先週は前週までとは違ったパターンだったという印象です。
リスク回避方向がベーストレンドとなり始める中で前週までは週前半は調整的な動きが中心となり、後半は結局リスク回避方向の動きが席捲して終わると言う展開が目立ちました。それが先週は週前半からユーロ売りなどが進行した後、後半から特に終盤にかけて大きく戻して終わると言う展開になっています。
そして付記するべきはCHFとNZDの躍進と言う事になるのでしょう。
CHFの上昇の背景はKOFなどの指標が強かった事に加えてIMF首脳による絶賛発言=スイスの財政状況が先進国では例外的に良好な状況にあり、同国の政策金利における緩和的水準も解除に向かう=と言う材料がありました。先週はEURが対ドル、対円で反発していますが、そのEURも対CHFでは新安値を更新する展開になっています。
NZDのばく進とも言える動きは、中国の同国に対する大規模投資の計画が明らかになった事にあります。中国の政府系運用期間によるNZDで6bioにも及ぶ投資計画は実に中国の外貨準備の1.5%にも該当する規模であり、国債から不動産、酪農事業にまでをも投資対象とするというのですから凄い事です。中国はニュージーランドの隣の豪州でも鉱山資源などに多大な投資をしていますが、ニュージーランドへのよりオーガニックな投資も平行させる方針は地政学的にも南半球への橋頭堡を強化する戦略なのではないでしょうか。
そもそも先週末にかけてのユーロの反発に関しても中国のユーロ圏復興支援の資金面でのコミットメントの再表明と言う材料もあったわけですので改めて中国のパワーを見せ付けられるような思いです。
と言う事でいつものランキングはこんな結果になっています。
通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 変動(%)
①CADCHF↓0.8689 0.9002 -313 -3.60%
②USDCHF↓0.8487 0.8769 -282 -3.32%
③EURNZD↓1.7206 1.7776 -570 -3.31%
④NZDCAD↑0.7988 0.7740 +248 +3.10%
⑤GBPNZD↓1.9797 2.0382 -585 -2.95%
⑥AUDCHF↓0.9084 0.9348 -264 -2.91%
⑦NZDUSD↑0.8186 0.7952 +234 +2.86%
⑧AUDNZD↓1.3060 1.3391 -331 -2.53%
⑨EURCHF↓1.2152 1.2422 -270 -2.22%
⑩CHFJPY↑ 95.14 93.09 +205 +2.15%
冒頭でまとめた通りですが、上昇しているのはCHF5回,NZD5回となっています。この2通貨の上昇の対価で下落したのはCAD2回,USD2回,EUR2回,AUD2回でGBPとJPYが一度ずつでした。
今週は週初がロンドンとニューヨークが休場ですので火曜日からの動きに注目していきましょう。週末のユーロの戻しなども月曜日の主要市場の休場と無関係ではないでしょうし今週のフォローの有無が短期的にも大きなポイントになるでしょう。