・日本は人口は減っていますがペットの数は物凄く増えているのではないでしょうか? 最近は動物の地位も上がって米国でもPETとは言わずにAnimal Partner等と呼ばれていますが、こういうところから住民税が取れれば日本の税収も大いに増えるのではないでしょうか。
まー冗談はさておき、犬はよーく労わってあげようと思います。
この週末に以前ここにも書いた経緯で飼うことになった犬の去勢手術を断行しました。
断行すると言うのは極めて大袈裟ですが、想像しただけで痛いので私にとってはまさに断行と言う言葉がふさわしいのですが、何でも性別は問わずともに去勢したほうが病気もしないし長生きすると言う事だそうで、購入したペットショップでも近所の犬のホテル兼美容院を経営している専門家も去勢手術はしたほうが良いと教えてくれました。
でも・・・それで本当に”長生き”=”犬の幸福”なのだろうか・・・・・という思いがあり、非常に迷ったのですが今のご時世夜の間は放し飼いにして恋愛の機会を作らせると言うことも出来ませんので自分がブリーダーでもなければ結局はしてあげた方がいいのかもしれないという結論に達しました。
手術は全身麻酔で短時間で済むようですが、血液検査等もあり一日入院と言う事になりました。主実は土曜日で日曜日の16時以降に迎えに行く事になっていましたが、その前にも面会可能というまさに人間並みの扱いになっていました(笑)。
私は痛々しいのが嫌なので行きませんでしたが妻が面会に行ったところこんな感じだったそうです。
EUR and USD are switching places.
長期金利の上昇が今後の世界経済及び金融市場の台風の目となる事は間違いない状況になってきたようです。為替市場のドルやユーロの状況は欧米の金利動向次第となっており、円金利が明確に出遅れるようならドル円やユーロ円が円安方向に振れて行き、年度末に向けて輸出業界が一息つける状況になるかもしれませんし、財政懸念は日本も全く同じですので円金利が欧米よりも早く上昇するようならドル円は遂に80円を割り込むと言う展開もあり得そうです。
USDは週末に向けて反発しました。一連の経済指標が強めに振れて長期金利が上昇した事が大きかったと言えるでしょう。注目されたNFP自体は+36千人と弱めで直後にドルは売り込まれましたが失業率が9.4%から9.0%という2009年4月以来の水準にまで低下していた事で反発に転じました。昨年11月には9.8%でしたので2ヵ月後で0.8%も改善したと言うのは1958年以来最大です。
FRBは単月データでは動かないと明言しており、飽くまでもデータの集積と傾向を分析している訳ですが、2ヶ月は飽くまでも2ヶ月でしかないのですが、一部の理事達は3ヵ月連続である傾向が続くとそれは3と言う数字以上の意味を持ち始めるという事も明言しており3月初に発表される2月の雇用データの重要度は莫大なものになりそうです。
雇用以外でも米国の経済指標は好調で、1月のISM製造業インデックスは予想を上回る60.8まで上昇しました。これは2004年以来最高の数字です。ISM非製造業インデックスも59.4まで上昇しており、こちらも2005年以来の水準となりました。
これらを受けた週後半の米金利上昇は顕著で、10年ゾーンで昨年の5月以来、30年ゾーンでは昨年の4月以来となる水準まで上昇しました。昨年(2010年)は長期金利低下トレンドが走った時期で金融機関もヘッジファンドも債券ノロングポジションで大きな収益を計上した訳ですが、先週末には夏から秋にかけての金利低下を殆ど取り戻す水準にまで長期金利が復活したと言う事になります。
一方欧州ですがECBがインフレファイターとしての中央銀行のイメージを鮮明にして周辺国のソブリン懸念による経済の失速が続くとしても物価上昇は許容出来ないという利上げバイアスをすら仄めかしていた為に一時は米国よりも大幅に金利が上昇し、通貨としてもユーロが大きく反発していたのですが先週のECB会合で政策金利を据え置いた後の記者会見では随分基調がトーンダウンした景気配慮バイアスが強まっていた事で金利も通貨も反落する展開となりました。
また、この週末に欧州周辺国救済スキームの規模と内容に関する欧州首脳サミットが開催されていますが、ここでも随分足並みが乱れていると言う状況が露呈されてしまったようです。今週も引き続きユーロが下値リスクに晒される展開が続く可能性が無視できないのではないでしょうか?
USDは週末に向けて反発しました。一連の経済指標が強めに振れて長期金利が上昇した事が大きかったと言えるでしょう。注目されたNFP自体は+36千人と弱めで直後にドルは売り込まれましたが失業率が9.4%から9.0%という2009年4月以来の水準にまで低下していた事で反発に転じました。昨年11月には9.8%でしたので2ヵ月後で0.8%も改善したと言うのは1958年以来最大です。
FRBは単月データでは動かないと明言しており、飽くまでもデータの集積と傾向を分析している訳ですが、2ヶ月は飽くまでも2ヶ月でしかないのですが、一部の理事達は3ヵ月連続である傾向が続くとそれは3と言う数字以上の意味を持ち始めるという事も明言しており3月初に発表される2月の雇用データの重要度は莫大なものになりそうです。
雇用以外でも米国の経済指標は好調で、1月のISM製造業インデックスは予想を上回る60.8まで上昇しました。これは2004年以来最高の数字です。ISM非製造業インデックスも59.4まで上昇しており、こちらも2005年以来の水準となりました。
これらを受けた週後半の米金利上昇は顕著で、10年ゾーンで昨年の5月以来、30年ゾーンでは昨年の4月以来となる水準まで上昇しました。昨年(2010年)は長期金利低下トレンドが走った時期で金融機関もヘッジファンドも債券ノロングポジションで大きな収益を計上した訳ですが、先週末には夏から秋にかけての金利低下を殆ど取り戻す水準にまで長期金利が復活したと言う事になります。
USDCHF DAILY ドルは週後半に上昇。 |
EURUSD DAILY ユーロは週後半に大きく失速 |
Top FX Movers Last week.
2月の第一週となった先週の金融市場は全般的に週の前半と後半で流れが反転するような展開が目立ちました。注目された経済指標も多く特に欧州ではECB、米国では米雇用統計の注目度が高かったのですが、前者がDovishで後者がMixながらも失業率が予想外に大きく低下していた事などを好感する動きとなりました。
全体的に顕著なのが長期金利の上昇であり、前半は欧州金利、これが失速した後半は米金利の上昇が加速した事で、ドルは欧州通貨や円に対して反発し、世界最大の消費国である米国景気の回復期待の上昇を背景に洪水被害の深刻化などで売り込まれていた豪ドルなどがしっかり反発する展開となっています。その他では安全通貨として買われてきたスイスフランの一服感も目を引きますね。
では、いつもの通り先週の主要通貨ペアの変動率ランキングをチェックしましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①AUDCHF ↑ 0.9714 0.9361 +353 +3.63%
②CADCHF ↑ 0.9691 0.9403 +288 +2.97%
③GBPCHF ↑ 1.5351 1.4934 +417 +2.72%
④AUDNZD ↑ 1.3192 1.2842 +350 +2.65%
⑤EURAUD ↓ 1.3349 1.3691 -342 -2.56%
⑥AUDUSD ↑ 1.0175 0.9940 +235 +2.31%
⑦NZDCAD ↓ 0.7594 0.7744 -150 -1.98%
⑧AUDJPY ↑ 83.16 81.61 +155 +1.86%
⑨CHFJPY ↓ 85.59 87.16 -157 -1.83%
⑩EURCAD ↓ 1.3381 1.3623 -242 -1.81%
内容的にはこの上位10ペアのうちでAUD上昇が5回、CAD上昇が3回、後はGBPとJPYの上昇が1回ずつとなっており、下落サイドではCHFの下落が4回、EURとNZDの下落が2回ずつで後はUSDとJPYが一度ずつと言う結果でした。
上述の通り、AUDの復活振りが顕著ですね。これは米国の消費活動の持ち直しによる世界経済安定への期待に加えて、著名なシンクタンクが豪州について洪水の影響は無視出来ないが物価上昇ペースが中央銀行の許容範囲を超えていると指摘するレポートを出した事の影響も大きいと思います。
CADは北米経済の延長(米国の隣人且つ資源国)ですのでこれも上伸しており、これら上昇サイドの対価としてはCHFのロングポジションが一旦調整された形になっていると思います。
金曜日のカナダ、米国の雇用統計は前者が強く、後者は注目された非農業部門の新規雇用数では期待を裏切りながらも失業率が9.4%から9.0%に予想外に改善されていた事が好感されて北米通貨の長期金利が大きく上昇しました。
金曜日のみの値動きで見た変動率では以下のようなランキングになります。
通貨ペア 終値 木曜終値 変動(pips) 変動(%)
①CADCHF ↑ 0.9691 0.9537 +154 +1.59%
②AUDCHF ↑ 0.9714 0.9598 +116 +1.19%
③USDCHF ↑ 0.9547 0.9454 +93 +0.97%
④GBPCAD ↓1.5837 1.5990 -153 -0.97%
⑤EURCAD ↓1.3381 1.3510 -129 -0.96%
⑥NZDCAD ↓0.7594 0.7663 -69 -0.91%
⑦CHFJPY ↓ 85.59 86.31 -72 -0.84%
⑧CADJPY ↑ 82.95 82.33 +62 +0.75%
⑨NZDCHF ↑0.7361 0.7310 +51 +0.69%
⑩GBPCHF ↑1.5351 1.5254 +97 +0.63%
金曜のみの動きで見ても上位10ペアのうちでCADの上昇が5回、CHFの下落が6回も出てきますのでやはり最終日となる金曜日の動きが週を通した動きを決定付けるインパクトを持っていたことがわかります。
2月も始まったばかりですが、今後の展開に注目していきましょう。
全体的に顕著なのが長期金利の上昇であり、前半は欧州金利、これが失速した後半は米金利の上昇が加速した事で、ドルは欧州通貨や円に対して反発し、世界最大の消費国である米国景気の回復期待の上昇を背景に洪水被害の深刻化などで売り込まれていた豪ドルなどがしっかり反発する展開となっています。その他では安全通貨として買われてきたスイスフランの一服感も目を引きますね。
では、いつもの通り先週の主要通貨ペアの変動率ランキングをチェックしましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①AUDCHF ↑ 0.9714 0.9361 +353 +3.63%
②CADCHF ↑ 0.9691 0.9403 +288 +2.97%
③GBPCHF ↑ 1.5351 1.4934 +417 +2.72%
④AUDNZD ↑ 1.3192 1.2842 +350 +2.65%
⑤EURAUD ↓ 1.3349 1.3691 -342 -2.56%
⑥AUDUSD ↑ 1.0175 0.9940 +235 +2.31%
⑦NZDCAD ↓ 0.7594 0.7744 -150 -1.98%
⑧AUDJPY ↑ 83.16 81.61 +155 +1.86%
⑨CHFJPY ↓ 85.59 87.16 -157 -1.83%
⑩EURCAD ↓ 1.3381 1.3623 -242 -1.81%
内容的にはこの上位10ペアのうちでAUD上昇が5回、CAD上昇が3回、後はGBPとJPYの上昇が1回ずつとなっており、下落サイドではCHFの下落が4回、EURとNZDの下落が2回ずつで後はUSDとJPYが一度ずつと言う結果でした。
上述の通り、AUDの復活振りが顕著ですね。これは米国の消費活動の持ち直しによる世界経済安定への期待に加えて、著名なシンクタンクが豪州について洪水の影響は無視出来ないが物価上昇ペースが中央銀行の許容範囲を超えていると指摘するレポートを出した事の影響も大きいと思います。
CADは北米経済の延長(米国の隣人且つ資源国)ですのでこれも上伸しており、これら上昇サイドの対価としてはCHFのロングポジションが一旦調整された形になっていると思います。
金曜日のカナダ、米国の雇用統計は前者が強く、後者は注目された非農業部門の新規雇用数では期待を裏切りながらも失業率が9.4%から9.0%に予想外に改善されていた事が好感されて北米通貨の長期金利が大きく上昇しました。
金曜日のみの値動きで見た変動率では以下のようなランキングになります。
通貨ペア 終値 木曜終値 変動(pips) 変動(%)
①CADCHF ↑ 0.9691 0.9537 +154 +1.59%
②AUDCHF ↑ 0.9714 0.9598 +116 +1.19%
③USDCHF ↑ 0.9547 0.9454 +93 +0.97%
④GBPCAD ↓1.5837 1.5990 -153 -0.97%
⑤EURCAD ↓1.3381 1.3510 -129 -0.96%
⑥NZDCAD ↓0.7594 0.7663 -69 -0.91%
⑦CHFJPY ↓ 85.59 86.31 -72 -0.84%
⑧CADJPY ↑ 82.95 82.33 +62 +0.75%
⑨NZDCHF ↑0.7361 0.7310 +51 +0.69%
⑩GBPCHF ↑1.5351 1.5254 +97 +0.63%
金曜のみの動きで見ても上位10ペアのうちでCADの上昇が5回、CHFの下落が6回も出てきますのでやはり最終日となる金曜日の動きが週を通した動きを決定付けるインパクトを持っていたことがわかります。
2月も始まったばかりですが、今後の展開に注目していきましょう。
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