2012年3月18日日曜日

Another Inconvenient Truth ?


以下のチャートはTyler Durden氏の作品ですが、非常に意味のあるチャートだと思います。
S&P500と米国経済指標の3mthトレンドは2010年まではほぼ一緒に上下動していた事がわかります。

それが2011年には一度袂を別った感じで経済指標が鈍化する中で株価は上昇をしており、逆に経済指標が復活してくると株価が下がる動きも出始めています。2011年後半には再び両者は手を組んだような動きをしていますが、2012年に入って再び上下に分かれ始めました。
株価(S&P500)と米経済指標のトレンド

























最近同様の指摘が増えているのですが、こういう解釈(懸念)が一般的になってきました。

・経済指標の悪化 ⇒ 政府や中央銀行が財政投入や金融で景気を支える 
・経済指標の改善 ⇒ 既存の財政投入や金融緩和が取り除かれる

これで指標の悪化がリスクアセットの好調を呼び込み、改善がリスクアセットの不調につながると言う事になるのですが、改めて世の中は複雑化したものだと感じます。

基本的には当局もこのようなリスクは承知の上で財政を投入したり金融緩和にも踏み切っているわけでしょうが、リスクアセットの価格を押し上げる事が自信回復につながって実体経済が改善すると言う理想的なシナリオが中々実現しない事への焦燥感も出てきている事も事実です。

ごく足元の短期的な動きは、経済指標の改善と株価の堅調が足並みを揃えていると見る事も出来ると思うのですが、これが定着して税収回復⇒財政改善⇒未曾有の金融緩和も出口に向かうと言うベストシナリオに繋がるのかどうかはまったく楽観を許さない状況かと思います。