先々週に99円台を回復していたドル円ですが、先週は1円上昇して100円台に乗せて来ました。
USDJPY DAILY ⇒ Above 100.00 |
相場ではBig Figure(大台)が変わる事の心理的な意義も大きいのですが、99円と100円では大台だけではなく桁数が変わっているわけですので市場参加者の受け止め方には大きな変化も出てくる訳です。
実際に中期チャート上で長期間形成されてきた三角保合い(ペナント)を上に抜けたので円安相場の再開を期待する相場観も相当強まってきましたね。
USDJPY :6mths Consolidation Broken! |
テクニカル分析で強まるドル円上昇シナリオは元々円安を示唆するファンダメンタルズ分析とも一致するベクトルですので、いよいよその時が来たという可能性は確かにあります。
株式市場とタンデムでこのまま上がる可能性もありますし、一旦99円台に戻してその固さを確認して再度100円台を上昇していくと言う確認プロセスが先行するシナリオもあると思います。
今回の動きの直接の引き金になったとされる麻生財務相の介入に関する発言ですが、実は先週は米国のルー財務長官の来日があったタイミングでもありますのでちょっと裏読みをしたくなるような事象でもあります。
欧州要人の電話盗聴問題などで国際的な立場が弱まる米国が日本に対して円安容認のシグナルを送ってきているのか?
或いは今回の麻生発言をよく見ると一方的な円安を牽制しているようにも読める事、円高よりも先に先ず円安に言及している事の裏には何かあるのか?
因みに麻生発言はこういうものでした。
「一方的な円安、急激な円高といった動きにはきちんとしたシグナルを送り、一方的な動きを止める。短期的利益を目的とした投機筋に対抗できるものを持っていないと迷惑をこうむるのは国民だ」
いずれにしても暫くは海外勢もやや興味を失っていたドル円が再びセンターステージに回帰してきた事は間違いなさそうですね。