2007年6月17日日曜日

Last comes compliance. Could this be a blind spot of global economy?

中国における知的所有権の軽視まではともかく、毒野菜、毒肉、毒入り歯磨きなどの輸出による問題の広がりは場合によっては中国経済のアキレス腱になりかねないという危惧を抱かせます。日本でも中国産の土鍋にカドミウムが使用されていたことが発覚し、輸入元が製品の回収に動いていました。

中国は”世界の工場”を目指して膨大且つ安価な労働力を提供し続けており、世界中の企業が生産拠点を中国に移す動きを促進してきました。世界中の企業が自社製品を中国で生産して自国に逆輸入して販売していると言うのはまさにGlobalizationの実現であり、事実上の雇用の輸出となる為に米国の製造業界なども必死にロビー活動をしていますがこの流れを変える力はありません。

経済のグローバル化の恩恵を受けて中国とともに世界経済を牽引するのがインドですが、ある米国の要人が最近の公演の中で、インドは中国以上に有望であると予測していました。その理由は国民の殆どがほぼ問題のないレベルで英語を理解し、使えるという事だったのですが、この要人は触れていなかったインドの人々の高い数学力やIT理解度などを考えても充分に納得できる話だと思いました。

ところが・・・どっこい大作

少し前に自社のオンラインバンキングのアドミンセンターとカスタマーサービス機能をインドに移転したある英国系銀行があるのですが、そこが今結構な問題に直面しているそうです。
 トラブル続出と言うと何かシステム統合の問題でもあったのかと思ってしまいますが、実はこれ、不正の頻発が問題なのだそうです。
 送金の依頼をしたら余分に引き落とされたというような苦情(というより事件ですね)が多く、中には何かのFEE程度としか思わずに気にしないような小額の引き落としを広い範囲からかき集めたり、ドンブリ勘定と思われる狭い範囲から何回にも分けて引き落として懐に入れてしまうような事例がかなり起きているそうです。
 
これらはインターネットなどのHacking行為と同じで、悪意に加えて相当高い技術がないと実行できない訳ですからインドあたりも単純に、英語、数学、ITの水準が高い安易な労働力などと思っているとモラルの部分で足元をすくわれかねないと言うわけです。

私の多くの友人達は、中国の人もインドの人も極めて優秀かつ善良な人々なのですが、それぞれの国内ではどうやらモラルの面なども含めてかなりの階層に分かれていると言う現実もあるのではないでしょうか。更に急激に裕福になっていく人々も出ている中で乗り遅れたくないとの欲望からモラルが破壊されやすい状況にあるということも考えられます。

欧米や日本でも実は高度経済成長期には随分とイケイケドンドンモードで突っ走ったこともありましたし、私も経験した80年代の日本のバブル経済の時の日本のモラルだって決して褒められたものではありませんでした。もしかしたら経済的な成功を収めたあとの成熟期になって初めて所謂コンプライアンスというものが根付いていくと言うことなのかもしれません。

地球温暖化問題でも先進国の懸念を理解も共有もしながらも経済成長を犠牲にしてまで環境に配慮する気はないという中国やインドも含めた途上国の一致したスタンスを見ていてもそう思うのです。

Globalizationの波は、MoralやComplianceをも地球規模で共有させることが出来るのか、それとも一旦この波も世界経済も後退するのか・・・・?

Last comes compliance. .................or Compliance lags. というのはGlobalizationの盲点或いはアキレス腱になるのでしょうか?

それにしてもこと細かさに関しては日本のコンプライアンスは米国の比ではありません。
成熟しすぎなのよ・・・・日本は・・・・