円安を支持する材料や意見はこれまでにも枚挙に暇が無い情況ではありました。
経済状況、実体景気、国力、政治的不安定、貿易赤字への転換、超低金利...
海外勢は過去数年間にわたり何度も円売り、或いはより広範な日本売りを仕掛けては火傷してきたわけですが、今回は何かが変わってきたと考えてよいのでしょうか。
USDJPY DAILY ⇒ 79円台から81円台に! |
野田首相の”馬鹿正直解散”劇による年末政局は確かに円売り材料でしたが、党首討論で一本取られたと思ったか、次期政権の中核となる事が確実視される自民党の安部総裁からかなり過激な発言が飛び出すようになっており、これが81円台までの円安進行の大きな触媒になっています。
・時間的猶予は無い。・思い切った緩和を。・インフレ目標は2%が良いのか3%がよいのか?
などなど・・・先週の後半には随分と多くのヘッドラインが矢継ぎ早に飛び出しては円売りの動きに新たな息吹を与え続けました。
市場参加者の間では、今後の持続力に対する疑問も随分呈示されていますが、少なくともテクニカル面では中長期のトレンドが円安方向に転換した可能性は結構高いと判断しています。
以下はドル円の月次チャートですが、表示しているのはある種の移動平均の組合せです。
実はこの組合せは変動相場に移行して以来騙しが一度も無かったと言うコンビネーションなのですが、これが先月ゴールデンクロスを示しており今月の円売りを示唆していた格好なのです。
USDJPY MONTHLY ⇒ Bullish Reversal |
相場ですので押し目や揺り戻しはあるでしょうが、中長期の円安トレンドは今始まったところである可能性に注目していきたいと思います。