黄色 AUDJPY、白 USDJPY、オレンジ S&P500
週初から円高は102円台に突入しています。
これまで静観(傍観?)姿勢が目立った本邦勢の動きが活発化してきたようです。本日にしても月曜日の東京市場としては最近には無い活気と出来高を記録していた事でしょう。
米国の景気減速が鮮明度を増している中で、積極的な利下げと流動性の供給が行われている訳ですが、現時点ではまだ金融市場に以下の二つの潮流があるといえるでしょう。
①Re-flation
Creditが良い人々が潤沢な流動性を利用して新興市場などに積極的な投資活動を行う。
②Re-cession
新規投資に慎重な姿勢が強まり、既存の投資リスクにも縮小バイアスが強まる。
サブプライムなどに全く関係の無い勢力が無傷のCreditやレバレッジをフル活用してRisk Takeに動けば①、先行き不透明感からRisk Aversion/Reductionの動きが拡大するようなら②の潮流が優勢となりますが、冒頭のチャートでこのあたりの潮流間の綱引きを確認する事が出来ます。
あまり綺麗なチャートではありませんが、右半分で見れば上からAUDJPY,USDJPY、S&P500のグラフを重ねています。
注目に値するのはAUDJPY です。このペアはとても面白くてAUD(豪ドル)がRe-flation通貨の代表格で、JPY(日本円)がリスク回避通貨の代表格なのです。
2008年度に入り、S&P500 とドル円が下落してRe-cessionモードを演出する中で、AUDJPYだけが上昇していた事がわかりますが、これはPaper Asset(S&P500)を売ってReal Asset(Commodity)を買って置けば心配不要と言うRe-flationセンチメントが支配的な潮流となってきた事を示しています。
それが、先週後半からAUDJPYのチャートが鋭角的に折れてS&P500とUSDJPYのチャートを追いかけ始めていますが、これは他でもなくRe-flationシナリオからRe-cessionシナリオへの潮流の変化を示していると考える事が出来ると思います。
もしもこの動きが定着するならば・・・・? どこかでCommodity市場にも揺らぎが出てくる事になります。無尽の野を行く貴金属や原油価格などは落ちるのでしょうか? Commodity 通貨群には明らかに調整色が強まっているのですがどうなることでしょう・・・・
金、原油、中国株・・・・ここに埋まっている地雷には要注意です。