2011年11月27日日曜日

Is USD momentum felt on JPY now?

週末にはドル円が上昇する動きがありました。

欧州初で国債に売り圧力が掛かる傾向があり、週後半には円債にも影響が及ぶ動きがありました。財政赤字では欧米の事をとやかく言えない日本ですので、国債不安による円売り圧力が掛かり始めたのではないかと言う声も有りますが、私は寧ろ実需の外貨買いが下げ渋るドル円を押し上げた事でリスクテイカーの円ロングポジションに損切り圧力が掛かった事が主要因と見ています。

ドル円DAILY ⇒ ボトムアウトの兆し?















10月末に75円台で介入が入り79円台まで上昇した後に76円台まで下落。再び75円台へ入って全戻しをしてしまうのではないかと心配になる局面もありましたが、先週は底堅い動きが続き週末には77円台ミドルまで戻して越週しているのはテクニカル面でもボトムアウトの可能性が復活したと言えるでしょう。

以前不安定ですが今週も注目していきましょう。

Taking Europe to the Limit.

欧州統合は、元々幾つかの概念的矛盾を内包しており準備段階では実現自体を疑問視する見方も根強かった事を覚えています。

しかし世界中が米ドルへの不安と不満を背景にその代替通貨を切望していたという背景もあり、やがて世界は欧州統合の概念的矛盾には目を瞑り、実際に欧州諸国も統合メリットを前面に押し出せるようよく心を砕いたのでしょう。導入直後は少し揺らいだユーロはやがて強い通貨となり欧州は不可能を可能にしたと言うような評価すら受ける事になりました。

この辺りは今の中国と似ているような気もします。世界中が中国の強引な資源外交や領土面での強硬な外交姿勢、そして何よりも怪しげな経済指標からコンプライアンス無き経済実態に批判的でありながら世界景気のエンジン役として中国経済の繁栄を必要としていると言うことです。

話を欧州に戻しますが、その欧州も遂に綻びが表面化してしまい、世界中が約10年前に抱いていた疑問を思い出したかのように欧州統合の維持に悲観的になってしまっています。

先週の動きです・・・・

イタリア

首相辞任などでやや収まっていた利回りが23日に再度危険水域の7%台に突入。
25日には2年債が8%を突破し、10年債も一時7.4%まで上昇。

・スペイン

ギリシャ、イタリアに続き財政赤字から政権交代。
 23日、スペインも6%台後半と危険水域7%に肉薄。

・フランス

周縁国で起きて来た現象がコア国であるフランスにも忍び寄ってきた印象。
既に3%台後半まで国債利回りが上昇。

・ドイツ

23日のドイツ国債の入札が「札割れ」に。(応募額が予定額に届かない状態)
ドイツ国債でさえ投資家が購入を躊躇する状態になってきました。

EURUSD DAILY⇒小反発しては下落の繰り返し


Top Movers Last Week.

先週の金融市場も完全なリスク回避モードでした。

今後10年間で$1.2trillionの財政支出削減への道筋を協議してきた超党派のSuper CommitteeがDeadlineであった11月23日(水)までに基本合意に達する事に失敗するなど米ドルが売られても説明の付く材料も複数あったのですが、金融市場の関心は依然欧州危機が中心でした。

先ずは主要通貨ペアの動向を確認しておきます。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%) 
①AUDUSD↓   0.9710   1.0004     -294       -3.03%


②GBPUSD↓   1.5436    1.5800     -364      -2.36%

③NZDUSD↓   0.7390    0.7560     -170     -2.30%

④EURUSD↓   1.3234    1.3523     -289     -2.18%

⑤USDCAD↑   1.0482    1.0272    +210   +2.00%

⑥AUDJPY↓    75.46      76.96       -150    -1.99%

⑦USDCHF↑   0.9300    0.9156     +144   +1.55%

⑧AUDCHF↓   0.9030    0.9154     -124    -1.37%

⑨GBPJPY↓    119.95    121.56      -161   -1.34%

⑩NZDJPY↓    57.43      58.15        -72     -1.25%

上昇サイドでの登場回数はUSDが6回,JPYが3回でCHFが1回でした。
下落サイドではAUDが3回,GBPとNZDが2回ずつでEUR,CAD,CHFが1回ずつ登場しています。

USD,JPY,CHFに上昇圧力が掛かったのは明確なリスク回避圧力でしょう。下落サイドで南半球通貨が目立つのは中国減速リスクが背景と言う説明が目立ちます。確かに中国は対欧州での輸出依存度が大きいので欧州混乱によるダメージは不可避ではあります。

2011年11月20日日曜日

Biding Time for ???

10月31日に本邦当局の大規模円売り介入があったと報道されてから3週間ほど経過していますが、円は非常に不気味な動きを繰り返しています。


USDJPY DAILY⇒11月は陽線3本のみ。
















11月に入っての14営業日の全てで非常に狭いレンジ取引となっており、過度の変動を好ましくないとする当局の意向は市場に浸透しているかのようにも見えるのですが、そうは言ってもその14営業日のうちで曲がりなりにも陽線を出しているのは上記グラフの通り3日のみで、あとの11日は陰線で終了しています。これではとても反転の機運は盛り上がりません。

USDJPY WEEKLY
















週足チャートでも介入週後の陰線続きが目立っています。75円台から79円台まで上昇して77円近辺まで戻していると言う状況ですが、今の半値戻し程度の押し目を作ってから再上昇すると言うのはテクニカルでも十分ありなので、今はある意味で正念場と言えそうです。

前項の通り今週水曜日は米国で大きな材料がある日ですので、注意が必要でしょう。

戦略的な持久戦なのか、出口を探る膠着状態なのか・・・・欧州問題や商品市場の調整を受けたコモディティ通貨の下落などでドル自体には追い風が吹く中で、ドル円が下落しているのでクロス円はどれも大きく下落しています。

天王山は意外と近いかもしれないですね。

Potential Downgrade of US on Nov. 23rd.

欧州も重症に見えますが、米国の状況も非常に危険です。

メディアの報道は絶えず針小棒大で扇情的ですので私は寧ろAnecdotalな情報も重視しているのですが、Occupy Wall Streetの動きに関しては立ち居地によって随分見え方が違うようです。

ある知人は「抗議対象が不明確だし緊張感は無い。何かのStreet Festivalのようだ」と話していましたが、最近は大分先鋭化してきているようで気になります。

また11月23日(水)を期限に今後10年間における$1.2trillionの財政赤字削減計画の取り纏めに努力している12名からなるSuper-committeeの議論が全く噛み合っておらず、期限までに計画を取り纏める事は相当難しいようです。
 
そうなると23日の水曜日に突然何かが変わるという訳でもないのですが、計画の取り纏めに失敗するとMoody'sやFitchが米国のAAA格付を引き下げる可能性が無視出来ません。既に8月にS&Pは米国の格付をAAAから引き下げているので、これに追随する動きが出ても全くおかしくない訳です。

今週の水曜日については一応気にしておきましょう。

Ugly Picture of European Bonds Market.

欧州の国債市場がかなり危険な状況になっています。

従前はリスク回避では米国とドイツの国債が買われるのが常識だったのですが、最近は周縁国とドイツとの国債利回りスプレッドが拡大するだけではなく、ドイツの国債の入札にも十分な買い手が付かないと言う状況になっています。

逆に危機で変われるのは米債と日本国債という状況にもなっており、特に後者の動向は注視していく必要があるでしょう。

先週は、欧州で以下のような動きがありました。

1 イタリア国債の10年物利回りが危険水準の7%を再び上回ってしまった。

2 スペイン国債も入札が不調(十分な買い手が付かない)で、利回りが7%水準にまで上 昇。

3 スペイン、ベルギー、オーストリアに加えてフランスまでがドイツ国債とのスプレッドが過 去最大水準にまで拡大。

最早ECBがバランスシートの大幅拡大を決意して欧州中の財政をバックアップする体制を真剣に検討せざるを得ない状況のように思えますが、これにはドイツと肝心のECBが強く反対している状況です。12月9日のEUサミットで何か出てくるのではないかと言う期待が強まっていますが、逆に何も出ない場合の失望も大きくなりそうです。

Top FX Movers Last Week.


先週も金融市場はかなりの荒れ模様でしたが、為替取引に関しては比較的変動は落ち着いていたと思います。

為替市場のWild Swingは最近の傾向でもあるのですが、先週も欧州の国債市場や商品市場が大荒れになっているにも拘らず為替市場は一方向への持続的な動きはせずに乱高下する展開でした。

     通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↓  58.15     60.51      -236       -4.06%

②NZDUSD↓ 0.7560   0.7848    -288       -3.81%

③AUDJPY↓  76.96     79.17      -221       -2.87%

④AUDUSD↓ 1.0004   1.0266    -262       -2.62%

⑤EURNZD↑ 1.7874   1.7482   +392      +2.19%

⑥GBPNZD↑ 2.0888   2.0446    +442     +2.12%

⑦CHFJPY↓   83.90     85.63      -173      -2.06%

⑧NZDCAD↓ 0.7766   0.7925    -159      -2.05%

⑨NZDCHF↓  0.6919  0.7058     -139     -2.01%

⑩GBPJPY↓   121.56   123.97     -241    -1.98%

⑪EURJPY↓  104.05    106.01    -196     -1.88%

⑫CADJPY↓  74.86      76.24      -138     -1.84%

クロス円で進行中の円高を強調する為に今回は12位まで掲載してみました。

上位10通貨ペアにおける通貨ごとの登場回数は上昇サイドではJPYが4回,USDが2回,EUR,GBP,CAD,CHFが1回ずつでした。 下落サイドでは実にNZDが6回,AUDも2回で後はCHFとGBPが1回ずつとなっています。

両サイドに登場しているCHFとGBPはトレンドレスだったと言えます。JPYとUSDが強く、NZDとAUDが弱かったと言う事になりますが、これは底流としてはリスク縮小、レバレッジ縮小、投資戦線縮小が続いているのだと考えればよいでしょう。

2011年11月13日日曜日

Neck Poping.

最近自宅の最寄り駅付近に二つも整体院が出来ました。

米国にいた頃はよくカイロプラクティクスの施術を受けていたのですが、日本では保険対象外であることや医師としての国家資格を必要としない為に怪しげな整体師もいるようなのでこの手の治療を受ける事はありませんでした。

ただ最近は自分でもガチガチだと感じるくらい首や肩が固まっている状況でしたのでこの2ヶ月位の間に両方の整体院を試して見ました。

上記のような理由も有って日本では整体やカイロの区別も今ひとつ付いていない感じですが、専門学校などでしっかり教育を受けてから開院しているところが殆どであり、ちゃんと調べてから行けば特段危険な事は無いと思います。

ただ個人的にはやや期待はずれだったのはどちらの整体院でも体をボキボキ鳴らすような施術は行っていませんでした。米国のカイロは骨の歪みを直接正しに行きますが、両方の整体院ともに骨の歪みの原因となる周囲の筋肉を調整する事で結果的に骨の歪みも元に戻ると言うアプローチを採択していました。
 
少し質問もしてみたのですが、かつては日本でもボキボキやるところも多かったそうですが、幾つか事故もあったようで、今では特に首をボキボキやる治療については万が一の時に保険でもカバーしてくれなくなっているとの事でした。

米国ですらカイロプラクティクスの効果に懐疑的な専門かもいて、ボキボキやるのは危険だと言う説もあるそうなのですが、私などはあれをやると如実に効果が出るタイプで、首や肩が軽くなって翌日以降の朝の目覚めも変わってくるような感じなのですが実際にはどうなのでしょうね。

懐疑派や否定派でも短期的なスカッとする効果は認めていますが、それで治癒に向かうものでは無く、そもそも施術自体が危険であると言う話だったと思います。

個人的には熟練の整体師を探して月に一度位は骨格をAdjustして欲しいと思っていますが、それまでは”筋肉”整体で我慢しようかと思います。

あと、自分でボキボキやるのは絶対にいけないみたいですね。

Top FX Movers Last Week.

先週も欧州問題がメインドライバーとなりました。

色々有りましたが、特にギリシャからイタリアに火の粉が飛び火した結果、この両国において議会や有権者に痛みを伴う改革を受け入れてもらう事・・・具体的には生活水準の切り下げを受け入れてもらう代わりに国家元首が事実上首を差し出すと言う展開になった事は物凄い事だと思います。

ギリシャの首相は親子3代続けて首相と言う名家であり、イタリアの首相は同国のメディア王と呼ばれるほどの実力者ですので両国ともに非常に大きな出来事でした。イメージではギリシャの鳩山とイタリアの小沢が首を差し出して議会や国民の理解を求めたと言った感じでしょうか。

先週の為替市場における主要通貨ペアのパフォーマンスは以下の通りです。

      通貨ペア↑↓    先週終値      前週終値      値幅(pips)       値幅(%)
①NZDJPY↓     60.51          62.04           -153           -2.53%

②AUDJPY↓     79.17          81.11           -194          -2.45%

③CADCHF↑    0.8896       0.8690         +206         +2.32%

④GBPCHF ↑   1.4468       1.4185         +283        +1.96%

⑤NZDCAD↓    0.7925       0.8071         -146         -1.84%

⑥EURJPY↓      106.01      107.82          -181        -1.71%

⑦USDCHF↑     0.8999      0.8847         +152       +1.69%

⑧AUDCAD↓    1.0376      1.0550         -174        -1.68%

⑨USDJPY↓      77.11        78.22            -111       -1.44%

⑩EURCHF↑     1.2372     1.2198          +174      +1.41%

上昇サイドの登場回数はJPYが4回,CADが3回でGBP,USD,EURが1回ずつでした。
下落サイドの登場回数はCHFが4回,NZDが2回,AUDが2回でEURとUSDが1回ずつでした。

当局の姿勢が見えにくくなり介入警戒が弱まったJPYが上昇し、当局が姿勢を明確にしたCHFが下落しています。USDとEURは上昇と下落の両サイドに顔を出している状況ですので大きなトレンドが出ている状況では無いと言う感じですね。

金融市場は中長期的な警戒姿勢は維持しながらも短期的には欧州危機も年内の山場は越えたという雰囲気も出てきたようです。一旦水入りと言うシナリオもありうるのでしょうか。

2011年11月6日日曜日

Toss-up week for JPY?

10月31日に遂に執行された本邦当局による円売り介入の規模は7兆円を超える規模だと推測されていますが、月末要因で需給が激突する時間帯に突然円が急落する動きに金融市場は騒然としていました。

為替市場に直接触っているトレーダーの人達以外は保有していたポジション次第で大きな利益を得たか予想外のダメージを受けたかのどちらかだったのではないでしょうか。


USDJPY DAILY⇒月曜日に急騰。ヒゲも長いけど大陽線!!

75円台だったドル円はほぼ一気に79円台まで急騰すると言う数年来振りの上昇を記録した後、小反落して78円水準で揉み合っていましたが、78円台を維持した週末の水準としてはまずまずの値持ち感だったという気がします。




7兆円以上のドル供給を当局が飲み込んだと言うのは物凄い事であり、実需の売りが相当掃けた可能性もありますし、証拠金業界の円ショートも激減しているのでRetailの投資家の人達はドル円、クロス円のロングポジションを相当手仕舞ったものと思われます。

各方面でそこそこポジションが軽くなったと言う事で依然ギクシャクした欧州情勢を中心に金融市場が今週に入って日本円をどう扱うのかは大いに注目したいところです。

前述の通り週末もドル円は比較的よく値持ちしていましたが、リスク回避バイアスが強まっているのは円の上昇要因ですし、海外勢はこの介入の過程で円買いに動く勢力の方が目立っていたと言う報告もあります。

今週も週初から油断禁物と言う感じですね。

Top FX Movers Last week.

先週は日米欧に加えて豪州などでも金融政策決定会合がありましたが市場予想に反して利下げを断行した欧州の決断を好感してか各市場ともに終盤までは安定した推移が目立ちました。

終盤まではと書いたのは終盤は少し荒れ模様だったということなのですが、やはり発端はギリシャ問題でした。国民に負担を強いる政策を押し進める上で国民が状況を理解してそれを支持すると言う基盤が不可欠と見たパペンドロー政権が議会による政権の信任投票と緊縮財政政策に掛かる国民投票を実施すると発表した事で再びリスク回避バイアスも復活する展開となったのです。

流石にこれには仏独も大慌てとなりギリシャ政権に働きかけを行った結果、一旦は国民投票を見合わせる方向が打ち出されましたが、今週もこの問題は尾を引きそうな気配です。予定通り週末に行われた議会による政権の信任投票では無事に政権が信任されると言う無難か結果が出ていますが、国民投票の話が再燃すると相当ドタバタする事になりそうです。

以下の先週の主要通貨ペア動向でもリスク回避色が反映されています。

       通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①NZDUSD↓  0.7930    0.8199     -269       -3.39%

②AUDUSD↓  1.0367    1.0701     -334       -3.22%

③USDJPY↑    78.22      75.81      +241      +3.08%

④GBPNZD↑  2.0188    1.9629     +559      +2.77%

⑤EURUSD↓  1.3782    1.4154      -372      -2.70%

⑥USDCAD↑  1.0178    0.9915     +263     +2.58%

⑦GBPJPY↑   125.38     122.18     +320     +2.55%

⑧GBPAUD↑ 1.5448     1.5055     +393     +2.54%

⑨USDCHF↑ 0.8847     0.8625      +222     +2.51%

⑩EURGBP↓ 0.8595     0.8779      -184      -2.14%

上昇サイドでの登場回数はUSDが6回、GBPが4回となっています。
下落サイドでの登場回数はNZD,AUD,JPY,EURが2回ずつでCADとCHFが1度ずつでした。

JPYに関しても大規模な市場介入が行われた為にUSDJPYの上昇も第三位に入っています。USDは介入で持ち上げられた対JPY以上にAUDやNZDに対して上昇しているところが面白いですね。