2014年9月28日日曜日

Gold + Silver : Many Sellers and Two Big Buyers?

米ドル上昇の継続の影で復活のキッカケがつかめない商品市場ですが、貴金属も相変わらず冴えませんね。
GOLD DAILY

SILVER DAILY
商品市場には為替市場のような流動性や取引量は無い訳ですが、これだけ受給が傾く中で、う有象無象の投資家の売りをひたすら受け止めている買い手の存在が指摘されています

貴金属の上昇時にはインドや中国の無尽蔵の需要が指摘され、金価格は1オンス8千ドルに到達するだろうなどと言われていた訳ですが、最近の近金属下落相場の中で目立つのは、二つの中央銀行という事のようです。

ロシアと中国・・・です。

欧米中心の国際秩序のアキレス腱の一つは、Fiat Moneyです。金本位制時代と違って、今のお金はただの紙切れなんですね。

Russian CB Gold Reserves
だからこそQE政策が可能になるわけですが、この量的緩和という紙幣を刷りまくる政策が破綻するときには間違いなく通貨危機が起こるわけです。その意味で、米英がQE政策の出口に近づくことは日本や欧州にとっても大変心強い訳ですね。

かつて金や銀が暴騰したのもQE政策への批判や不安が背景であった訳ですが、米のTaperingの議論の頃から、どうやら今回は大丈夫そうだということで貴金属には強い逆風が吹き続けてきました。


まだこの先どうなるか安心できない状況の中で、欧米中心の国際秩序の対立軸となるロシアや中国が貴金属の備蓄を急ピッチで増加させているというのは極めて興味深い・・・と同時に怖い話です

地政学リスクも多様化しながら上昇中と言う事実がありますので、どこかで貴金属市場の流れが急展開する事もあるかもしれませんね