2011年8月14日日曜日

CHF may still be sound but not safe now.

株式市場然りですが、リスク資産を離脱した世界中の投資資金による雪崩のような債券市場への資金流入(=長期金利の急低下)には完全なパニックの匂いを感じています。

それに、かつては世界中の富裕層の資金が集まる場所であったスイスにも世界中の機関投資家や個人のお金が殺到する事態となっており、先週も前半でのスイスフラン(CHF)の急騰はまさに歴史的なイベントだったと言えるのではないでしょうか。

スイス当局は従来から対USDというよりも対EURでの交換レートに神経を尖らせて来ましたが、昨年来の統合欧州のコンセプトの瓦解によるEURの下落を受けたEURCHFレートの下落を止めるべく断続的な為替介入も行ってきましたが全く効果はありませんでした。同国の前政権はこの責任を取ってStep Downしているほどです。
 現政権にとってもCHFの急騰は同国経済への強烈な脅威であり、単純な為替介入では効果が無い以上、今回のSNB(中銀)による金融緩和の用意と海外資本に対するマイナス金利適用の意向の表明は相当な議論と覚悟の上で出てきた施策ではないかと思います。市場のCHF買いは短期投機筋のポジションも相当膨らんでいたのでSNBの発表後にはかなりの効果が出ています。
EURCHF DAILY⇒終盤に大戻し


USDCHF DAILY⇒終盤に大戻し












今週はCHFの動向から目が離せないわけですが、安全通貨としてCHFが買えないとなると日本円に皺寄せが来る格好で更に円高圧力が強まるシナリオも一応頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。