金融市場には強気派と弱気派がいます。前者は相場が上昇すると予測している人で、後者は相場が下落すると思っている人です。英語では、強気派をBULL、弱気派をBEARと言いますが、このうだるような真夏日が続くなかで両者の戦いは文字通りHEAT UPする一方です。
金融市場では米国のSub-Prime Loanの延滞率上昇に端を発した複数のヘッジファンドや金融機関の巨額損失の話を背景に最終的には投資家のリスク縮小→ポジション清算の動きから世界中の資産価格の大幅反落への恐怖が蔓延してちょっとした騒ぎが継続中です。
この動きの中で元々世界中に過剰と言われる程の流動性(=安価な投資元本とでも思いましょう)を提供してきた日本円には資本逆流による上昇バイアスが強まっています。
こんな背景から世界中の資産市場価格と為替市場での円安はほぼ完全な正の相関関係にあり、最近は資産価格(特に株式市場)の下落と円高の動きが同時に起きて世界中から悲鳴が上がるというパターンが目立ってきました。
ところで、BULLとBEARは長年の付き合いの中で相手方の強みも弱みも知り尽くしています。世界的投資ブームでしばらく守勢に回ってきたBEARは、ここで一気に攻勢をかけてBULL陣営を攻略しようとしているのですが、少なくともこれまでのところどうも攻め切れていません。
規模の大きいヘッジファンドからですら「どうもしっく来ないね」という違和感の声が聞こえてきますが、私はここにBULLとBEAR以外の新興勢力(?)としての”DOG”の存在を感じています。(真面目よ)
Pavlov's Dog(パブロフの犬)というのは、条件反射の実験でパブロフ博士が一定期間ベルを鳴らしてから犬にえさを与えると言う行為を繰り返したところ、やがて犬はベルの音を聞いただけで涎を流すようになったと言う話ですが、年単位で一方向に継続してきた株式市場の上昇や円安の流れを潜在意識に刷り込まれてきた新興投資家勢力がパブロフ博士の犬のように相場の反落局面で怖がるどころか狂喜乱舞して買い注文を入れてくると言う現象が発生しているのです。
この新興投資家勢力が塊として持つ総合力は、最早大規模なヘッジファンドなどをも踏み潰して相場の流れを変えてしまうくらいの力は充分にあると言えるのですが、自分たちが売り仕掛けても相場が下がると食いついてくるDOG軍団を当初は馬鹿にしていたBEAR軍団も相手がもしかすると大きな群れを成す狂犬集団かもしれない事に気が付いてやや腰が引けてきたというのが現状でしょうか。
冒頭に書いたとおり、奇しくもうだるような真夏日が続く盛夏の季節にBULL対BEARの戦いがHEAT UPしていますが、この盛夏、真夏というのは英語では、”dog days of summer"と表現されます。
BULLS、BEARS AND DOGS
これで陣営が出揃ったとするならば、我々はどこに加勢しましょうか?
A heated battle continues between BULLS and BEARS in DOG days of summer.
今日はそんなコンセプトで書いてみました。
The heat is upon us. : 我々にとっても試練の時ですが頑張りましょう。