2014年9月14日日曜日

EURGBP : A Potential Powder Keg?

アジアの歴史も極めて複雑且つ日本も複雑な隣国関係に手を焼いていますが、欧州のそれも十分に複雑ですね・・・・

英国は諸事情あって欧州の一員と言う立場を重視しつつも統合通貨の採択等からは距離を置くと言う選択をしてきました。
 当初は本邦主力大企業からも英国に対して「英国がEURに参加しない場合は英国を撤退することも検討する」と言う圧力がかかるほど統一通貨EURへの期待や支持は絶大なものでした

期待通り強い通貨として誕生したEURは、グローバルな基軸通貨としてのUSDへの不安を背景に順調な推移を辿りますが、やがて欧州域内の問題の露呈などから値下がりを続け、やがて長期低迷の原因は、統合欧州というコンセプトへの疑念や矛盾であるという批判にすら晒されるようになります

英国経済は金融危機からの立ち上がりも早く、GBPも復調し、英国が独自性を維持してEURへの参加を見送ってきたことは正解であったと考えられるようになりました

皮肉なのは、その英国からScotlandが独立した場合、通貨をGBPとするかどうかは微妙な状況に有り、更にGBPを継続しない場合の選択肢の中にEURへの参加と言うオプションがある事です

第一に、Scotlandが独立するかどうかが微妙。
第二に、Scotland独立の場合に同国がGBP使用を継続するかどうか微妙。
第三に、同国がGBP継続を選択しない場合にEURを採択する可能性がある。

EUR参加を見送って正解だった英国経済が、事実上内部にEURを抱え込む格好になるのでしょうか? 恐るべき歴史のいたずらと言うべきシナリオではないでしょうか。

そういう目線で市場を見ていくと、9月18日のScotland独立を問う住民投票結果を受けて、どのような結果が出ても大きく動く可能性を秘めた通貨ペアの一つがEURGBPと言うことになるでしょう。
EURGBP DAILY

案の定、陽線にしても陰線にしても長目のロウソク足が出やすくなってきているように思えませんか?

チャートの左半分でEUR安GBP高のトレンドが一服し、そこから持続性のある方向感は掴みにくいレンジ内での攻防戦が続いてきました。

X-Dayは9月18日・・・なのかもしれませんね。