先ずは結果が全てと言う事で、先週の主要通貨ペアの変動率Top10を並べてみましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動幅(pips) 変動率(%)
①USDJPY 81.92 83.22 -130 -1.59%
②NZDUSD 0.7555 0.7439 +116 +1.54%
③AUDUSD 0.9846 0.9722 +124 +1.26%
④USDCHF 0.9625 0.9735 -110 -1.14%
⑤EURUSD 1.3937 1.3790 +147 +1.05%
⑥GBPUSD 1.5960 1.5817 +143 +0.90%
⑦USDCAD 1.0107 1.0194 -87 -0.86%
⑧CADJPY 80.99 81.58 -59 -0.73%
⑨NZDCAD 0.7636 0.7583 +53 +0.69%
⑩GBPJPY 130.73 131.60 -87 -0.67%
ある意味で情け無いの一言のような気もしますが本邦当局の介入も虚しくドル円の下落がトップになってしまいました。実はAUDやEURは円よりも走っていたのですが、週末の調整時に結構値を戻してしまっており、週の終値ベースではこのような順位になっています。つまりドル円はEURやAUDなどがドル売りで突っ走る時にはそれなりに下値が持ち堪えているのですが、ドルが調整的な反発に転じてEURやAUDが後退するような局面においても円売りはあまり出ないと言う状況なのです。実際にチャートなどで見ても明白なのですが、ひたすらダラダラと下げていると言う印象です。
週初のBOJ会合ですが、これはPositive Surpriseという評価が多いですね。実質的にゼロ金利政策に回帰してバランスシートの拡大や時間軸の長期化と考えられたカードを出し惜しみせずにセットで切って来たと言う結果となっており、金融政策の美学を優先して実体経済への危機感が欠如していると言う批判が強かった白川総裁体制下のBOJとしては出色の出来だったと言う評価になっています。市場はこれで一旦は円安に振れましたがその日の高値が83.99と84円すら回復出来なかったという失望感が週末の81円台への序曲となってしまいました。
RBAは利上げ期待を裏切る据え置きで、AUDが大きく反落しましたが、その後の雇用データが予想を大きく上回る強い内容であったことと米雇用統計の不調を受けて大きく復活して終了しています。BOEはバランスシート拡大せずという内容でGBPが買われ、ECBも量的緩和に走る日米とは一線を画す内容でEURが対ドルで1.4台を回復する局面もあるほどの上昇をしています。
今の為替市場はある意味で極めて単細胞的な動きをしています。経済実態を考えると金融緩和が正しいと思われる先進国が多いのが実態なので、利下げなり量的緩和なりと踏み込んだ国の方が景気回復が期待出来るという側面があるのですが、今はそれを躊躇して緩和をしない国の通貨が強いと言う流れです。金融政策の方向性や弾力性ではなく単純な目先の金利に最も反応しているという事ですね。
ここから暫く市場は結構Volatileになりそうです。