2012年3月4日日曜日

What Colors Do Their Lies Wear?

日本でも嘘も方便と言う言葉がありますが、欧米でも罪の軽い嘘をWhite Lieと言います。白い嘘と言う事で腹黒き悪意はありませんと言うイメージなのですが一連の欧州混乱過程で次から柚木に出てくる嘘の塊には悪意が満ちているような気がしています。

PIIGSだフランス系金融機関だと大騒ぎして最近では双六が一巡りしたようにギリシャ問題に焦点が当たっていますが、次の欧州問題の火種は何かと聞かれればズバリ世界中の投資家達が嘘の連続に嫌気がさしてもう何も信じられないと言う嫌悪感そのものがトリガーになるのではないかと思っています。当事者たちに罪悪感は無くとも騙された側には嫌悪感が蓄積する事を忘れてはいけないでしょう。

ギリシャはユーロに参加する時から国家の実態を粉飾していました。その他の国々も程度の差こそあれ同様の裏技はあった筈です。性質の悪い投資銀行に唆されて腐り切ったアセットを時価会計から外したり簿外に移すようなスキーム商品に手を出した国々は他にもあります。実際にこういうものを外国政府を相手に売っていた人達を知っていますが売る側にも買う側にも全くモラルを感じません。

周縁国問題の沈静化を意図して欧州全体で行ったStress Testでも無難な結果が出ましたが、結局その後の問題で全くのインチキ発表だった事が明るみに出たと言って良いでしょう。

ところでスペインの嘘はギリシャの真逆であった事がわかっています。昨秋に政権を奪取した現政権が、前政権を実際以上に悪く見せる為と今後の自分達の功績をよく見せる為に足元の財政赤字などを水増しして発表して来た事が発覚しています。

これは一義的にはスペインの財政は過去の発表内容比良好なのだと言う意味でポジティブ材料だと言う人がいるのですが、私はむしろネガティブ材料として位置付けたいと思っています。もう良いとか悪いではなくて真実が見えてこない事が怖すぎるからです。見えるものや聞こえるもので物事が判断出来ないと言うのは極めて恐ろしい事だと思います。

まさか彼らは自分達の行為がWhite Lieだなんて思っていないでしょうね・・・・
もうこっちの頭の中こそが真っ白になりそうです。