2012年6月24日日曜日

JPY Slides: A Potential Shift of JPY and the Nation.

先週はFOMC以降のリスク回避的な市場の動きの中でも円が下落すると言う従来とは違った動きが注目を集めました。
USDJPY DAILY⇒80円台回復で高値引け











FOMC後のドル上昇を受けてドル円も上昇し、79円台から80円台に乗せるところで結構な抵抗がありましたが、予想外の底堅さが印象に残る週でした。
EURJPY DAILY⇒対ユーロでも円安











AUDJPY DAILY⇒対豪ドルでも円安











NZDJPY DAILY⇒対ニュージーランドも大幅円安











政治的なゴタゴタもありますが、それ以上に日本のファンダメンタルズの持続的な変化が世界中に認知され始めている可能性があるでしょう。

日本の製造業の海外シフトは随分と進んできましたが、昨年の震災もあって貿易収支は明確な赤字化へのトレンドが確認出来ます。
 ただし、経常収支に関しては早急な赤字化にはならないと言う指摘が現時点では一般的です。その理由は貿易収支が赤字になっても資本収支がかなりの黒字なので日本が世界有数の投資国である以上貿易赤字以上の資本収支の黒字が確保出来ていると言う指摘です。

    日本の収支構造(資本収支貿易収支

このグラフも結構ドラスティックですね・・・・・

実は先週、注目するべき二つのデータがありました。これらが共に円安材料であった事も先週の円安材料になっているのではないかと見ています。

1 Japan posted an 11.1 billion yen ($138 million) trade deficit with the European Union in May. This is the first trade deficit Japan has registered with the EU since records began in 1979.
 (1979年以来の統計上初めて日本の対EU貿易収支が赤字に。(111億円規模)

2 国内での追加投資に慎重な本邦勢の将来の海外投資収益を現地での再投資に回す意
向が鮮明に。(複数の民間リサーチによるもの)

一気に円安が進むのは困難な需給状況だと思いますが、中長期の円安予想は増えてくるかも知れませんね。