2007年8月30日木曜日

Collision of Thoughts : Perception Gap

先日会社で突然非常ベルの音が聞こえました。直ぐ側という感じでは無かったものの、避難するようなものなのかどうか少し気になったのですが、やがて音は収まり我々も直ぐに忘れてしまいました。

 人伝なので定かではありませんが、誰かがトイレの個室で流すボタンだと思って非常ベルのボタンを押したのだと聞きました。個室側面に流すボタンがあるのは知っていましたが、確認してみると確かに奥の壁には非常ベルのボタンを発見しました。

入社、或いは赴任間もない人か来客か・・・・ちょっと不慣れな人が用を足して流そうとしてそこにあるボタンを押したらベルが・・・・・・? そんな状況を想像をしたらとてもおかしくなってきました。

まさか・・・・・・

これではヤバイと思ったその人が、おしり丸出し状態のままうさぎ跳びのように出てきて隣の個室に逃げ込んだりなどしていたら・・・・・そんな絵を思い浮かべると声を出して笑いそうになりました。

水曜日には・・・・・

真横の同僚が電話で顧客に話をしながら、自分で飛ばしたジョークに自分で笑った拍子に大き目のゲップをしてしまい顧客に詫びを入れていました。

 「これ以上僕を笑わせたら殺す」・・・・彼にそんな事を言いながら私も受けていました。

閑話休題・・・・

日本株は、見ていて少し情けなくなるくらいに前日の米国株の動向に影響されますが、為替市場はかなり独自の動きを見せる事も多く、東京市場の独自性とステイタスはここ数年で随分と高まっていると感じます。

 米国市場が終了してから数時間後に東京市場が始まるという分断状態の株式市場が米国市場の後追いで、シドニー市場を挟みながらどこまでが米国市場でどこからが東京市場なのかの区別も曖昧な連続状態の為替市場で東京市場が独自の動きをするというのはちょっと不思議な気もします。

海外市場で株が売られる、円高が進む・・・・ヘッジファンドや外銀の戦略デスクがこの後の東京市場における輸出企業のパニック的な外貨売り注文による円高加速を期待してドル円やクロス円のショートポジションを積み上げる・・・。
 そんな動きの後で東京市場が注文通り、彼らの期待通りにパニック的な動きを見せる事は最近は極めて稀になりました。

 冒頭のエピソードも然りで前日の海外市場で株安、円高が進行して私自身も東京市場がパニック的な動きをする可能性があると少々緊張(期待?)して出社した日に起きたほのぼのとした出来事でした。
 
サブプライム・モーゲージ問題を震源地とした金融市場の激震は、各国当局の流動性供給策などにより一旦沈静化した格好となっていますが、いまだ不安定な状況に変わりはなく今週も週初から徐々に強まってきた株売り、円買いの動きが火曜日の北米市場で加速して水曜日の東京市場における日本人、特に投資家と輸出企業の動向に世界中が注目していました。

しかし、これまでのところあらゆる円高局面、今回の円高ピークだった111円台(111.60)の辺りですら本邦輸出企業のパニック的なドル売りは出ておらず、結局梯子をはずされた格好の海外勢がポジションを手仕舞う形で相場の振り子が円安方向に振り戻してくる展開が多く、水曜日のドル円、クロス円の反発も誰かが大きく買ったというよりは出るはずだった売りが不在であったために相場の需給の歪みから投機ポジションが解消されたという要因が大きかったと言えるでしょう。

シカゴの商品先物市場では2006年の6月以来久しぶりに円先物の建て玉がロングポジションに転じています。海外投機筋が期待する一大円高の幕開けは、日本の輸入勘定や投資勘定の外貨買いが輸出勘定の怒涛のパニック売りに押し潰されるときに実現するというシナリオですが、少なくともここまでの展開を見る限り、そのシナリオは実現するとしても海外勢が思い描くような時間軸ではなさそうにも見えます。

実際には、本邦勢のパニックを期待している海外投機筋にこそパニック的、刹那的な心理状態が感じられると言うのが個人的な印象ですが、この認識ギャップがどのように拡大・縮小していくかはここからの金融市場の大きな地雷となる事は間違いありません。

今の日本市場、特に東京外国為替市場は、巌流島か八幡原か・・・・・私はそんなイメージを持ちます。
宮本武蔵を待ちくたびれる佐々木小次郎、上杉軍を待ち構える武田軍・・・・これが海外勢というところですが、彼らを待たせる本邦勢は今のところマイペースです。

ただし・・・歴史と同じで、戦いは必ず起こります。

Stay Tuned.