2012年7月29日日曜日

How Much Weight is off JPY's Shoulder now?

悲観ムードが後退する中で、ドル、円ともに下落基調と言う図式になっている訳ですが、前項どおり米ドルに下値余地が感じられる状況下、クロス円上昇バイアスによる円高一服感の醸成と言うシナリオになるのでしょうか。
AUDJPY DAILY ⇒ かなりの勢いで上昇










EURJPY DAILY ⇒ この反発も続くか?











GBPJPY DAILY ⇒ GBPは木、金で反発












NZDJPY DAILY ⇒ 最もSolidな上昇!











個人的にはこのクロス円の反発が主導する形で円上昇圧力に一服感が強まると言う展開を予想していますが、欧州でも米国でも何か新たに悪い材料が出れば円が急騰するリスクもあるので気をつけたいところです。

Dollar Index Retreats at a Clear Divergence.

これを見るとユーロ反発の上値はまだまだ先のような気になってくるのですが、たいそうな勢いで上昇してきたドルインデックスが暫く下値を試しそうなチャートになっています。

Dollar Index中期チャート ⇒ 価格上昇+MACD下落のダイバージェンス






















72.69から反発して今回84.10まで付けた訳ですが、チャートの通りここのところ価格上昇の陰でMACDは下落するなどのダイバージェンスが指摘されており、息切れ感が払拭出来ない状況でした。そこに先週終盤での調整が入ったと言う事なのですが、ちょっとダメージが残りそうな気配です。

Super Mario Triggered a Series of Euro’s Rescue.

先週の引き金となった欧州当局者の発言は主に3つあります。

25日水曜日にはECBのNowotny(オーストリア中銀総裁)が「ユーロ圏救済基金(ESM Bailout Fund)への銀行免許付与に賛成する」という声明をだしました。

26日木曜日には"欧州のSuper Mario"ことECBのMario Draghi総裁が「EU圏の崩壊を阻止する為に必要な事は全て実施する」と言う声明を出しました。

27日金曜日にはドイツのMerkel首相とフランスのHollande首相が電話会議を行った後に両者の権限の限りを尽くしてEUROを防衛すると言う声明を出しました。

前述の通り、金融市場は欧州崩壊モードでポジションを積み増していたので、週の後半に立て続けに出された欧州首脳陣達からの決意表明は、短期筋を中心としたポジションのSqueezeを誘発しています。
EURUSD DAILY ⇒ 週後半にしっかり反発











EURJPY DAILY ⇒ 対円でも反発












先週中盤までの下落の方が余程凄かったわけですが、流石にポジションが偏りすぎていたと言う事になるのでしょう。週後半のSqueezeもかなり見ごたえのある規模になっています。

週明けからは途中で利益確定して深追いを抑制していたスマートマネー勢がこの反発局面で売りを再開させる動きが見られることでしょう。そこで崩れないようだと今回の反発は結構な上値に到達する可能性が出てきます。

Final Round Rush:How They Finished the Week.

金曜日北米市場の最後の4時間の動きです。

ちょっとしたリバーサル週となった先週の需給の均衡点に向けた最後のうねりの部分です。

    通貨ペア ↑↓  終値        始値         値幅(pips)  値幅(%)
①EURAUD↓   1.1741  1.1850   -109    -0.93%

②EURNZD↓   1.5189  1.5318   -129    -0.85%

③AUDCHF↑   1.0213  1.0133   +80    +0.78%

④NZDCHF↑   0.7896  0.7837   +59    +0.75%

⑤EURCAD↓  1.2355  1.2434    -79     -0.64%

⑥CADCHF↑  0.9712  0.9656    +56    +0.58%

⑦EURGBP↓  0.7816  0.7858    -42     -0.54%

⑧AUDUSD↑  1.0478  1.0427   +51    +0.49%

⑨CHFJPY↓    80.44    80.83     -39     -0.48%

⑩GBPCHF↑  1.5353  1.5281   +72    +0.47%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇通貨 ⇒ AUD(3回),NZD(2回),CAD(2回),GBP(2回),JPY
下落通貨 ⇒ CHF(5回),EUR(4回),USD

ここは欧州通貨の反発局面を引き付けるだけ引き付けておいて、EURAUDのショートのようなクロス取引を行う動きが出ていたと言う事が読み取れそうです。変動幅も結構出ていますね。

Top FX Movers Last Week.

先週は欧州当局者による欧州システム維持に向けた度重なる決意表明が引き金となり、各金融市場が大きなうねりを見せました。

そもそもが新たな売り手がいないくらいにユーロショートが積み上がっていたり、米債などでも市場は短期的には極度の買われ過ぎという状況になっていたと思われますが、それにしても先週は結構なリバーサル週ということになりました。

週を通した主要通貨ペアの変動率上位は以下のようになりました。

   通貨ペア ↑↓  先週終値 前週終値   値幅(pips)  値幅(%)
①NZDUSD↑   0.8102    0.7991    +111      +1.37%

②NZDJPY↑    63.57      62.72      +85        +1.34%

③USDCHF↓   0.9746    0.9874    -128       -1.31%

④EURUSD↑   1.2315    1.2159   +156      +1.27%

⑤EURJPY↑    96.64      95.45     +119      +1.23%

⑥CHFJPY↑    80.44      79.46     +98        +1.22%

⑦AUDUSD↑  1.0478    1.0378   +100      +0.95%

⑧AUDJPY↑   82.23      81.45      +78       +0.95%

⑨USDCAD↓ 1.0030     1.0123    -93        -0.93%

⑩CADJPY↑  78.18       77.49     +69       +0.88%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。

上昇通貨 ⇒ NZD(2回),CHF(2回),EUR(2回),AUD(2回),CAD(2回)
下落通貨 ⇒ USD(5回),JPY(5回)

ある意味単純な結果なのですが、売られすぎの欧州通貨と買い控えられていた資源国通貨が上昇しており、安全避難先であった米ドルと日本円が売られたと言う図式です。

2012年7月22日日曜日

JPY Inches Up But Leaves Volatility Melting down.

先週も円の上昇圧力は継続していました。
USDJPY DAILY⇒78円台も下押しの展開











EURJPY DAILY⇒遂に95円台。下げ足加速気味











GBPJPY DAILY⇒GBPも陥落・・・











AUDJPY DAILY⇒週末の動きは注意











ところで、通貨オプション市場のVolatilityの建値を見ると、1ヶ月物のVolatilityがやや異常な事になっています。

AUDUSD、EURUSDは9%台、EURJPYが11%台、USDJPYは6%台と言う状況なのですが、このUSDJPYのVolatilityの低さはLehmanショック後の最安値を更新中だそうです。

円高でVolatilityが上がらないと言う状況も定着してきましたが、実際の値幅が買い控えを誘っていると言うことなのでしょう。少々円高が進んでも6%台のVolatilityでは介入なども有り得ない気がしますね・・・

Majors Are Trending in Waves.

週を総括すると、結局はユーロが落ちましたと簡単に言えてしまいますが、多くの市場参加者にとってはユーロショートを確信犯的にべったりと保有し続けると言う訳にも行かない反発局面も起きています。

こういうのは終わってみれば実体の無い上髭になっているものの、実際に反発上昇している最中ではユーロをショートにしている勢力は大変な精神的苦痛に晒される事になります。
EURUSD DAILY⇒木まで堅調、金に大反落











色々な種類の市場参加者がいる中で、最大公約数的に言えることはリスクテイク体力(余力?)が増加しているプレーヤーは皆無だと言う事でしょう。皆が諸事情あって一様に従来ほどには含み損を抱えられない状況にあり、早めの利益確定や損切りに走る傾向が強まっていると思います。そしてこれが、一つのトレンドが走りきれずに早めに調整局面や反発局面に入ると言う状況を作っているのではないでしょうか。

今の相場環境ではトレンドは走らずに、波打つのだと言う事を頭に入れておく事は重要なのかもしれません。

ドルインデックスの強気トレンドも顕著ですが、値動き的には大変なSWING相場の繰り返しの中で高値を切上げてきている動きです。
DXY is Swinging Higher.























リズムや周期の分析も怠らないようにしたいものです。

Euribor<Libor Now First Time since 2008.

7月5日にECBが遂に政策金利を25bp切り下げて0.75%とし預金金利をゼロ金利としました後もユーロ圏の金利は低下傾向を強めてきました。
そして金曜日には3ヶ月物のEuriborが0.451%まで低下し、ほぼ同水準に設定されていた同期間のLiborを下回りました。これは2008年以来の事になります。
 
チャートの赤線がユーロ金利、青線がドル金利ですが、2008年にクロスして以降ずっとユーロ金利がドル金利を上回っていたのですが、ここへ来てほぼ4年半ぶりに再度クロスしそうになっていると言う事になります。

ECB首脳からも追加緩和を仄めかす発言も出ているので、金利面からもユーロの大反発要因は望みにくいと言う状況になってきました。ただし、今後米国でもQE3の議論が活発化する状況でしょうから中々目が離せない感じになりそうですね。 

Final Round Rush:How They Finished the Week.

7月20日(金)の北米市場における最後の4時間の攻防を繰り出します。週の最後の需給はどうなっていたのでしょうか。

    通貨ペア ↑↓ 終値     始値    値幅(pips) 値幅(%)
①EURNZD↓  1.5186 1.5225   -39     -0.26%

②EURAUD↓    1.1708 1.1729   -21     -0.18%

③CHFJPY↓      79.46   79.59     -13     -0.16%

④GBPNZD↓    1.9522  1.9547  -25      -0.13%

⑤EURJPY↓     95.45    95.57    -12      -0.13%

⑥EURCAD↓   1.2303  1.2318  -15      -0.12%

⑦CADJPY↓     77.49    77.58     -9       -0.12%

⑧EURUSD↓    1.2159  1.2172  -13      -0.11%

⑨EURGBP↓    0.7781  0.7789   -8       -0.10%

⑩USDCHF↑    0.9874  0.9864  +10     +0.10%

通貨レベルへの分解結果は以下のようになります。

上昇通貨⇒JPY(3回),NZD(2回),USD(2回),AUD,CAD,GBP
下落通貨⇒EUR(6回),CHF(2回),GBP,CAD

最後まで反発無くEURが売られていた事がわかります。JPYの不気味な上昇も同じですね。

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場は比較的安定い推移となった序盤戦を消化して終盤に欧州懸念などが再燃する展開でした。特に金曜日はスペインの10年債利回りが7.2%を超えるなど最後の最後にリスク回避色が強まっての越週となったイメージです。

主要通貨ペアの動向にも色濃く繁栄しています。

       通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①EURAUD↓    1.1708      1.1971     -263        -2.25%

②AUDCHF↑    1.0247      1.0027     +220       +2.15%

③CHFJPY↓      79.46        80.73       -127       -1.60%

④EURJPY↓     95.45         96.97       -152       -1.59%

⑤AUDUSD↑   1.0378       1.0226     +152       +1.46%

⑥AUDCAD↑  1.0505        1.0371     +134      +1.28%

⑦EURNZD↓   1.5186       1.5374     -188        -1.24%

⑧GBPAUD↓   1.5049       1.5226     -177        -1.18%

⑨NZDCHF↑   0.7889       0.7802     +87        +1.10%

⑩EURGBP↓   0.7781       0.7860      -79         -1.02%

通貨レベルへの分解は以下のようになりました。

上昇通貨⇒AUD(5回),JPY(2回),NZD(2回),GBP
下落通貨⇒EUR(4回),CHF(3回),USD,CAD,GBP

やはり終わってみればEUR売り継続で、SNBの必死の操作によりCHFも追随している中で北米通貨、英国ポンド共に伸び悩み、上昇したのは南半球通貨と日本円でしたと言う展開ですね。

2012年7月16日月曜日

Allowing Greece to Delay a Bond Payment.

週初の今日は東京市場が休場でもあり、大きな動きは出ていませんが週末のニュースの中で今日の欧州時間当たりから影響が出てくる可能性のあるものとしてECBが資金繰りが苦しいギリシャに対して8月の国債償還を遅延させる措置を考察中とのニュースがありました。

ギリシャの資金繰りは7月末までは目処がついていますが、8月償還予定の国債については資金手当ての目処が立っていない状況であり、市場の混乱を回避するべくギリシャに期限の利益を与えてはどうかと言う事のようです。
 正式には7月24日(火)からECB,EU,IMFの所謂”トロイカ”がギリシャの財政状況の調査を開始するので少なくともそれまでは正式な発表は出ない事になりますが、ギリシャは支払期限の延期が与えられない場合は国債の追加発行かつなぎ融資が必要になる事は間違いありません。

2012年7月15日日曜日

Smelling Euro-Carry Trade/Investment ?

EUROの預金金利がゼロ金利となった事や最悪この通貨は消滅する(?)と言う思惑もあり、金融市場では調達コストの安いEURを調達して様々な投資を行う動きが広がっていると言われています。

かつての円キャリートレードと一緒で、今ではユーロキャリートレードが行われていると言うのです。

個人的には確信は無く、一方でその可能性は確かに否定は出来ないと感じているところです。
 ユーロキャリートレードと言うのは、理屈はその通りですが、一方でかつての円キャリーの時のように、こういう手法が流行するのは世の中のRisk Appetite(リスクテイク意欲)が高い時のはずです。昨今は欧州混乱以外にも米国の減速や中国経済への懸念上昇などもあってRisk Aversion(リスク回避)の動きが強い事を考えると案外世間が騒ぐような規模での動きは起きていないのではないかとも思うのです。
EURUSD DAILY ⇒ 日々直近安値を更新










 

EURAUD DAILY ⇒ これも一大潮流か










EURJPY DAILY ⇒ 完全に下向き











ユーロキャリートレードが行われているのでユーロが落ちるのか?
ユーロが落ちるのでユーロキャリートレードが想定されているのか?

中々難しいところですが、トレーダーであれば最も重要なのはユーロが落ちると言う事だけですね・・・

What Precious Metals Are Up to..........

世界中で金融緩和が進行し、主要中銀の量的緩和政策の下で紙幣が刷り捲られると言う事態が恒常化すれば当然起きてくるのが貨幣価値の希薄化です。

一部で根強い懸念が共有されているのがHyper Inflationと言うことになりますが、これは以下のような負の連鎖を恐れていると言う事です。

貨幣価値の希薄化⇒通貨売り⇒通貨暴落⇒該当国の債券売り⇒該当国の長期金利急騰⇒大恐慌 

こうなると資産防衛目的で買い込まれるのがオリジナル貨幣である貴金属です。世界中が金融緩和の連鎖となっている環境下での値動きはどうなっているのでしょうか。

GOLD DAILY ⇒ 反発へ?











SILVER DAILY ⇒ 反発へ?












2011年まで実に10年規模で続いた大強気相場を消化して2012年に入ってからは頭打ち感の強い貴金属ですが、金融混乱、金融緩和と言う流れが続くようなら後半戦は反発の機会があるのかもしれません。このあたりも大きな注目材料だと思っています。

JPY Jumped While BOJ Didn't 2

前項の通り、世界中が金融緩和に動いている中で日銀が実質的な緩和を見送ったとの思惑からドル円以外でも広範に円高相場となり始めています。

AUDJPY DAILY ⇒ 右下がり傾向











NZDJPY DAILY ⇒ 後半に円高











EURJPY DAILY ⇒ 下値更新を視野に












GBPJPY DAILY ⇒ 小反発?












切れるカードも少ないので今回は温存したと言う事でしょうが、やはり弾薬が少ない時の有効活用は難しいものですね・・・・

JPY Jumped While BOJ Didn't.

先週の日銀金融政策決定会合では、政策金利を0.00-0.10%で据え置きとして追加の金融緩和はありませんでした。

Bloomberg社の事前予想では対象とした17人のエコノミストのうちで7人が日銀の追加緩和を予想していました。足元の経済データが落ち着いている中で約半数の専門家が緩和予想をしていた背景は2月のバレンタインデイでのサプライズ緩和で日銀のスタンスが変化したと言う期待感だったと思います。

また、7月に入り世界各国では金融緩和の流れが続いています。日銀もこの流れへの配慮や対処と言うファクターも視野に入れているだろうとの思惑もありました。

●ユーロ圏 ⇒ 欧州中銀金融政策発表(5日)にて0.25%引き下げ 0.75%と決定。

●英国 ⇒ BOE政策金利発表(5日)にて、資産買い入れ枠を500億ポンド拡大。

●中国 ⇒ 1年物預金基準金利は0.25%引き下げて3.00%、貸出基準金利は0.31%の引き下げで6.00%(5日)


●ブラジル ⇒ 政策金利を8.50%から0.25%引き下げ8.00%に(11日)
※8.00%は過去最低

●韓国 ⇒ 政策金利を0.25%引き下げで3.00%にすると発表(11日)
※2009年2月以来3年超ぶりで予想外

この韓国の利下げは全くのサプライズであり、今回の日銀の数時間前の事でした。

米国でもFRBが先月、FOMC政策金利発表にてツイストオペの延長を決めました。
(QE3は温存)

豪州は、5月と6月に2ヶ月連続で利下げを実施
するなど各国で金融緩和の動きが続いています。

結果的に市場は円高となっています。
USDJPY DAILY ⇒79円割れも視野に・・












ドル円は80円台に売り意欲が集中し始める中で79円を割り込む可能性が出てきました。

Final Round Rush:How They Finished the Week.

金曜日北米時間の最後の4時間における動向です。

     通貨ペア ↑↓ 終値         始値     値幅(pips)  値幅(%)
①NZDUSD↑ 0.7960 0.7946 +14 +0.18%

②AUDNZD↓ 1.2841 1.2863 -22 -0.17%

③GBPJPY↑ 123.35 123.14 +21 +0.17%

④GBPUSD↑ 1.5576 1.5550 +26 +0.17%

⑤NZDJPY↑  63.03  62.93  +10  +0.16%

⑥GBPAUD↑ 1.5226 1.5208 +18 +0.12%

⑦EURUSD↑ 1.2245 1.2231 +14 +0.11%

⑧USDCHF↓ 0.9807 0.9818 -11 -0.11%

⑨NZDCAD↑ 0.8071 0.8062 +9 +0.11%

⑩GBPCAD↑ 1.5794 1.5777 +17 +0.11%

通貨ペアの分解は以下のようになります。

上昇通貨⇒ NZD(4回),GBP(4回),EUR,CHF
下落通貨⇒USD(4回),AUD(2回),JPY(2回),CAD(2回)

この時間の動きは特段のImplicationは無い感じですね。調整取引と言う程度です。

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場は、特段大きなサプライズも無く推移しました。商品市場や株式市場も安定推移となっていますが、背景を一応の沈静化と見るかゼロ金利状態で調達コストの無くなったユーロを調達通貨とする新たな投資スキーム(ユーロキャリートレード)の活発化と見るかは見解が分かれるところかもしれません。

週を通した主要通貨の動向は以下の通りでした。

     通貨ペア ↑↓ 先週終値   前週終値   値幅(pips) 値幅(%)
①EURGBP↓   0.7860     0.7933     -73         -0.93%

②EURJPY↓    96.97       97.86       -89         -0.92%

③GBPCHF↑   1.5275     1.5135    +140      +0.92%

④CHFJPY↓    80.73       81.45        -72        -0.89%

⑤CADCHF↑  0.9665     0.9583     +82        +0.85%

⑥EURCAD↓  1.2419     1.2519     -100        -0.81%

⑦NZDJPY↓    63.03       63.53       -50         -0.79%

⑧GBPNZD↑  1.9554     1.9409     +145      +0.74%

⑨NZDCAD↓  0.8071    0.8128      -57         -0.71%

⑩USDJPY↓    79.19       79.67       -48         -0.61%

通貨ペアの分解は以下のようになります。

上昇通貨⇒JPY(4回),GBP(3回),CAD(3回)
下落通貨⇒EUR(3回),CHF(3回),NZD(3回),USD

JPYの上昇圧力は少々気になりますね・・・

2012年7月8日日曜日

Relative Value Trade is Back in Vogue.

足元の流れがドル高、円高、ユーロ安と言う絵に戻ってきていますが、特に世の中が悪くなる時の米ドルが見せる”腐っても鯛”的な強さは圧巻です。
EURUSD DAILY⇒EUR大幅下落


GBPUSD DAILY⇒GBPも対ドルで大きく下落











USDCHF DAILY⇒対CHFでもUSD上昇中


















以上が欧州通貨ですが、対アジア通貨でも米ドルが強い状況は同じです。
USDSGD DAILY⇒対シガポールドルでもUSD反発











でも・・・明らかに勢いは違いますね。同様に南半球通貨も対ドルで下げてはいますが、下げ具合は抑制気味です。
AUDUSD DAILY⇒AUDは週末に小反落の程度











NZDUSD DAILY⇒NZDも同様











このRisk-on,Risk-offに関わらず、そこでUSDやJPYなどに生じるお約束の強弱を取引材料する以外に、そういうものに対する感応度の強弱を取引するのがRelative Value Tradeと言われるものです。

為替の世界では、RiskのOn,Offに関わらず、欧州売り/オセアニア買いのRelative Value取引が活発に行われてきました。
EURAUD DAILY⇒持続的な下落トレンド











EUサミットなどもありRisk-OnからRisk-Offに振り子が振れた過去2週間の相場でも、EURAUDのクロス取引は持続的な下落トレンドを維持してきた事がわかります。

かなりポジションも溜まってきている感は否めませんが、時折入る調整局面でショートメイクしておけば通貨ポートフォリオア内で長期的に働いてくれる構成員になってくれるでしょう。

Another Ground is Cut Off From Under EUR's Feet.

ユーロはもう少し上をやってからの反落シナリオが予想されていましたが、EUサミット後の展開は価格的にも時間的にも非常に脆弱な回復しか見られなかったということになりそうです。
EURUSD DAILY⇒水、木、金と大幅反落











EURJPY DAILY⇒対円でも大幅反落











ユーロは対ドルで1.15辺りまで下げる可能性も復活しています。対円では100円割れ定着と言う事にもなりそうですが、ユーロの大復活は当分見込めない中で寧ろ円の動向こそが鍵を握っていると言えそうですね。

A Strong Tailwind is Back for USD.



呆気なく市場がリスク回避センチメントに回帰していることで、金融市場でのドル取り圧力が再び上昇しているようです。
JPMorganChaseのロンドンにおける巨額損失の露呈や遂にBarclaysまで巻き込んでしまったLIBOR不正操作疑惑と米英の金融大手の足元がふらついている事等の影響も無視出来ないでしょう。
(このあたりの問題についてはいつか掘り下げてみたいと思います。)

ドルインデックスのチャートは急速に修復されて、やけに上向きのモメンタムが復活しています。
ドルインデックス⇒急速に修復中

















前回高値の83.54を超えれば、84台~85超えをも視野に入る展開が予想されるでしょう。

What Threw a Wet Blanket to Post-EU-Summit Euphoria?


EUサミット後の”世の中修復”モードがいつものようには長続きできませんでした。
色々と悪い指標が続いてしまったと言うところですが、少し整理しておきましょう。


●7/2(月)
6月米ISM製造業景況指数
前回 → 53.5 今回 → 49.7
予想よりも悪く50を下回ったことでリスク回避相場に。

●7/3(火)
RBA(Reserve Bank of Australia)キャッシュターゲット
前回 → 3.50% 今回 → 3.50%
今回は据え置きでした。

●7/5(木)
ECB金融政策発表
前回 → 1.00% 今回 → 0.75%
ECBは遂に0.25%の利下げに踏み切りました。

BOE政策金利発表
前回 → 0.50% 今回 → 0.50%
BOEは金利は据え置きましたが、資産買い入れ枠を500億ポンド拡大しました。
これは量的緩和の拡大と言う事になります。

6月米ADP全国雇用者数
前回 → +13.3万人(修正 +13.6万件) 今回 → +17.6万人
米新規失業保険申請件数
前回 → 38.6万件 今回 → 37.4万件
6月米ISM非製造業景況指数
前回 → 53.7 今回 → 52.1
このあたりはニュートラル~やや悪いと言う感じです。

●7/6(金)
6月米非農業部門雇用者数
前回 → +6.9万人(修正 +7.7万人) 今回 → +8.0万人
6月米失業率(米)
前回 → 8.2% 今回 → 8.2%
欧州然りですが安定していた米国の指標も、雇用統計を筆頭に暗い影が目立ち始めています。
この傾向が続けばFRBが最後の宝刀としてのQE3実施へと舵を切る可能性が上昇する流れとなりそうです。

Final Round Rush:How They Finished the Week.

先週金曜日の最後の4時間の攻防です。週の需給の最後の均衡点を探る時間帯の動きです。

       通貨ペア ↑↓  終値      始値       値幅(pips)   値幅(%)
①GBPNZD↓ 1.9380  1.9428  -48   -0.25%

②AUDJPY↑  81.34    81.14   +20   +0.25%

③NZDJPY↑  63.55    63.42   +13   +0.20%

④AUDCAD↑ 1.0403 1.0384 +19   +0.18%

⑤AUDUSD↑ 1.0209  1.0191 +18   +0.18%

⑥NZDCAD↑ 0.8128  0.8115 +13   +0.16%

⑦EURAUD↓ 1.2031  1.2050  -19    -0.16%

⑧NZDUSD↑ 0.7976  0.7965  +11   +0.14%

⑨GBPAUD↓ 1.5165  1.5185   -20    -0.13%

⑩AUDCHF↑ 0.9979  0.9966  +13   +0.13%

通貨ペアの分解は以下のようになります。

上昇通貨⇒AUD(6回),NZD(4回)
下落通貨⇒GBP(2回),JPY(2回),CAD(2回),USD(2回),EUR,CHF

最後の最後にお金は南半球を目指したと言うイメージですね。

Top FX Movers Last Week.

EUサミットの余韻は続かず・・・・・
先週の金融市場はリスク回避モードが足早に復活する展開になっています。

各国金融当局が懸命の景気浮揚策を繰り出す中で、一連の経済指標が期待を裏切る展開が続いてしまったと言う悪循環が大きかったと思います。

週を通した主要通貨の動向からは依然として欧州懸念が強まる中で南半球通貨、北米通貨、日本円が逃避資本の受け皿になっている模様が覗えます。

    通貨ペア ↑↓   先週終値  前週終値  値幅(pips)  値幅(%)
①EURJPY↓    97.89     100.96     -307      -3.14%

②CHFJPY↓    81.50     84.05       -255      -3.13%

③EURUSD↓   1.2286   1.2653     -367      -2.99%

④USDCHF↑   0.9774   0.9490    +284      +2.91%

⑤EURCAD↓   1.2519   1.2861    -342       -2.73%

⑥CADCHF↑  0.9590    0.9331    +259      +2.70%

⑦AUDCHF↑  0.9979    0.9717    +262      +2.63%

⑧EURAUD↓  1.2031    1.2344     -313       -2.60%

⑨NZDCHF↑  0.7796    0.7602    +194       +2.49%

⑩EURNZD↓  1.5397    1.5773     -376        -2.44%

通貨ペアの分解は以下のようになります。

上昇通貨⇒JPY,USD,CAD,AUD,NZDが2回ずつ。
下落通貨⇒EUR,CHFが5回ずつ。

基本的にEURが売られているんですね。スイス中銀がCHFをEURに事実上PEGさせている関係でEURが下がった分だけCHFも下がっていると言うだけのことです。この2通貨の関係ほどマグマの溜まったペアも無い状況ですね・・・これはこれで非常に気になっています。

2012年7月1日日曜日

Risk-back-On:Dangerous Swings........

リスク資産もJumpですね。

DowもNasdaqも大した反発になっています。

他にも・・・・

S&P500が約2%上昇、原油が約6%上昇、ドイツ銀行株やサンタンデール銀行の株が約7%上昇、イタリア最大手銀行ウニクレジット株が14%以上の上昇・・・

金や銀もかなりのものです。
GOLD DAILY⇒ブル転の兆候?












SILVER DAILY⇒銀も追随












これだけの値幅ですので当然ですが、テクニカル的にリスク資産全般に少なくともかなりのモメンタムが出ています。一方で価格的な分析ではまだまだ底打ち反転を示唆するような水準までの回帰は見られていない状況です。

週初からどれだけ上値の伸び余地が有るのかを慎重に見て行く必要があります。

Currencies on Friday Alone.

金曜日の大どんでん返しシリーズです。
AUDUSD DAILY⇒週末に大陽線











EURUSD DAILY⇒週末に大Squeeze!!











GBPUSD DAILY⇒GBPもラストスパート











NZDUSD DAILY⇒一気に直近高値へ











何を見ても金曜日のカウンターパンチが印象的ですのでこの日のみの主要ペアの動きをチェックしておきましょう。

  通貨ペア ↑↓  終値   始値   値幅(pips)   値幅(%)
①EURJPY↑   100.96 98.86  +210   +2.08%

②CHFJPY↑   84.05   82.31  +174    +2.07%

③NZDJPY↑   63.88   62.60  +128    +2.00%

④CADJPY↑   78.45   76.88  +157    +2.00%

⑤AUDUSD↑ 1.0240 1.0043  +197   +1.92%

⑥USDCHF↓ 0.9490  0.9651  -161    -1.70%

⑦EURUSD↑ 1.2653  1.2443  +210   +1.66%

⑧USDCAD↓ 1.0165  1.0330  -165     -1.62%

⑨GBPJPY↑   125.30  123.27  +203   +1.62%

⑩NZDUSD↑  0.8006  0.7879  +127   +1.59%

上昇通貨⇒EUR(2回),CHF(2回),NZD(2回),CAD(2回),AUD,GBP
下落通貨⇒JPY(5回),USD(5回)

あらゆる通貨がUSDとJPYに対して上昇と言う図式だったと言う事ですね。

Monthly Report Card of Currencies.

あっという間に6月も終了。というか2012年の半分が消化済みですか・・・

ということで6月を通した通貨パフォーマンスをチェックしておきましょう。

  通貨ペア ↑↓    終値    始値    値幅(pips) 値幅(%)
①AUDJPY↑  81.71    76.21     +550       +6.73%

②NZDUSD↑ 0.8006  0.7529   +477       +5.96%

③AUDUSD↑ 1.0240  0.9732   +508      +4.96%

④GBPNZD↓ 1.9569   2.0453   -884       -4.52%

⑤NZDCAD↑ 0.8132   0.7775  +357      +4.39%

⑥EURJPY↑  100.96   96.81     +415      +4.11%

⑦CHFJPY↑   84.05     80.60     +345      +4.10%

⑧EURNZD↓ 1.5773   1.6414    -641       -4.06%

⑨NZDCHF↑ 0.7602    0.7312   +290      +3.81%

⑩GBPJPY↑   125.30   120.62    +468      +3.74%

通貨レベルへのBreakdownは以下のようになります。

上昇通貨⇒NZD(5回),AUD(2回)EUR,CHF,GBP
下落通貨⇒JPY(4回),USD(2回),GBP,CAD,EUR,CHF

月足で南半球の景気敏感通貨が結構な陽線になっているのがわかります。豪ドル円あたりの復活もこうしてみるとImpressiveではありますね。まだまだSWINGがあるはずではありますが・・・

Final Round Rush:How They Finished the Week.

スペインの金融機関救済策の合意の発表はアジア時間の終盤でしたので、北米時間の午後には落ち着いた取引となっていましたが、今回もその最後の4時間の攻防をチェックしていきます。

  通貨ペア↑↓   終値       始値    値幅(pips)  値幅(%)
①USDCAD↓   1.0165   1.0185    -20      -0.20%

②EURCAD↓       1.2861   1.2885    -24      -0.19%

③EURGBP↓       0.8055    0.8067    -12      -0.15%

④GBPUSD↑        1.5704   1.5681   +23     +0.15%

⑤AUDCAD↓      1.0409    1.0424    -15      -0.14%

⑥CADJPY↑        78.45      78.34     +11     +0.14%

⑦EURAUD↓      1.2344    1.2360    -16      -0.13%

⑧GBPJPY↑        125.30    125.14   +16     +0.13%

⑨CADCHF↑      0.9331    0.9320    +11    +0.12%

⑩GBPCHF↑      1.4904    1.4888    +16     +0.11%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇通貨⇒CAD(5回),GBP(4回),AUD
下落通貨⇒EUR(3回),USD(2回),CHF(2回),JPY(2回)AUD

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場ですが、何と言っても大きかったのは週末のどんでん返し的な切り返しでした。スペインの金融機関への資本注入などを巡るユーロ圏首脳会議における一歩踏み込んだ合意内容が明らかになると、週初から続いた悲観的なムードが急転換した格好です。

結局は月~木までのネガティブな潮流を金曜日にポジティブに打ち返した格好なので市場の値動き的には多分に"行って来い"相場となっているので週を通した値幅自体には大きなインパクトはありませんが、往復の走行距離はかなりのものでしょう。

主要通貨ペアの週足は以下のようになりました。
  
       通貨ペア ↑↓   先週終値   前週終値     値幅(pips)     値幅(%)
NZDUSD  0.8006     0.7897    +109        +1.36% 


EURAUD1.2344     1.2486     -142        -1.15% 

GBPAUD  1.5320     1.5488     -168        -1.10% 

AUDCHF  0.9717     0.9611    +106        +1.09% 

AUDCAD 1.0409     1.0302     +107       +1.03% 

AUDJPY 81.71       80.92       +79         +0.97% 

NZDCHF  0.7602     0.7537     +65         +0.86% 

USDJPY   79.79        80.42       -63          -0.79% 

GBPUSD  1.5704      1.5586     +118       +0.75% 

USDCAD 1.0165      1.0241      -76         -0.75% 

上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇通貨⇒AUD(5回),NZD(2回),JPY,GBP,CAD
下落通貨⇒USD(4回),CHF(2回)EUR,GBP,CAD,JPY

CAD,GBP,JPYはトレンドレス。大きな絵としてAUD,NZDが上昇しUSD,CHFが下落したと言うことです。市場センチの一定の修復感が出ていると思います。