さらに、Currency Warだの通貨戦争だのという言葉がメディアを賑わせるようになっており、国債不均衡是正に向けた正面切っての議論が遂に始まろうとしている可能性もあります。1985年のプラザ合意並みの出来事(これは米ドルの切り下げでした)を予感させるような動きも確かに出ている事は事実ですので何か世の中の仕組みを変えるような変革が起こる可能性もゼロでは無いと言う意識で今後数ヶ月の転回を注視したいところです。
先ずはいつものように為替市場の変動率基準のTop Moversを確認しましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動幅(pips)変動率(%)
①AUDUSD 0.9905 0.9846 +59 +0.60%
②USDJPY 81.45 81.92 -47 -0.58%
③AUDNZD 1.3094 1.3024 +70 +0.53%
④NZDJPY 61.55 61.87 -32 -0.52%
⑤AUDCAD 1.0005 0.9954 +51 +0.51%
⑥CADJPY 80.60 80.99 -39 -0.48%
⑦NZDCHF 0.7242 0.7271 -29 -0.40%
⑧GBPAUD 1.6136 1.6200 -64 -0.40%
⑨USDCHF 0.9587 0.9625 -38 -0.40%
⑩GBPJPY 130.23 130.73 -50 -0.38%
この上位10ペアの組合せの中身を見ると上昇する側に登場するのはたったの3通貨です。AUDが4回、JPYが4回、CHFが2回です。AUDは終値こそ0.9905ですが先週遂に対ドルでのParity(等価)超えを達成して1.0003という高値をつけています。同じくJPYは前週のG7でMOF/BOJの介入行為に対して同情と一定の理解は得られたものの同意や支持は得られなかった事が明らかになっており、USDJPYは遂に80.88という安値をつけた後週末のショートカバーで81円半ばまで戻して引けた格好です。CHFは抜群の安定感を保っていますが、足元は完全な安全資産として資金流入が続いています。
一方で下落サイドの登場回数は、USDが3回、NZDが3回、CADが2回、GBPが2回となっています。
現時点で米ドルの先安感は払拭しがたく、ドル売り相場が継続している事は間違いありませんが、個人的には少し潮目の変化も感じているところです。漠然としていますが、ドルの全面安から選択的なドル安相場にギアがシフトしており、一部の通貨に関しては調整が入り始めていると言う印象です。特に中長期の目標ゾーンへの到達を達成したEUR(1.4を回復)、AUD、CAD(ともに対ドルで等価(Parity)を達成)等には調整も入り易いという要因もあるので今週の動きにも引き続き注意していきたいところですね。