2011年8月29日月曜日

Irreversible Trend has Run Its Course again.

小国チェニジアからまさかの大国エジプトの政権までを倒してしまった"中東・アフリカの春"革命は先週遂にリビアのガダフィ政権を事実上崩壊させました。

流石にガダフィの牙城を崩すのは相当な犠牲と時間が掛かったようですが、我々の注意が欧州危機の再燃や米国の格下げに向かっている間も着実に歴史のベクトルはこの地域の長期独裁体制を崩壊に向かわせていた事になります。
 丁度先週末にリビアがいよいよだという話が駆け巡り、首都のトリポリが完全に包囲されて反政府軍の突入がAnytimeだという話になっていましたが、そこから政府軍が1週間もたなかった事になります。週央には周辺部族に護衛を依頼する為にガダフィが大量の金を売りたがっているという話に金価格が大きく下落する局面もありました。

この分だとシリアのアサド政権も時間の問題なのでしょうか。

本当に世界の激変の過程を我々は経験していると言うことでしょうか。

2011年8月28日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週は大雑把に言って前半はリビア情勢、後半は金曜日のJackson HoleにおけるBernanke議長の講演におけるQE3を含む追加の金融緩和へのCommitの有無が大きく材料視される展開でした。

週を通して各市場とも神経質な取引が続き、緊張感もありましたが、終わってみれば値動き自体は予想以上に狭い範囲に収まっていたと言う気がします。貴金属以外は特にそうですね。
  DOWで$10,604/$11,529, Crude oilが$75.71/$89.00, 10 year yieldで1.978%/2.29%, ドルインデックスで74.18/75.38というレンジでした。

為替市場では嫌がらせの様なWildなレンジ取引が目立っていました。今の状況では逆張りはリスクが大きいと見て順張りでのBreakoutを狙うプレーヤーが多いのですが、上に抜けた、下に抜けたと見せかけてレンジ内で反転する展開に手を焼いた事でしょう。

Weeklyでの値動きは以下のようになりました。

  通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①NZDCHF↑ 0.6769 0.6415 +354 +5.23%

②AUDCHF↑ 0.8515 0.8159 +356 +4.18%

③CADCHF↑ 0.8203 0.7912 +291 +3.55%

④GBPNZD↓ 1.9469 2.0130 -661 -3.40%

⑤EURCHF↑ 1.1681 1.1298 +383 +3.28%

⑥NZDJPY↑ 64.39 62.56 +183 +2.84%

⑦NZDUSD↑ 0.8401 0.8173 +228 +2.71%

⑧USDCHF↑ 0.8059 0.7844 +215 +2.67%

⑨CHFJPY↓ 95.01 97.43 -242 -2.55%

⑩GBPAUD↓ 1.5472 1.5809 -337 -2.18%

変動の大きかった上位ペアを分解すると上昇サイドでの登場回数はNZD4回,AUD2回で後はCAD,EUR,USD,JPYが一回ずつでした。

下落サイドではCHF6回,GBP2回で後はJPYとUSDが一度ずつ登場しています。

これだけ見れば、高金利且つ資源国通貨である南半球通貨が上昇してリスク回避通貨であるCHFが売り込まれているように見えるので動きとしては諸材料を消化してRisk-onモードが踏み止まったように見えますが、とても楽観できるような状況ではないと思います。CHFの下落にしても行き過ぎたCHF高を是正するべくSNBが流動性供給、金利引下げに続いて国外からのCHF預金の受け入れに手数料のチャージを検討するという話が出たという特殊要因がありましたのでCHFの下落即Risk-onであるという解釈は危険でしょう。

さて・・・週明けにはいよいよ・・・やっと・・・・でもかなり唐突にポスト菅が選出されますね。先ずはこれが相応の材料になるでしょう。

2011年8月21日日曜日

Precious Metals are screaming for a BREAK.

Gold、Silver・・・・・止まりませんね。

一部識者が警鐘を鳴らし続ける通りハイパーインフレーションのサインなのかどうかは別として、私のような凡人にもこれら貴金属が何かを叫んでいるような気がしてなりません。

GOLD DAILY⇒1900ドル、2000ドルが視野に?












SILVER DAILY⇒先週も全勝。週末に大幅上昇で40ドル台











個人的にアグレッシブな短期トレーダーには売りを勧めますが、中長期の投資家にはまだまだ押し目を買う事を推奨します。

ここにもSWINGがあるはずですが最終的にはこれら古代から貨幣としても使用されてきた貴金属は想定外の水準にまで到達する可能性が濃厚ですね・・

At least we call it VOLATILE.

間違いなく歴史的イベントであった史上初の米国債の格下げがら2週間。方向感の定まっているところばかりではないにしても金融市場のVolatilityは間違いなく上昇を開始しています。

メルクマールとして米株のDow工業平均の格下げ以降の2週間の動きを確認してみましょう。

先々週(格下げはこの週前の週末に発表)
8/8(月) 10,809.85(-634.76
8/9(火) 11,239.77(+429.92)
8/10(水) 10,719.94(-519.83
8/11(木) 11,143.31(+423.37)
8/12(金) 11,269.02(+125.71)

先週
8/15(月) 11,482.90(+213.88)
8/16(火) 11,405.93(-76.97
8/17(水) 11,410.21(+4.28)
8/18(木) 10,990.58(-419.63
8/19(金) 10,817.65(-172.93)


このように大きなSWINGを消化しながら明確に下向きのベクトルがモメンタムを強めていると言う状況です。

Top FX Movers Last Week.

先週も金融市場は暴風雨が吹き荒れましたが、意外にも為替市場は最も大人しいBehaviourだったようです。

とにかく欧州、米国の追い込まれ方が急展開する中で債券市場や特に株式市場に激震が走っている状況のように思えます。
 欧州はいよいよ統合欧州17カ国を事実上統括するリーダー国として独仏2国が緊密な連絡を取り始めています。ポイントは各国ではなく欧州統合債の発行と欧州総括政府機能の創出ですが、今のところ仏は前のめりですが独は慎重と言う図式が崩れていません。
 米国はQE3の思惑が渦巻く状況ですが、今週金曜日のJackson Hole SymposiumにおけるBernenke議長の発言内容に世界中の注目が集まっていると言う状況ですね。

以下先週の主要通貨ペアの動向です。上記のような状況下でEURやUSDは一旦様子見モードとなる中でJPYに関しても史上最高値(金曜日に75円台もやっちゃいましたね・・・)更新で介入警戒が強く意外にもGBPが気を吐く展開となりました。

      通貨ペア    先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①GBPNZD↑2.0130    1.9549    +581      +2.89%

②EURNZD↑1.7604    1.7113    +491      +2.79%

③AUDNZD↑1.2725    1.2438    +287     +2.26%

④GBPCHF↑1.2911     1.2646    +265     +2.05%

⑤NZDJPY↓ 62.56       63.80      -124      -1.98%

⑥EURCHF↑1.1298     1.1076   +222     +1.96%

⑦NZDUSD↓0.8173     0.8319   -146      -1.79%

⑧NZDCAD↓0.8084    0.8206   -122      -1.51%

⑨AUDCHF↑0.8159    0.8043   +116     +1.42%

⑩GBPCAD↑1.6274    1.6053   +221     +1.36%

上述の通り上昇通貨の内訳はGBP3回,EUR2回,AUD2回,JPY,USD,CADが1回ずつでした。
下落サイドではNZDが6回,CHFが3回でCADが1回でした。

GBPが最強でNZDが最弱という意外な展開ですが、あまり長続きする気もしないので今週はEUR,USD,JPYの動向同様にGBPの反落リスクにも注目して行きましょう。

2011年8月14日日曜日

CHF may still be sound but not safe now.

株式市場然りですが、リスク資産を離脱した世界中の投資資金による雪崩のような債券市場への資金流入(=長期金利の急低下)には完全なパニックの匂いを感じています。

それに、かつては世界中の富裕層の資金が集まる場所であったスイスにも世界中の機関投資家や個人のお金が殺到する事態となっており、先週も前半でのスイスフラン(CHF)の急騰はまさに歴史的なイベントだったと言えるのではないでしょうか。

スイス当局は従来から対USDというよりも対EURでの交換レートに神経を尖らせて来ましたが、昨年来の統合欧州のコンセプトの瓦解によるEURの下落を受けたEURCHFレートの下落を止めるべく断続的な為替介入も行ってきましたが全く効果はありませんでした。同国の前政権はこの責任を取ってStep Downしているほどです。
 現政権にとってもCHFの急騰は同国経済への強烈な脅威であり、単純な為替介入では効果が無い以上、今回のSNB(中銀)による金融緩和の用意と海外資本に対するマイナス金利適用の意向の表明は相当な議論と覚悟の上で出てきた施策ではないかと思います。市場のCHF買いは短期投機筋のポジションも相当膨らんでいたのでSNBの発表後にはかなりの効果が出ています。
EURCHF DAILY⇒終盤に大戻し


USDCHF DAILY⇒終盤に大戻し












今週はCHFの動向から目が離せないわけですが、安全通貨としてCHFが買えないとなると日本円に皺寄せが来る格好で更に円高圧力が強まるシナリオも一応頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。

Has panic set in?



一般に恐怖指数と呼ばれる事も多いVIX指数(米株のVolatility)をチェックしてみましょう。

5月の欧州周縁国ソブリン危機再燃時と比較しても当時のパニックを明確に上回ってきた事がわかります。

基本的に世界中の株式市場が北米市場に連動している事からも株式市場全般が相当期間に渡って値幅の大きい不安定な時間帯に突入した事は間違いないと思われます。

こういう時はいつも下落の後に大き目の反発も入りやすく、一度退場した人達が慌てて再入場した後に次の下落で再退場すると言うパターンになり易く、相当自分の腕に自身のある場合以外は下手にこのSWING相場を泳ぎ切ろうと言う幻想は持たない方がよいと言う時間帯です。

所謂バリュー投資家という勢力は多くが絶好の買い機会と見て銘柄を絞った買いを開始していますが、タイミングは非常に難しくあのバフェット氏ですらこの相場でのオペレーションはかなり出血モードとの報道もあります。立ち向かう場合は、兎に角レバレッジを落として短期的な振り落しには巻き込まれない覚悟も必要になりそうです。

木曜日に発表された欧州の金融株の空売り規制の話で相場が少し安定しているように見えますが、歴史的に空売り規制で相場が"反転"した事例は無く、時間稼ぎと逃げ遅れた投資家達への売り場の提供と言う効果しか期待出来ない可能性が高いと思います。

VIX指数は幾らか下がると思いますが、まだTOPはつけていないと見ています。

Top FX Movers Last Week.

先週も色々有りました。主だったものだけでも以下の大きなイベントがありました。

・週末(前週の金曜日の取引終了後)に格付機関S&Pによる史上初となる米国債の格下げが発表された。

・これを受けて注目された週央のFOMCでは、①最低でも2013年半ばまでは現状の超低金利が維持される事、②FRBが購入した国債の償還分は再投資される事、が発表された。

・欧州がフランス、イタリア、スペイン、ベルギーの金融株の15日間の空売り規制を発表した。

・安全資産として急騰を続けるCHFを止めるべくSNB(スイス中銀)がEURCHFの交換レートの一時的な固定化や外国人が保有するCHF預金へのマイナス金利適用の検討を表明した。

これらイベントの原因でもあり結果でもある金融市場の混乱も尋常ではなく、各市場が大きな値幅での乱高下を余儀なくされた1週間でした。

為替市場の主要通貨ペアの変動率上位は以下のようになりました。非常に興味深い結果になっています。

     通貨ペア    先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①CHFJPY↓  98.48     102.12    -364       -3.70%

②NZDJPY↓ 63.80      66.07      -227       -3.56%

③AUDJPY↓ 79.36      81.84     -248        -3.13%

④GBPJPY↓ 124.76    128.45    -369       -2.96%

⑤CADJPY↓ 77.68     79.80      -212       -2.73%

⑥EURJPY↓ 109.23    111.88    -265      -2.43%

⑦USDJPY↓ 76.69      78.38      -169      -2.20%

⑧USDCHF↑ 0.7770   0.7661   +109     +1.40%

⑨NZDUSD↓ 0.8319   0.8422    -103     -1.24%

⑩EURNZD↑ 1.7113   1.6907    +206    +1.20%

上位10ペアの中で上昇した通貨としての登場回数はJPYが7回,USDが2回でEURが1回でした。
下落した通貨ではNZDが3回,CHFが2回,AUD,GBP,CAD,EUR,USDが1回ずつとなっています。

過去数週間の市場混乱の中で、通貨では安全通貨且つ成長通貨且つ高金利通貨としてAUDとNZDが先行して買われていましたが、足元のリスク回避バイアスはこの動きを逆流させ始めています。
 替わって上昇し始めたのがUSD,CHF,JPYでしたが、先週はUSDが米国格下げで失速、前半に急騰したCHFはSNBの断固とした姿勢表明で終盤には急速に反落した結果、終わってみればJPYが最強通貨になっていたと言う図式です。

先週は主要通貨ペアの変動率の1位~7位がJPYの上昇(=広範なクロス円の下落)であり、これは外貨を保有している本邦輸出企業や投資家のポジションが傷んでいると言う事でもあります。

日本はお盆入りですが、金融市場には全くお休みの気配は感じられませんね。

2011年8月8日月曜日

Caution !! We are about to see more desperation and volatility this week.

G7当局者たちは今朝の金融市場を注視しており、以下の報道の通り緊急電話会議を行ったようです。

米国の格下げは歴史上初の事であり、米ドルが事実上世界の基軸通貨である事や米国債を世界中の国々が保有している事・・・特に大部分が米国に次ぐ世界第二位、第三位の国(経済圏)に保有されている事・・・等を考えれば過去の欧州や日本を含むアジアの国々の格下げ時の市場反応は全く参考になりません。

G7が緊急電話会議を行う位ですから米国時間の明日(9日)から始まるFOMCでも間違いなく重要アジェンダとなる事でしょう。これを書いている時点ではパニックは感じないものの株式市場は売り込まれており、為替市場ではドル売りバイアスに加えて資源国通貨、新興国通貨も売り圧力に晒されています。

今週は当局の動きに細心の注意を払う必要がありそうです。
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Japan: G-7 Leaders Discuss Market Tensions


August 7, 2011

Group of 7 (G-7) leaders held a phone conference Aug. 8 and issued a joint statement pledging to consult closely together and to act appropriately to quell market volatility, Xinhua reported. Issued before stock markets opened in Tokyo, the statement said cooperative actions combined with continued fiscal discipline will enable long-term fiscal sustainability, adding that the fundamentals in Spain and Italy have not changed and do not warrant the recent financial tensions. The statement said G-7 leaders welcome policy measures to be announced by Italy and Spain which will strengthen fiscal discipline and aid the economic recovery and job creation. Japanese Finance Minister Yoshihiko Noda confirmed that the leaders also discussed the eurozone debt crisis and the U.S. credit ratings downgrade.
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US policy makers are stupid enough to get downdgaded.

米国の債務上限引き上げ交渉のドタバタ劇は見ていて悲しくなるような駆け引きの連続でした。ホワイトハウス、共和党、民主党の誰もが勝者とは言えない中で米国と言う明確な敗者だけが存在する結果になっていないでしょうか?

週末早々に私のアドレスに飛び込んできた以下のニュースを見てそういう印象を強くしました。
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U.S.: Standard & Poor's Downgrades Credit Rating


August 5, 2011


Credit rating agency Standard & Poor’s downgraded the United States’ long-term credit rating from AAA to AA+, CBS News reported Aug. 5, citing a statement from the agency. The statement said the move was made because the deficit reduction package passed by the U.S. Congress on Aug. 2 did not do enough to address the country’s debt situation. The statement also said the rating could be cut to AA by 2013 if spending is reduced less than agreed upon, interest rates rise, or other fiscal pressures emerge that further increase U.S. debt over the period.
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国も国民も持っていないお金を使って消費や投資をする事を覚えてしまいました。上手く回れば魔法のような複式簿記とレバレッジのマジックはクレジット(信用)という触媒を得て自らを制御出来ないほどの規模にまで膨らんでしまった訳です。"もののけ姫"に出てきた怪物のようです。

重要なのは債務条件を引き上げるのではなく、債務その物を減らしていく事なのですが、これを断行するのは生活水準を落とす事に他ならず、これを受け入れられないとして増税などを拒むと言うのはギリシャも米国も根っこは同じです。そこにはSpoilされた人々がいるだけです。

日本の課題は、震災後の被災地の人々の秩序だった行動や助け合いの精神が世界を驚愕させたような高潔さで、例外的に国の財政を立て直す事をやってしまえるかどうかです。
 
政治家や官僚のレベルの低さは既に露呈されており、これは米国にも圧倒的に負けていると思います。家計を含む民間部門の覚悟と志こそが日本のアセットなのではないかと考える今日この頃です。

ここからのワーストシナリオは世界経済危機の再燃です。この時期をどこにいてどう過ごすのかは非常に大きいファクターですね。

米国の格下げは初めてのことです。日本は既に格下げも経験していますが、再度の格下げも今後視野に入ってくるのではないでしょうか。中長期的には誰も臨んでいない形の悪い円安が実現するリスクも頭に入れておきたいところです。その前に足元の円高は想定外の水準にまで突進する可能性もあるので気をつけていきましょう。

Top FX Movers Last Week.

やはり先週もリスク回避の嵐でしたね。米株市場の下落も大きく遂に2008年の金融危機以来の水準にまで落ち込んできました。足元では本邦当局が円売りドル買い介入を実施するなどVolatilityも上昇しています。とにかくあちこちで風雲急を告げているので気をつけていきましょう。

いつものように先々週末~先週末の1週間における為替市場の動きを変動率ベースで総括しますが、週末にメディアを騒がせた格付機関S&Pによる米国債の格下げは金曜日の取引終了後に発表されているのでこの影響は含まれていない事になります。

     通貨ペア    先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①AUDCHF↓  0.7997    0.8631     -634       -7.93%

②NZDCHF↓  0.6469    0.6904     -435       -6.72%

③CADCHF↓ 0.7797     0.8214     -417       -5.35%

④AUDUSD↓ 1.0440     1.0992     -552       -5.29%

⑤GBPAUD↑ 1.5677     1.4934     +743      +4.74%

⑥NZDUSD↓ 0.8422     0.8791     -369       -4.38%

⑦CHFJPY↑ 102.12      97.72       +440      +4.31%

⑧EURAUD↑ 1.3657    1.3092      +565     +4.14%

⑨GBPNZD↑ 1.9422    1.8668      +754     +3.88%

⑩EURCHF↓ 1.0949    1.1311      -362      -3.31%

上位10通貨ペアを上昇サイド、下落サイドで分類すると上昇サイドではCHFが5回,USDが2回,GBPが2回,EURが1回という登場回数でした。
 下落サイドはAUDが4回,NZDが3回でCAD,JPY,EURが1回ずつでした。

恐怖主導の市場の中でやはりCHFの強さが大復活していますね。76円台前半まで円高が進行していたドル円を一旦は80円台にまで上昇させた3月以来となるMOF/BOJ の円売り介入は木曜日だけで金曜日にはフォロースルーも無かったことで78円前半まで押し戻されて越週しています。

注目された金曜日の米雇用統計は予想比強目の内容でしたので米株の中でもDowはプラスで終了するなど取引時間中の値動きは落ち着いた展開でした。

問題は取引終了後のStandard&Poor’sによる米国債の格下げ(AAA⇒AA+)の影響です。Moody'sなども追随するのかどうか、そもそも金融市場はこれをどの程度織り込んでいたのか、等が今週の大きな取引材料と言う事になります。

2011年8月1日月曜日

Debt or Dead ?

筋書きのある政治パフォーマンスとか究極の出来レース等と勘繰られている米国の債務上限引き上げ問題ですが、結構真面目な話なのではないでしょうか。

結局は先進国、ましてや欧州、日本や米国ほどの国家ですらその債務規模は待ったなしの水準にまで来ていることは本当に恐ろしい事です。これはある意味放射性物質を海中や大気中に放出する事にも似ていると思うのですがいつまでも「この程度であれば直に影響が出る事は無い」等と言っているとやがて取り返しの付かない事になると言う事かと思います。

将来、全ての新興国でも起こる事ですが、中国なども急速に国民が豊かになり、生活水準の向上も著しい訳ですが、やがて少子高齢化が進む中で税収も減少していくようになっても国民は生活水準の切り下げを受け入れられません。人間とはそういうものですね。
 仕方なく国家が手厚い福祉政策で国家として借金をしながら国民の生活水準を支えますが、借金は拡大して行きます。この流れを変えようとする動きも出ますが、大抵そういう動きは有権者の怒りを買い政権交代のようなことを繰り返しながら国家が疲弊していきます。

所謂先進国はどこも既にそういう状態になってしまっているのだと思います。新興国に頑張ってもらっているうちは良いのですがやがて新興国が先進国にCatch-upして同じ状況になった時には一体どうなるのか。それこそ本当に戦争でも起こりかねない怖さを感じます。

さて・・・・・

週末の間の米国の債務上限切り上げ関係の動きを整理してみましょう。案の定土壇場に来て色々な動きが出てきていますが、8月2日の期限までに一層活発化するのではないでしょうか。

7月29日(金)
・債務の上限引き上げ問題が難航。

・共和党のベイナー下院議長主導案に共和党保守系議員が反対し、27日に予定していた採決を28日に先送りすることを決定。米デフォルトリスクの深刻さが増す。

7月30日(土)

・共和党の連邦債務上限引き上げ法案(政府債務の上限を2段階で引き上げ)が賛成218票、反対210票で可決(米下院 29日)

・下院が同日可決した共和党の連邦債務上限引き上げ法案を否決。債務上限を3段階に分けて引き上げる妥協案をまとめる(米上院 29日)

・Moody's⇒米国の格付け見直しでは「トリプルA」格付けが据え置かれる可能性が高い

・Moody's⇒デフォルト回避期限とされる8/2までに連邦債務上限が引き上げられなかった場合でも政府が国債の支払いを優先するとの予想シナリオに基づいている。

・Moody's⇒その場合でも見通しは「ネガティブ」の可能性あり
 
7月31日(日)
・連邦債務上限引き上げに関する、妥協案の審議打ち切り動議の採決を延期(米上院民主党リード院内総務)
今週は先ずはこのネタに振り回されて、週末には7月雇用統計でまた大騒ぎになると言う展開となるでしょう。兎に角Volatilityが上がる時間帯に入りましたね。