2008年1月3日木曜日

A grand prelude to a trembling January 2008.

金曜日から東京市場が始まりますのでいよいよ2008年度の金融市場がFull condition状態になるのですが、それにしても年末年始で海外勢がかなり気合の入った動きをしているように見えます。

原油価格が遂に1バレル100ドル相場へ、金価格はあっという間に900ドル相場目前、そして為替市場では日本円とスイスフランが主要通貨をリードしまくっています。円などはクリスマスに114円前半→正月に108円前半という殆ど年末年始で6円相場です。

金曜日にはいきなり米12月の雇用統計の発表が予定されており、流石にここまではマッタリ相場かとも思ったのですが、年末の本邦インフレデータの上昇、パキスタンのブット首相暗殺など無視出来ない材料があったのと金融市場混乱の年として記録されるであろう2007年度年末越えの資金繰り要因等も各市場の流動性が不完全な状況下で相当の影響を及ぼしていた可能性もあります。

多くのメディアが世界景気の減速懸念の上昇を受けて年初から世界的に株式市場が下落しており、多くの投資家も年初から投資を縮小しファンディング通貨であった低金利通貨(円、スイスフラン)に買戻しが入っていると言う説明をしていますが、では原油価格や金価格の爆発的な上昇は投資でも投機でもなく純粋な需給なのかどうか・・・・

2007年の9月30日に"At Major Cross Roads"というテーマで以下のような事を書きました。

"紙からモノへ"・・・・・資産を紙幣や株券という紙から金などの貴金属や原油などのエネルギーや小麦などの食物と言う形で保有する動きは資本主義経済の根幹を揺るがすものです。

"神から物へ”・・・・群集の信仰の対象が神から富と変化するという物質主義に走り過ぎた資本主義の行き過ぎを是正するような動きが、その富の象徴であるPaper Assetの根源的価値の下落と言う形で始まっているとすれば、それはとても皮肉な話です。

そうです・・・この年始相場の動きも良く見れば、Asset市場全般にExposure の圧縮圧力が掛かっていると言うよりは"紙から物へ"と投資資本が大移動していると言う解釈のほうが的を得ているような気がします。

投資対象の"選択と集中"、保有資産は"分散から集中へ"

2008年度年初相場がそのようなバイアスを強めていくとすれば、多くの資産間におけるこれまでの相関関係(Correlation)が崩れていく事が考えられます。ちょっと最近のカナダドルと原油価格の相関関係が怪しい様に。

奇しくも年末時点のインタビューで、あのJim Rogersが中国以外のアジア株を全て売却したと明言しているのですが、アジアの時代と言われる中でも"選択と集中"を考える必要が出てくると言う事なのかもしれません。

年初の動きが前触れに過ぎないとすれば、とても恐ろしい事です。