2014年11月2日日曜日

Review of the Week.(Oct.27th - Oct.31st. 2014)

2014年10月27日(月)~10月31日(金)の週の簡単なReviewです。

1 Key Events.

 ①欧州圏 / スイス
  ・ECB 銀行Stress Test.
  ⇒主要銀行は全て合格
  ⇒ユーロ圏の銀行のうち25行が不合格
  ⇒資本不足総額は246億ユーロ。
  ⇒12行は既に150億ユーロの増資済み。
  ⇒イタリアが9行、ギリシャ、キプロスが各3行(不合格)
  ・ECB Praet専務理事
  ⇒欧州圏のデフレリスクは限定的。
  ⇒IMFの欧州デフレリスク(30%)は過大評価。
  ・欧州圏10月消費者信頼感指数⇒▲11.1(予想▲11.1)。
  ・独10月IFO企業景況感指数
  ⇒103.2(予想104.8)2012年12月以来の最低値
  ・独10月IFO景気動向現況指数⇒108.4(予想110)
  ・独10月IFO景気動向期待し数⇒98.3(予想99.2)
  ・独9月輸入物価指数⇒+0.3%(予想▲0.1%,mom)
  ・独10月失業者数⇒▲22千人(予想+5千人)。
  ・独10月失業率⇒6.7%(予想6.7%)。

 ②米国 / カナダ
  ・米9月耐久消費財受注⇒▲1.3%(予想+0.3%,mom)
   同 Ex-Transport ⇒▲0.2%(予想+0.5%,mom)
  ・米第3四半期GDP⇒+3.5%(予想+2.9%,qoq)
  ・米第3四半期GDP価格指数⇒+1.3%(予想+1.4%,qoq)
  ・米失業保険申請件数⇒10月25日の週は287千件(予想277千件)。
  ・米FOMC金融政策決定会合
  ⇒QE3の終了を決定
  ⇒声明文の緩和継続の”considerable time”の文言は残る
   (以下声明文)
  ⇒就業増と失業率の低下は労働市場の継続的改善を示唆
  ⇒リソースの”unde‐rutilization”は徐々に減少している
  ⇒インフレが安定的に2%未満に抑制される可能性は年初来減少

 ③日本
  ・9月小売売上高⇒+2.3%(予想+1.0%,yoy)
  ・9月鉱工業生産⇒+2.7%(予想+2.2%,mom)
  ・日銀金融政策決定会合
  ⇒追加の金融緩和を決定投票結果は5-4の僅差
   マネタリーベース拡大規模を年間゛60~70゛兆円から80兆円に増額
  ⇒長期国債買入れ規模を年間50兆円から80兆円に増額
  ⇒満期までの平均期間も7年から7年~10年に延長
  ⇒ETFやJ-Reitの買い入れも3倍増へ
  ・日銀 黒田総裁
  ⇒日本はデフレ脱却の”critical moment”
    デフレマインド転換の遅延を回避するべく追加緩和を断行
  ⇒物価上昇率の低下を懸念
  ⇒将来の賃金や価格設定を低めに設定する動きを警戒
  ・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
  海外投資比率を23%から40%に引上げ(予想30%)
  ⇒外国株が25%、外国債券が15%
  ⇒国内株は12%から25%に引上げ
  ⇒国内債券は60%から35%に引下げ
   
 ④英国
  ・BOE Cunliffe副総裁
  ⇒賃金と物価の落ち着きと外部環境から英国は
    当初想定よりも長期間の緩和的環境の維持が可能
  ⇒インフレ上昇リスクよりも景気回復の腰折れリスクの方が大。
  ・BOE Shafik副総裁
  ⇒明確な物価上昇圧力の証左は無い
  ⇒労働市場のSlackを示唆する材料も無い
  ⇒中銀は多くのデータに共通するトレンドの把握が肝要。

 ⑤豪州 / NZ
  ・豪第3四半期輸入物価指数⇒▲0.8%(予想+0.2%,qoq)
  ・NZ RBNZ10月政策金利発表
  ⇒OCRレート3.5%据置き。
  ⇒将来のインフレ抑制に追加引締めが必要とする文言が消滅
  
2 金融市場

 ①株式市場 / 債券市場
  ・株式市場急騰債券市場下落(利回り上昇)
  ・日銀追加緩和で日経平均が7年振り高値
  ・海外市場も全面高米株は最高値更新
  ・日経平均は金曜日に+755.56円高
   週足は16,413.76円(先週15,291.64円)
  ・Dow→$17,387.37、S&P500→$2,017.68、Nasdaq→$4,630.74。
  (先週 $16,805.41                 $1,964.58               $4,483.72)
     (週次  +3.4%                         +2.7%                     +3.3% )
  ・米10年債利回りは2.33%(先週2.27%)。
  ・米30年債利回りは3.06%(先週3.04%)。

 ②商品市場
  ・ドル高で商品市場は逆風継続
  ・原油価格は6週続落。バレル単価で$80.71(先週$81.33)
  ・貴金属は大ダメージ。
      金価格はオンス単価で$1,171.91(先週$1,230.75)

 ③為替市場 
  ・黒田日銀のサプライズ緩和でJPY全面安
  ・ドル円、クロス円が全面高
  ・緩和当日はドル円が4BF,ポンド円が6BFに跨る上昇
   (BF=Big Figure)
  ・QE3終了でUSDは上昇軌道修復モード
  ・AUDが上昇バイアスを維持