まさに、Short, Shorter,Shortestという感じで市場参加者の保有するドルショートポジションが拡大中です。
CFTC(Commodity Futures Trading Committee=商品先物取引委員会)の発表するIMMの建玉は週次での公表となりますが、9月28日の週で2008年6月以来となる$22bioものドルショートポジションが注目を集めましたが、10月5日に発表されたデータでは、その規模は更に拡大して$30bioを越えた水準になっています。
FRBが11月か12月にもQE2(第二次量的緩和)に踏み切る姿勢を明確にして以来、世界の基軸通貨である米ドルの先安感が強まっており、既に外貨準備などで大量の米ドルを保有している世界中の中央銀行や機関投資家の間にドルの保有を減らしたり、ユーロなどへの分散を加速する動きが出ている事などが背景です。
更に中国が見せかけの制度改革を繰り返しつつ実質的には人民元を米ドルに連動させたままの状態を維持しているために米ドル安=人民元安と言う事になるので対中国での輸出競争力を維持するのに躍起となっている他のアジア諸国が大量の自国通貨売り+ドル買い介入を繰り返しており、この行為で増加した米ドルをユーロや円などに振り替える動きが止まりません。
欧州危機を経ても尚、こうなると米ドルの代替候補の一番手となるのがユーロなのですが、ユーロは5月に1.1875まで下落した後、今月に入りまさかの1.40台回復を実現し、1.4030を高値にこれを書いている時点で1.39台後半での取引となっています。
このIMM市場の建玉のユーロロングのサイズですが、9月28日のデータでは約35千コントラクトとなっており、前週の約5千コントラクトから一週間で7倍もの激増をしていたのですが、これが10月5日のデータでは更に増えて48千コントラクト強となっています。先物市場におけるユーロの買い持ち規模は2週間で10倍弱になっているというのがこのデータのキモであり、これはやはり尋常ではないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
参考にその他の通貨の先物市場でのロングポジションの推移は以下の通りです。
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通貨 9月28日データ 10月5日データ
円 28,666 contracts 49,206 contracts
GBP -2,194 contracts 9,403 contracts
(これはショ-ト⇒ロングですね)
CHF 19,993 contracts 22,599 contracts
CAD 27,870 contracts 42,678 contracts
AUD 11,866 contacts 12,835 contracts
NZD 17,270 contracts 16,334 contracts
(これはロング減少)
MEX 66,591 contracts 85,764 contracts
(南米も新興国。メキシコペソも人気ですね)
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今の状況を見ていると、Beget(生み出す)という動詞が心に浮かびます。
Money begets money. Enthusiasm begets enthusiasm.というのはバブルの発生過程です。お金がお金を生み、熱意が熱狂を生む。リスクの傾きは尋常ではなくなるのですが、ここはもう降りたもの負けのチキンゲームのようになってきているかもしれません。Extremes beget extremes.というやつですね。
勇気ある恐怖心を持ってきっちりリスク管理をしたいところです。
A brave( wise) fear begets care.!!
2010年10月11日月曜日
Short $ extremes beget extremes.
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