前項でも書きましたが、Non-Humanな市場参加者の比率が高まるこの時期に、アルゴリズムが暴走するとこうなると言う話が先週終盤に上海で起きてしまいました。
16日(金)の上海株式市場で株価の急騰と直後の急落と言う典型的な御発注騒動がありました。これも上述のような人間ではない自動アルゴリズム取引の仕業であった事が判明しています。
日経新聞は以下のように報じています。
【上海】16日の上海株式市場で大手証券の光大証券が大量の株式買い注文を誤って出した問題で、同社の先物子会社の光大期貨(上海市)が同日、株価指数先物約48億元(約780億円)を空売りしていたことが明らかになった。親会社の損失を相殺する狙いがあるとみられる。中国金融先物取引所が公表した資料によると、光大期貨は16日、上海・深セン両証券取引所の主要300銘柄で構成される株価指数「CSI300」に連動する株価指数先物を新規で7023枚空売りした。約48億元に相当する。
親会社の光大証券は16日、約70億元(1120億円)の株式買い注文を誤って出し、上海総合指数が一時5%超上昇した。上海証券取引所は「取引所のシステムに問題はない」としており、光大証券が損失を計上する可能性がある。また17日付の中国紙は「光大証券が台湾の株式市場向けに開発した投資システムが誤発注を引き起こした」と報じた。
中国の大手証券会社が、誤御発注で大量の買い付けを行ってしまった後に、リスクヘッジの目的で子会社が大量の先物売りを行ったと言う事による乱高下だったようです。
上海市場は弱気センチが続いていたので、元々ショートポジションを仕掛けていた勢力は、この最初の誤発注による急騰で殺された事でしょう。次にこの誤発注による急騰を見て自動的にロングメイクした勢力(含むアルゴリズム)は、その後の急落時に殺されている事でしょう。
まさに真夏の悪夢上海バージョンでした。