欧米のイースターから日本の黄金週間に跨り、最後に米雇用統計というイベントもあった先週の金融市場ではマグマが噴出すような大調整がありました。
貴金属を初めとした商品市場や株式市場では調整が調整を呼ぶ暴風雨が吹き荒れる中で為替市場ではドルと円が大きく反発しています。
商品市場の調整がAUDやNZDを蝕み、木曜日のECBで"Strong Vigilance"という利上げの露払い役を果たしてきた文言が抜け落ちていた事でEURが転覆。円高についても野田大臣から足元の円高は3月の協調介入の時とは状況が違うという発言が出た事で一気に80円割れを演出する展開となりました。
週末には米雇用統計が強めと解釈出来る内容だったことやこのタイミングでギリシャが統合欧州からの離脱を検討しているとの報道などでEURが続落していますが、円高のトーンは一服しておりドル円は80円台後半での越週となっています。
以上、整理するとこういう感じでした。
通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①EURUSD ↓ 1.4312 1.4802 -490 -3.42%
②AUDJPY↓ 86.19 88.94 -275 -3.19%
③NZDJPY↓ 63.66 65.67 -201 -3.16%
④CADJPY↓ 83.38 85.85 -247 -2.96%
⑤GBPJPY↓ 131.88 135.57 -369 -2.80%
⑥AUDUSD↓ 1.0696 1.0966 -270 -2.52%
⑦NZDUSD↓ 0.7896 0.8092 -196 -2.48%
⑧CHFJPY↓ 91.70 93.77 -207 -2.26%
⑨USDCAD↑0.9660 0.9444 +216 +2.24%
⑩GBPUSD↓1.6362 1.6704 -342 -2.09%
変動の大きかった10ペアはUSDの上昇と円の上昇が5回ずつとなっており、この2通貨両方に対して大きく下落したのがAUD,NZD,CAD,GBPで対USD,対JPYで2度ずつ登場しており、その他はEURが対USD,CHFが対JPYで一度ずつとなっています。
広範な資産市場の取り崩しとなった事で総合的には資源国通貨のダメージが欧州通貨よりも目立つ格好です。個人的にはEURなどの下落を注目してしまいがちなのですが総合的にはAUD等のほうが下落が大きいのですね。CHFJPYがこれだけ下落するのも久し振りだと思います。
やっちゃった感の漂う週末となっていますが、今週もかなりのVolatilityになるのではないでしょうか。