本邦勢の多くは4日の金曜日が”仕事始め”だった先週ですが、実質的に金融市場は2日(水)から始動していました。
米国内メディアからも”歌舞伎劇場”と表現された”財政の崖”問題の駆け引きが一応の妥協を見た事(英語でも今回のオバマ政権と議会のハッタリと意地の混じった駆け引きをKabuki TheaterとかKabuki Playと表現していました),12月のFOMCの議事録が予想外にハト派的ではなかった事、同じく12月の雇用統計の内容が過去月データの上方修正も含めて予想比強い内容であった事などから株式市場を筆頭にリスク資産市場が極めて好調なスタートを切った格好となりました。
為替市場のほうは、このような状況下でややトリッキーな展開も見せており、財政の崖問題の妥協案合意後のRisk-on段階では米ドルと日本円に下落バイアスが掛かり、その後は米国経済の堅調な回復振りを示すデータが続いた事を受けた米長期金利の上昇を受けた米ドルの買戻しが席捲して米ドルは反発に転じて来ました。
結局週を通して弱ったのは日本円と言う事になるのですが、2013年第一週の主要通貨ペアの週次パフォーマンスは以下のように整理できます。
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
①CADJPY ↑ 88.98 86.24 +274 +3.08%
②AUDJPY ↑ 91.88 89.16 +272 +2.96%
③NZDJPY ↑ 72.59 70.47 +212 +2.92%
④USDJPY ↑ 88.26 86.00 +226 +2.56%
⑤CADCHF ↑ 0.9367 0.9156 +211 +2.25%
⑥AUDCHF ↑ 0.9672 0.9466 +206 +2.13%
⑦NZDCHF ↑ 0.7642 0.7480 +162 +2.12%
⑧EURCAD ↓ 1.2906 1.3177 -271 -2.10%
⑨EURAUD ↓ 1.2499 1.2739 -240 -1.92%
⑩EURNZD ↓ 1.5818 1.6114 -296 -1.87%
通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(3回),AUD(3回),NZD(3回),USD
下落通貨 ⇒ JPY(4回),CHF(3回),EUR(3回)
2012年終盤の数ヶ月はEUR/AUDの買戻しに代表されるような欧州通貨のコモディティ通貨に対する優位が顕著でしたが、2013年は年初の動きでこれが再度転換するようなバイアスが感じられる動きとなりました。そして何といっても目を引くのが円の続落感です。