市場の動きが明らかに常軌を逸脱した混乱状態に陥りつつあるようです。
世界的な株式市場の継続的な下落は最早売りが売りを呼ぶ完全な負の連鎖の様相を呈しており、日本株はパニック売り状態。これまで別格かと思われた中国株、インド株まで文字通り崩れ初めてアジアも全滅、欧州市場もこの動きに完全に飲み込まれています。
原油、金も下落幅を拡大し続けており、世界経済が急速に縮小していく様を数値で表示しているようにすら見えます。
米国が失速しても欧州、アジアは独自の成長路線を歩むと言うDecoupling論は大きく後退したと言わざるを得ないでしょう。それを裏付けるように欧州系金融機関によるサブプライム関連損失の償却話や本日は中国の金融機関もサブプライム関連損失処理で赤字決算の可能性もありと言う香港系の新聞報道も出て最早Recoupling論も通り越して、同じ穴の狢論とでも言わざるを得ないような悲観的な市場センチが台頭しているのを感じます。
市場不調期や決算間際に資産を売却してCash比率を高める事はありますが、あくまでも短期的な処置であり、中長期的或いはパニック的な規模でCashが全てのAssetをOutperformする状況は非常事態と言わざるを得ません。
債券が上昇するだろうという反論があるかもしれませんが、実際問題としてCashの置き場が短期債券ですから要するにCashしかもてないと言う状況に変わりは無いと思います。
When cash outperforms other assets. これは金融市場におけるPanicの定義としても良いくらいのものではないでしょうか。
過去数年間の投資家天国時代に忌み嫌われた(言い過ぎ?・・ですね)ものが最近急上昇しているのですが、それが日本円とVolatilityと言う事になります。
各市場を見ているとBigネームは必死にVolatilityを買っていることが分かります。金融の地殻変動はまだまだ続くと言う相場観がベースになっているはずですね。
Derivatives have value only in an environment of volatility. というコンセプトがあります。
実はこのDerivativeの世界でもVolatilityの上昇時では既存のExoticが頭痛の種となることが多いなかで単純なPlain Vannilaが大流行する傾向が強まります。
ExoticからPlainVannilaへの回帰・・・・・Asset選択における"紙からモノへ"を第一章とすれば第二章はDerivativeの世界における"ExoticからPlainVannilaへ"という動きかも知れません。どうも最近の地殻変動は時代の振り子の逆行現象と表現出来るような気がしてなりません。