先週発表された中国の第一四半期のGDPは年率換算で8.1%の成長となり、昨年の第四四半期の8.9%や今回の市場予想の中心であった8.3%を明確に下回る内容でした。
日米欧辺りと比較すれば8.1%なんて凄いのですが、中国経済としては2009年の第一四半期以来で最低の数字と言う事になります。
更に世銀のデータと予測によれば、中国の貿易黒字規模は2012年はGDPの3.1%にまで縮小する事が予想されています。これは2011年の3.4%と比較しても低下しており、貿易黒字の縮小は同国の外貨準備高が過去のようなペースでは増加しないと言う事をも意味しています。
振り返れば、2007年に世界中が中国を指差して人民元の過小評価を叫んだ時の同国の経常黒字は実にGDPの10.1%でしたが、その後は急速に低下しており2011年にはGDPの2.8%まで低下しています。NDF市場で人民元の先高観測が急速に萎んできていることも不思議では無いと言うことでしょう。
人民元はまだまだ規制通貨であり、取引に制約も多いので実際には中国経済に対する見通しをその代役として受け止めているのが資源国市場であり、中でも豪州市場はその代表格です。豪ドルの動向は中国経済に対する先行きの思惑の実況中継とでも言いたくなるような状況なのですが、先週も結構Choppyな振幅でした。
AUDUSD DAILY⇒週央に反発も失速。 |
NZDUSD DAILY⇒AUDとパラレルな動き |
兄弟通貨のNZDもほぼパラレルな動きですね。この辺りはまだまだ利回りも取れるので投資家が保有したがる傾向が強いのですが、そういう意味でも中国経済の双肩には非常に重いグローバルな期待がのしかかっている事になります。