2012年3月11日日曜日

Greek Default.


世界中が注目していたギリシャの債務減免スキームの一部であるPSI(Private Sector Involvement)ですが、一応無難に決着した格好です。

長く困難な交渉の結果85.8%の民間投資家の同意を取り付けた事で、CACと言う裏技を行使すればこの数字は95.7%まで上昇するようです。CACと言うのは,Collecive Action Clauses(集団行動条項)の略なのですがギリシャの国内法により、大多数の賛同があれば反対者も強制的に集団行動を取る義務を負うと言う事です。

100ユーロのギリシャ向け債券を持っている投資家は、欧州救済基金の発行する15ユーロの短期債、ギリシャ政府が新たに発行する11年~30年の国債を30数ユーロ等と交換する事で額面ベースで53.5%、実質で74%程度のHaircutを甘受する事になります。
 これで今週の欧州蔵相会議では第二次救済パッケージのEUR130bioがリリースされることが確実になり、更にIMFからはEUR18bioの追加支援の表明も出されています。

このCAC発動によりがギリシャが債券保持者に対して合法的な借金の一部踏み倒しを行う事になる事を受けてISDA(International Swaps and Derivative Association)は、Credit Eventの発生を認定する事になり、遂に長らく宙に浮いた状態になっていたCDS(Credit Default Swap)の有効性が息を吹き返す展開となりそうです。

CDSと言うのは債務者が債務不履行に陥った場合の保険的性格が強いものであり、債権者が債務者の信用リスクのヘッジ目的で保有する事が多いのですが、ギリシャのケースのように実質的に破綻しているのに救済に次ぐ救済で最低限の資金繰りだけはつけさせてしまうとテクニカルにはCredit Event(CDSが有効になる条件)が発生していないと言う認定となってしまうので大問題になっていました。

英知を結集して意というか、無理やりと言うか・・・兎に角世の中はぎりぎりのところで危機や混乱の拡大を何とか食い止めて走り続けています。

それにしてもこういう話を追いかけていると、Distressed ExchangeだとかRestricted Defaultとか・・・なんだか後ろ向きなVocabularyがどんどん増えていく気がします・・・・・・・