先週も色々有りました。主だったものだけでも以下の大きなイベントがありました。
・週末(前週の金曜日の取引終了後)に格付機関S&Pによる史上初となる米国債の格下げが発表された。
・これを受けて注目された週央のFOMCでは、①最低でも2013年半ばまでは現状の超低金利が維持される事、②FRBが購入した国債の償還分は再投資される事、が発表された。
・欧州がフランス、イタリア、スペイン、ベルギーの金融株の15日間の空売り規制を発表した。
・安全資産として急騰を続けるCHFを止めるべくSNB(スイス中銀)がEURCHFの交換レートの一時的な固定化や外国人が保有するCHF預金へのマイナス金利適用の検討を表明した。
これらイベントの原因でもあり結果でもある金融市場の混乱も尋常ではなく、各市場が大きな値幅での乱高下を余儀なくされた1週間でした。
為替市場の主要通貨ペアの変動率上位は以下のようになりました。非常に興味深い結果になっています。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①CHFJPY↓ 98.48 102.12 -364 -3.70%
②NZDJPY↓ 63.80 66.07 -227 -3.56%
③AUDJPY↓ 79.36 81.84 -248 -3.13%
④GBPJPY↓ 124.76 128.45 -369 -2.96%
⑤CADJPY↓ 77.68 79.80 -212 -2.73%
⑥EURJPY↓ 109.23 111.88 -265 -2.43%
⑦USDJPY↓ 76.69 78.38 -169 -2.20%
⑧USDCHF↑ 0.7770 0.7661 +109 +1.40%
⑨NZDUSD↓ 0.8319 0.8422 -103 -1.24%
⑩EURNZD↑ 1.7113 1.6907 +206 +1.20%
上位10ペアの中で上昇した通貨としての登場回数はJPYが7回,USDが2回でEURが1回でした。
下落した通貨ではNZDが3回,CHFが2回,AUD,GBP,CAD,EUR,USDが1回ずつとなっています。
過去数週間の市場混乱の中で、通貨では安全通貨且つ成長通貨且つ高金利通貨としてAUDとNZDが先行して買われていましたが、足元のリスク回避バイアスはこの動きを逆流させ始めています。
替わって上昇し始めたのがUSD,CHF,JPYでしたが、先週はUSDが米国格下げで失速、前半に急騰したCHFはSNBの断固とした姿勢表明で終盤には急速に反落した結果、終わってみればJPYが最強通貨になっていたと言う図式です。
先週は主要通貨ペアの変動率の1位~7位がJPYの上昇(=広範なクロス円の下落)であり、これは外貨を保有している本邦輸出企業や投資家のポジションが傷んでいると言う事でもあります。
日本はお盆入りですが、金融市場には全くお休みの気配は感じられませんね。