2012年5月27日日曜日

EURCHF: New and Old Epicenter of FX.

これですよ、これ・・・・

ずっと注目はしてきているのですが、先週はちょっとお騒がせ的な動きもありました。

EURCHF DAILY⇒この髭を見よ!












日足のロウソク足チャートの実体部分は相変わらず"これ、オセロゲームですか?"と言う感じなのですが、注目はこのチャートの髭です。

要するに実体部分である始値と終値の差は小さいものの、日中に値幅が出るようになっていると言う事なのですが、先週は上方向に線が伸びていますね。これは市場の広範なEUR売りによりスイス中銀が設定しているEURCHFの1.20レベルが下抜けしそうな圧力を受ける中で、同中銀がこの下限を引き上げるのではないか、或いは防衛ではなく押し上げ介入を再開するのではないかと言う思惑が市場を駆け巡った事による物です。

更に、日銀同様に介入はやらないで済むならやりたくないと言うのがスイスのスタンスでもあるので、経済的にも安定した永世中立国である同国に流入する大量の資本を規制・牽制する意味で預金課税の検討を示唆するジャブをかました事も大きな材料でした。

正直言って、今現在動いている(スイスに雪崩れ込んでいる)資本の太宗はハゲタカ資本と富裕層の資本でしょうから、スイス当局の憤りや苦悩は相当なものではないかと察せられます。
 そんなものの為にCHF高となってそういう連中の資産を更に増やす一方で、自国経済が通貨高のダメージを蒙るのは勘弁してくれという思いがあると思います。それが新たな預金課税と言うコンセプトの背景でしょう。

EURCHFは今後もイベント的に大きな値幅が出るポテンシャルが高まってきました。注目を継続しましょう。

因みにロウソク足は日本で生まれたチャートですが、今では世界的に認知され、研究もされています。一目均衡表も頑張っており、テクニカル分析における日本の手法は世界に胸を張れるものですが、何と言ってもロウソク足は米相場と言う世界最古(?)の先物取引まで行われていた日本の最高の発明品ではないでしょうか。

英語では、実体部分をそのままBodyと言っていますが、髭と言うのは馴染み難かったようで、ロウソク足の髭の部分はShadowと呼ばれるのが普通です。実体に対して髭と言うよりもBodyに対してShadowというのは十分納得出来る感じがしますので、考えた人は中々偉いですね(笑)。

外人さんにEURCHFの上髭が気になると言う話をする時には、Upper Shadowと言ってあげて下さい。

EUR On The Losing Streak Yet.

EURの動向ですが、Losing Streakとしか形容の使用も無い状況です。金曜日にはEURは対USDで1.24台も見ましたした。

EURUSD DAILY⇒対ドルで1.25割れへ。












対円ではEURJPYは再び100円を割り込んでおり、二桁水準での攻防です。
EURJPY DAILY⇒100円割れ定着へ











リスク回避、レバレッジ縮小の動きから一旦はEURが反発する動きもあった欧州売り+資源国買いのポジションも徐々に再開されている気配ありです。
EURAUD DAILY⇒Turning Down Again












テンクニカルでは何処からどう見てもEURはフルショート推奨モードとしか言えない状況です。
政治的な枠組みや安定化に向けた対処策の導入などによるファンダメンタルズの劇的な改善が無ければ、ここで止まる理由は見当たりませんね・・・・

Deterioration All Over in Europe.

欧州の劣化が止まりません。

1 ギリシャ関連

・前首相Papademos"Risk of Greece leaving the euro is real"

・IMF chief Lagarde⇒ "Eurozone is at the very epicenter of the crisis"

・ECB set up a working group, run by Executive Board member Asmussen, on preparation for escalation of the crisis in Greece.

2 周縁国

 ギリシャが脱退すればスペインやイタリアの離脱可能性も急上昇するとの見方。

・周縁国金融機関からの大量の預金流出⇒(プチ取り付け騒ぎ)

3 スイス

スイスへの預金流入に対するスイス中銀(SNB)による新たな預金課税の噂。

・EURCHFの許容最低水準(現在1.20)引き上げ(EUR上昇・CHF安の方向へ)観測。

4 経済指標

・Eurozoneの5月製造業PMI⇒2009年6月来最低となる45に下落。

・同サービス業PMI⇒11月来最低となる46.5mで下落。

・ドイツの5月製造業PMIも45となり、過去3年間の最低水準への下落。

・同じくフランスの製造業PMIは44.4で同じく過去3年間でのWorst更新。

欧州の混乱を背景とした実体経済の劣化の証跡は多方面で露呈しており、経済の縮小速度は予想以上であるとの印象を強めています。

USD Looks Higher.(And Stocks Lower.)

米ドルの基調が相変わらず強いですね。DXY(ドルインデックス)は抵抗線と思われた81.78をクリアして82.46まで触っており、72.69レベルで底打ちしてからの上昇波がいまだ継続中であることを示唆しています。
DXY中期トレンド⇒上昇中




















ここへ来てこの上昇が長期トレンドを強気転換させ始めてきたようです。
DXY長期トレンド⇒Picking UP !!!



















長期トレンドと言う事になるとやはり鍵を握る事になるのが米株の動向ですが、これは逆に弱気転換の条件が整いつつあります。
S&P500長期トレンド⇒弱気転換の匂い・・



















米株も駄目なら、米ドルに悪材料ではないのかと言う見方も出来るのですが、寧ろ現在進行中のレバレッジ縮小、リスク回避の動きがそれだけ長期化するという見方をする事で米ドル上昇材料として見ていく方が今の環境下では現実的であると考えられます。

Final Round Rush : How They Finished the Week.

では、今回も先週金曜日の最終タイムゾーンである北米時間の最後の4時間の動向をチェックしましょう。

今週は月曜日が北米休場なので、事実上のLong Weekendを控えた最後のポジション調整の動きだったと思います。

     通貨ペア ↑↓   終値      始値    変動(pips)  変動(%)
①NZDCHF↓  0.7220  0.7246   -26        -0.36%

②NZDCAD↓  0.7748  0.7773   -25        -0.32%

③GBPAUD↑  1.6049   1.6004  +45       +0.28%

④NZDUSD↓  0.7533   0.7552   -19        -0.25%

⑤AUDCAD↓ 1.0038   1.0060   -22        -0.22%

⑥NZDJPY↓   60.01     60.14     -13        -0.22%

⑦AUDUSD↓ 0.9754    0.9774   -20       -0.21%

⑧AUDCHF↓ 0.9359    0.9378   -19       -0.20%

⑨GBPNZD↑ 2.0750    2.0712   +38      +0.18%

⑩AUDJPY↓  77.70      77.84     -14       -0.18%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇サイド⇒CHF(2回),CAD(2回),GBP(2回),USD(2回),JPY(2回)
下落サイド⇒NZD(5回),AUD(5回)

最終調整の時間帯には欧州通貨への売り圧力は一服していた事がわかります。
一方で、ここで売られていたのはAUDとNZDと言うのも少々意外ですね。結局売られるのは欧州通貨と資源国通貨と言うことなのであれば、やはり深刻なリスク回避やレバレッジ縮小が進行中というImplicationになるのではないでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

先週は週初こそ豪ドルやユーロの反発などの調整的な動きが見られたものの、持続力無く殆ど月曜日中で失速する展開となりました。火曜日からは呆気なくリスク回避バイアスが復権して断続的にリスク資産が売られる展開となりました。

以下は為替市場における週を通した主要通貨ペアの動向です。

        通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURUSD↓  1.2513     1.2774     -261       -2.09%

②USDCHF↑  0.9596     0.9399    +197      +2.05%

③EURNZD↓ 1.6584      1.6882    -298       -1.80%

④NZDCHF↑ 0.7220      0.7095    +125      +1.73%

⑤EURCAD↓ 1.2877      1.3056    -179       -1.39%

⑥CADCHF↑ 0.9320      0.9194    +126      +1.35%

⑦CHFJPY↓   82.97        84.01      -104       -1.25%

⑧EURJPY↓   99.69        100.92    -123       -1.23%

⑨EURAUD↓ 1.2822      1.2978    -156       -1.22%

⑩AUDCHF↑ 0.9359      0.9247    +112      +1.20%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇サイド⇒ USD(2回),NZD(2回),CAD(2回),JPY(2回),AUD(2回)
下落サイド⇒ EUR(5回),CHF(5回)

これは非常に興味深い結果と言えるでしょうね。下落サイドがEURとCHFが5回ずつとなっていますが、要するに上昇サイドは他の主要通貨の2通貨に対する上昇と言う内容になっている訳です。

ギリシャのユーロ離脱懸念などからユーロが売られて、欧州から逃避した大量の資本が安全資産としてのCHFに向かっている中で、スイス中銀がEUR買いCHF売りでの市場介入や海外資本への課税措置の検討を仄めかして必死にCHFの急騰に抵抗していると言う図式が浮かび上がっていると言う事です。

非常に深刻ですね・・・・・

2012年5月21日月曜日

Tokyo Whale Knew.........

金曜日に、東京の鯨と呼ばれる人物と会食しましたが、色々と面白い話を聞くことが出来ました。

彼も債券先物を扱う事が多く、一連のJPMorganChaseのオペレーションを主導したと言う"ロンドンの鯨"と呼ばれる人物の事や、そのオペレーションの方向や規模については大分前から彼の周辺でも話題になっていたと言う事です。
「嫌な予感がして心配はしていました」との事ですが、それが実現してしまったと言う事ですね。

今回の事象で深刻だと思うのは、JPMorganChaseがどうこうと言う一点攻撃にはならずに業界全体のシステミックリスクのように捉える風潮があることですね。流石はJPMroganChaseということでもあるのですが、PimcoのBill Grossが「それでもJPMが最もきちんと運営されている米銀である」と言う話をしているように、世間では”あのJPMorganChaseですらそういうことなら他は推して知るべし・・・”と言うようなイメージを持つケースも多いように思われます。

全貌は今後明らかになるのでしょうが、この東京の鯨氏もロンドンの鯨氏が引き金を引いた事象の動向を大いに気にしていました。

そう言えば90年代に北米で大きなポジションを持って自壊した人物はBig Footと呼ばれていましたのでしたね。市場が小さい場合はこのように頻度や規模が目立ってくると周囲から監視されたり、連携して大きな逆ポジションを張られたりという仁義無き戦いに突入するケースも多いので外国為替のような宇宙規模の市場ではない限りは分相応が無難なようです。

それにしても、東京の鯨氏との会食ですが、串焼きのコース+アルコールで二人で3千円ちょっとでした。これは東京の郊外の奥深さでしょうか・・・・? まさかデフレの兆候では・・無いでしょうけどね。

Mark-To-Reality


・Fitch downgraded Greece's long-term credit rating from B- to CCC and cited that it "reflects the heightened risk that Greece may not be able to sustain its membership of Economic and Monetary Union".

  There were reports that Bankia, the Spanish bank that was nationalized recently, received more than EUR 1b withdrawal since last week.

・Moody's downgraded credit rating of 16 Spanish banks, citing that "banks will continue to face highly adverse operating and market funding conditions that pose a threat to their creditworthiness". The rating agency believed "the Spanish economy has fallen back into recession in first-quarter 2012" and it does not expect conditions to improve this year.

Moody's downgraded 26 Italian banks to "amongst the lowest within advanced European countries" on "susceptibility to the adverse operating environments in Italy and Europe".

この手の報道が後を絶たない事が欧州問題の根幹を成している訳ですが、ここには実に難しい問題が立ちはだかっています。
 上記のニュースは、Fitchと言う格付機関がギリシャの長期信用格付をB-からCCCに格下げした事や、Moody'sと言う別の格付機関が16ものスペインの金融機関と26ものイタリアの金融機関を格下げした事を報道するものですが、今更ながら過去のストレステストを含むいかなる形態の自己申告は全く出鱈目だったと言う事を証明しているのと同じです。

そしてこれは、例のあれに良く似た話であり、事実根っこは同じ問題なのだと言ってよいのです。

例のあれ・・・と言うのは米銀の筆頭格JPMorganChase銀行のCIOチームによるデリバティブブックの巨額損失の話です。

当初の損失額は$2bioとされていましたが、現時点でこの数字は$5bioとも言われるようになっています。CDS,CDOなどのクレジット物のデリバティブ取引が中心との事ですが、要するに実際の損失は固めて見るまでわからないのです。
 
私も相応にデリバティブ取引には関わってきていますが、原資産が株や為替であれば、最低限の時価評価は可能です。市場実勢で値洗いをする方法をMark-To-Market(MTM)と言いますが、文字通りこれはMarketが存在する事とそのMarket価格に一定の公示性がある事が大前提です。

ところが原資産がクレジットだったり天候だったりと言うケースでは全くこの条件が満たされず、結果として気配値なる物で評価をしたり、自社の理論に基づいてクォンツに作らせた評価モデルが認識する価格にぶつける形での評価して出来ていないケースが太宗なのです。イメージはMark-To-Marketではなくて、Mark-To-Modelと言う事です。

元々流動性の無い市場は、問題が起こると乏しいけど存在した流動性すら消滅しますので、自社モデルがどう評価しようと市場で処分しようとするととんでもない損失が出ると言う事になるのです。

この金融工学におけるモデルの失敗、モデルの限界と言うのが欧米の金融機関を中心に定期的に露呈する問題と言う事になります。

そして、後はもうHonestyでしょうね。

欧米の国家、政府、金融機関が"自己申告"して来た財政状況や収益状況は後日著しく下方修正されるケースが恒常化して来ている訳です。そして同じようにもともと欧米先進国よりは相当精度が落ちると言う認識の新興国や発表される経済指標の信憑性が問題視されてきた中国に対する懸念がここに来て再台頭していると言うのが中国を中心とした新興国市場の全般的な不調の背景だと考えて間違いないでしょう。

こういう問題は一旦悪循環になると負の連鎖は中々断ち切れないものですね。モデルベースのバーチャルな繁栄がリアルな現実によって厳しく値洗いされていると言う事でしょう。

2012年5月20日日曜日

And Here Comes Another Inflection of JPY?

前項までで足元の米ドルの底力を殊更確認してみたところで、それを凌駕するのが先週の円の上昇でした。

全面高と言う状況になりましたね。
USDJPY DAILY⇒木曜日から円が反発











またもや円はドルの天敵になるのでしょうか・・・・
他通貨には絶対的な強さを発揮しているドルが対円で腰折れ的な反落をしているのですから、他通貨に対する円の強さは推して知るべしです。
EURJPY DAILY⇒先週も続落











AUDJPY DAILY⇒先週も続落











NZDJPY DAILY⇒これが一番凄いか











目先のポイントはドル円の79円でしょう。円高と言ってもドル円の場合はまだ79円台に落ちた程度です。78円台の攻防があるならかなりの正念場になりそうですけどね。

Another Look at USD Strength.

前項でも言及したとおり、今回のドル上昇はかなりの規模になっています。ドルインデックスではなく他の主要通貨との交換レートで確認してみましょう。チャート上では金曜日の調整の前触れ的な動きにも注目しましょう。
EURUSD DAILY⇒大幅続落+金曜日に反発











USDCHF DAILY⇒大幅上昇+金曜日に反落











このように欧州通貨は金曜日に一旦反発の気配を見せています。

資源国通貨はどうでしょうか。
AUDUSD DAILY⇒先週も全て陰線











NZDUSD DAILY⇒これも全敗











USDCAD DAILY⇒対CADでもUSD高継続











資源国通貨は下げ基調が継続と言う感じです。

実はこれはアジア通貨でも同様です。アジアの優等生兼代表選手でもあるシンガポールドルで確認してみましょう。

USDSGD DAILY⇒対アジアでもドル高継続











やはり足元のドル高は単なる欧州懸念を越えた世界経済やその仕組みの安定性、健全性に対する根深い懸念が根底にあると言えるのでしょう。

Risk Aversion : Time to Take a Breather?

金融市場には、ここまで併走して来た2つのシナリオがあります。

1 過去2年間のように今年も5月からリスク回避モードが急展開する

2 今年はこれだけ当局が手を打って来ているのだから三匹目の泥鰌はいない

概略はこういう感じになります。

2のシナリオでも一定規模の混乱は織り込んできている訳ですが、欧州の動向が懸念を増してきている事や何よりも金融市場の動向がリスク回避バイアスが中々引かない事を考えれば、今週からの動きが非常に重要になってくると思います。

個人的にはいずれにしても今週からは相撲で言えば一旦水入りというようなConsolidation的な動きとなると思うのですが、先週までのRisk-Off相場の持続力は予想以上でした。

一連のリスク回避に最も強い耐性を示し、リスク資産の本丸的な印象もあった米株市場もずるずると下げ続けてきました。
S&P500 ⇒ 昨年8月以来最大の負けっぷり。

 

















MSCI World Indexと言う世界中の株式市場の総合指標も2012年の上昇を全て吐き出しました。今年発生した含み益の上昇分が全て失われたと言う事です。

リスク資産の現金化の進行は毎度の如くUSDやJPYへの大量の資金還流を引き起こしており、米ドルの総合的な強さを表すドルインデックス(DXY)も急騰してきました。
US Dollar Indexも大復活




















これらの動きは中期的なトレンドを形成する事になりそうですが、今週からは一旦Consolidationか調整局面入りの可能性も視野に入れておくのが無難でしょう。

ドルロングやユーロショート、株式や資源国通貨売りなどは戻り局面でRe-entryする戦略が機能すると思います





2012年5月19日土曜日

Final Round Rush:How They Finished the Week.

前項の通りリスク回避モード全開という感じだった先週の最終ラウンド(最後の4時間)のパフォーマンスを切り出します。

        通貨ペア ↑↓ 終値        始値         変動(pips)    変動(%)
①CADCHF↓  0.9194  0.9243   -49          -0.53%

②EURCAD↑  1.3056  1.2990  +66         +0.51%

③USDCHF↓  0.9399   0.9433  -34          -0.36%

④CADJPY↓   77.27     77.54    -27          -0.35%

⑤EURUSD↑  1.2774  1.2730   +44        +0.34%

⑥AUDCHF↓  0.9247  0.9276   -29         -0.31%

⑦NZDCAD↑  0.7719  0.7695  +24        +0.31%

⑧NZDCHF↓  0.7095   0.7114  -19         -0.27%

⑨GBPCHF↓  1.4865   1.4904   -39        -0.26%

⑩AUDNZD↓ 1.3002   1.3035   -33        -0.25%

通貨ペアを分解すると以下のようになります。

上昇通貨⇒CHF(5回),EUR(2回),NZD(2回),JPY
下落通貨⇒CAD(4回),USD(2回),AUD(2回),NZD,GBP

金曜日の北米市場終了に向けた最後の鬩ぎ合いは斑模様の動きですが、欧州通貨の反発と米ドルの失速がった反面、CADやAUDはここでも弱いままでした。資源国通貨の試練は続きます。

Top FX Movers This Week.

今週もリスク回避の動きが加速しました。

・ギリシャ情勢を中心にスペインの金融セクターへの不安も上昇

・フランスのHollande政権への不透明感

・JPMorganChaseの巨額損失発覚

・リスク資産の本丸的存在だった米株市場にベア転の可能性

等の背景がありました。

週を通した主要通貨ペアの動向は以下の通りです。

       通貨ペア ↑↓ 週終値   前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↓    59.69    62.50       -281      -4.71%

②NZDUSD↓   0.7556   0.7820    -264     -3.49%

③CADJPY↓    77.27     79.91      -264     -3.42%

④AUDJPY↓    77.73     80.07      -234     -3.01%

⑤GBPJPY↓    124.93   128.41     -348    -2.79%

⑥NZDCHF↓   0.7095   0.7262     -167    -2.35%

⑦CHFJPY↓    84.01     85.95       -194     -2.31%

⑧EURJPY↓    100.92   103.25     -233    -2.31%

⑨EURNZD↑  1.6882   1.6497     +385   +2.28%

⑩USDCAD↑  1.0219   0.9997     +222   +2.17%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。

上昇通貨⇒JPY(6回),USD(2回),CHF,EUR
下落通貨⇒NZD(4回),CAD(2回),AUD,GBP,CHF,EUR

上昇サイドはJPY,USDで8回ですが、JPYの6回はJPY全面高を示しています。
下落サイドはNZD,CAD,AUDで7回と言う事で、引き続き欧州通貨よりも資源国通貨の弱さが目立っています。

今起きている事は、まさに欧州不安ではなく、世界経済への懸念と言う事ですね。

2012年5月13日日曜日

JPY Draws Attention Now.

日本円の動向も大いに気になりますよね。

USDJPY DAILY⇒79円台で底固め出来るか?











ドル高基調の中でのドル円の80円割れ、クロス円の総崩れという状況は多くの市場参加者をして円高回帰⇒元の木阿弥と言うシナリオを警戒させましたが、その後のドル高進行時にはドル円の下値も固く、80円台を回復したり、また割り込んだりと言う落ち着いた動きに収束してきました。

今週からの株価動向が気になりますが、これまで商品市場などと比較すると大健闘してきただけに株式市場の調整が大きくなると従来の相関からの判断しても円高圧力の上昇は不可避かとも思えるので要注意です。

クロス円の動向も大いに気掛かりです。
AUDJPY DAILY⇒80円割れへ?











EURJPY DAILY⇒100円割れも視野に?











NZDJPY DAILY⇒60円割れが視野に?











上記の通りドル円は80円、ユーロ円は100円、豪ドル円で80円、ニュージーランド円で60円というようにテクニカルというよりも心理的に重要な節目が視野に入っており、株価などの外部要因次第ではありますが放置すると円高加速と言うリスクも無視出来ません。

本邦金融当局の方針転換の有無と程度が再び市場参加者のトピックになり始める状況かと思っています。

Another Look at USD strength at hand-2.

欧州通貨に続いて資源国通貨の動向から今のドル高を確認します。

AUDUSD DAILY⇒過去2週間で大幅下落











NZDUSD DAILY⇒豪ドル以上の下落振り











USDCAD DAILY⇒ここもドル高












CADが北米通貨としての性格もあってか、南半球の同胞達よりも粘っている印象があり、資源国通貨同士のクロス取引(AUDCADやNZDCAD)にも収益機会が見込まれる状況だと思います。

Another Look at USD strength at hand.

こういうときの米ドルの強みは圧巻であり、世界の基軸通貨としての強みと言うか、"腐っても鯛"と言う言葉が想起されます。
GBPUSD DAILY⇒この2週間でGBPが反落体制へ











EURUSD DAILY⇒これが台風の目ですね











USDCHF DAILY⇒CHFに対してもこの強さ!











今回はCHFが安全通貨としての強みを発揮できずにUSDやJPYばかりが上昇しているのですが、もしかするとEURCHFの水準をスイス中銀が必死にコントロールしている結果なのかもしれません。EURの下落は如何ともし難く、CHFの価値も下げておくしか手が無いと言う状況である事は確かです。結果としてEURCHFのVolatilityは見事に抑制されていると言えます。今最も動いていない通貨ペアと言えるでしょう。
EURCHF DAILY⇒The Least Volatile Pair!!











以上、目下の米ドルの強さを欧州目線で確認してみました。

Dollar Index above 80 and Looks Higher.

Dollar Index(DXY)が数ヶ月続いた底固め期間を終えつつある可能性が強まってきました。
チャート上でも綺麗に上昇軌道が強まっています。

週の終値が80.26近辺なのですが、80台の回復はかなり強気のシグナルと見ています。80.73を超えればほぼ上抜け確定で、その場合は例えばEURUSDが1.26台と言うようなレベルまでのUSD上昇シナリオが浮上すると思われます。

積極的な米国買いではなくて、世界中のリスク回避によるレパトリなどによる米ドル回帰なので鍵を握るものの一つがやはり株価でしょうが・・・・


明らかに米株市場も駄目ですね・・・・・ 週明けからのアジア市場に注目ですが、どうやら中国が預金準備率の引下げを決めているので、これがどれだけ相場を支えるのかにも注目していきましょう。

Final Round Rush:How They Finished the Week.

前項通りかなりリスク回避色が強まる展開となった先週の金融市場における最終ランドー金曜日北米時間の最後の4時間の攻防を確認しましょう。最後の需給動向はどうだったのでしょうか。

        通貨ペア ↑↓ 終値       始値       変動(pips)   変動(%)
①NZDUSD↓  0.7820  0.7867   -47          -0.60%

②NZDCHF↓  0.7262  0.7301   -39          -0.54%

③NZDJPY↓   62.50    62.83     -33          -0.53%

④AUDUSD↓ 1.0018   1.0060   -42          -0.42%

⑤GBPNZD↑ 2.0524   2.0439   +85        +0.41%

⑥AUDJPY↓  80.07     80.34     -27          -0.34%

⑦NZDCAD↓ 0.7819   0.7844    -25         -0.32%

⑧EURNZD↑ 1.6497   1.6445   +52        +0.32%

⑨USDCAD↑ 0.9997   0.9969   +28        +0.28%

⑩AUDCHF↓ 0.9312   0.9338    -26         -0.28%

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。

上昇通貨⇒USD(3回),CHF(2回),JPY(2回),GBP,CAD,EUR。
下落通貨⇒NZD(6回),AUD(3回),CAD。

週の取引の最終局面でも資源国通貨への売り圧力は衰えていなかったと言う事ですね。
トレーディング勘定におけるリスク回避方向でのポジション取りはあまり進んでおらず、依然として投資勘定のリスク縮小が主な売り圧力だとするならば、このトレンドはもう少し継続する可能性が高いと言うところでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

欧州混乱の新局面入り・・・・世の中が難しくなると選挙でその時々の"現政権"に厳しい裁定が下るのは不可避であり、そこが民主主義の盲点とも考えられますが・・・・

フランスの大統領選におけるSarkozy氏の敗北は統合欧州を必死に支えてきた独仏協調体制の終焉となる可能性があり、一時はMerkelとSarkozyを併せてMerkozy体制とも呼ばれた欧州のコアが瓦解するかもしれません。

民主主義の先駆者としての頓挫が世界中に波紋を広げてきたギリシャではかつての2大政党制も崩れ、小党乱立状態の中で反財政規律派が世論の支持を得ながらも、政局優先の動きに新たな連立の枠組みも見えてこない混乱状態となっています。

欧州混乱の最中・・・米国ではJPMorganChase銀行が実にUSD2billion(20億ドル)のTrading Lossを公表する動きがあり、世界中の投資家をしてリスク回避バイアスを強めさせるには十分すぎる材料が提供されました。

ということで・・・先週は完全なRisk-Offモードが継続しましたが、主要通貨ペアの動向は以下の通りとなっています。

       通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDUSD↓   0.7820    0.7955     -135       -1.73%


②NZDJPY↓    62.50      63.53       -103       -1.65%


③AUDUSD↓   1.0018    1.0175     -157       -1.57%


④AUDJPY↓    80.07      81.26       -119       -1.49%


⑤EURUSD↓    1.2918    1.3081     -163       -1.26%


⑥USDCHF↑    0.9296    0.9180    +116      +1.25%


⑦NZDCAD↓   0.7819    0.7916      -97        -1.24%


⑧EURJPY↓     103.25    104.47     -122       -1.18%


⑨CHFJPY↓     85.95      86.96       -101       -1.18%


⑩GBPNZD↑    2.0524    2.0293    +231       +1.13%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。

上昇通貨 USD(4回)、JPY(4回)、GBP(1回)、CAD(1回)
下落通貨 NZD(4回)、AUD(2回)、EUR(2回)、CHF(2回)

USDやJPYに上昇圧力が掛かり、欧州通貨と資源国通貨が売られる展開と言う事です。

2012年5月6日日曜日

Iran's Runoff Election Results.

前項でフランスの大統領選の事を書きましたが、ちょっとイランの状況も気になっています。

イランは核開発問題がクローズアップされており、イスラエルとアラブの緊張関係における中心的な存在でもあるのですが、実はあの地域ではトルコに次ぐ親日国でもあり、原油取引を抜きにしても日本にとって重要な国である事は疑いの余地もありません。

イランでは、かつて日本のドラマ”おしん”が大ヒット(恐らく一番有名な日本人)したり、最近では忍者ブームが起きていたりというところにもイラン国内での親日度が表れていると思います。

ちょっと本題から逸れてしまいましたが、そのイランでは現職のMahmoud Ahmadinejad 大統領の勢力が非常に苦戦しています。

 核開発に対する世界中からの経済制裁が国民の生活に影響し始めている事や核開発そのものに対する国内世論もあるようですが、最も大きいのは革新派の大統領が保守色の強い聖職者Ayatollah Ali Khamenei氏との対立にあると思われます。


この週末(5月4日)に改選された65議席のうちでも、大統領派が獲得できたのが13議席、Khamenei氏の勢力が41議席、無所属が11議席と言う大統領派の惨敗と言う結果が出ています。

同様に大統領派が苦戦した3月6日の選挙結果と合わせれば、国会の290議席のうちでKhamenei氏が主導する勢力の98議席に対して大統領が率いる勢力(Stability Front of Islamic Revolution)は43議席に留まると言う状況です。

こうなると国を問わずもう政局です。権力の中枢にあった大統領派の要人達に対する過去の権力濫用の有無などを詮索する動きも活発化しており、今回の結果を受けて最大勢力となったUnited Front of Conservatives Coalitionは国会議長にKhamenei氏の義理の息子を送り込む方向のようです。

今後大きな転換が無い限り、Ahmadinejad大統領の2014年退任に向けた動きが加速する事は不可避であり、核開発を含めたイランの動向はここから流動的になっていく事は不可避でしょう。

日本のメディアはあまり興味が無いのかもしれませんが、実はその後のシリアやエジプトの情勢も相当緊迫している訳で、ここからは地政学リスクの再台頭と言う事も意識の中に置いておくべきだと思っています。

Eyes on the French Elections.

世界中が大注目のフランスの大統領選挙ですが、一国の選挙を超越した一大イベントと言えるのではないでしょうか。

かの地の選挙システムに精通はしていませんが、私の理解では1回目の投票で50%以上の票を獲得した候補者がいなければ上位2候補での決選投票となる仕組みになっています。

2週間ほど前に行われたこの1回目の投票では、現職のSarkozy大統領が27.18%の獲得率で何と野党社会党の対立候補のHollande氏の28.63%の後塵を拝してしまいました。この週末はこの2名による決選投票が行われる予定なのですが、ちょっとSarkozy大統領は苦しいと言う読みが多いようです。

初回投票で3位につけていたのがナショナルフロント党なる極右政党のLe Pen候補なる人物ですが、彼に票を投じた17.9%の支持者達を拘束せずに自主投票を促すと言う選択をしているようですのでちょっと読みにくくなっています。

フランスの大統領選は大抵は現職が強いようで、今回Sarkozy氏が敗れれば現職大統領が再選されないのは1981年以来の事になるそうです。

ところで、この現職の強みを生かして少し前までは優勢が伝えられていたSarkozy氏ですが、実際の選挙が近づくにつれて支持率が低下し、僅差と言えどもHollande候補の後塵を拝する事になってしまったのですが、気になるのはこのHollande候補の政策です。

・高額所得者(年収が1mioユーロ以上)への75%課税の提案
・全ての金融取引への課税
・大企業の法人税率引き上げ(35%へ)
・Sarkozy大統領が引き上げた(公務員の)定年退職年齢を元に戻す(62⇒60)

等がその一部ですが、既に世界最高のVAT(付加価値税)率25%と言う税負担に加えて大企業や富裕層への多大な税負担や金融取引税(金融には規制のみならず課税も強化する)の公約(?)が有権者の支持を集めてしまう今のフランス状況はちょっと心配だと言う声も聞かれます。

ここでSarkozy大統領が負けてしまうと、ドイツーフランスで支えてきたEuropean Unionと言うものの基盤が劇的に脆弱化してしまう恐れがありますので、同様に選挙のあるオランダやギリシャなどとは比較にならない位のインパクトがあるかもしれないと思います。

先週のユーロ売り然り、株式なども含む広範なリスク回避バイアスの上昇の背景の一つにもこのイベントがある事は疑う余地も無いでしょう。

兎に角注目しましょう。

2012年5月5日土曜日

Attacks on Growth-Likned Currencies-2.

週末の海外市場でRisk-Offバイアスが上昇すると週明けのアジア市場の開始早々からアジア通貨でのダメージコントロールが始まる事も多いので注意が必要でしょう。

今でも多くの新興国通貨は自国の属するTimeZone以外では事実上流動性は無いと思った方が良く、市場が荒れている時は尚更です。無理にプライス提示を求めてもまともな呈示は臨むべくも無く、敢えてリスクは持ち越して該当通貨の流動性が期待出来る時間帯まで待つ事も多いのです。

アジアの優等生であり、最近アジア諸国を行脚した知人達の印象でも「アジアで最もバブっている」と言う声の多いシンガポールの通貨(シンガポールドル)は、欧米時間でも相応の流動性がありますが、流石に最近は失速感ありです。

USDSGD DAILY⇒先週は米ドルが反発上昇











とにかく週明けからのアジア市場は株も通貨も要注意です。

Attacks on Growth-Likned Currencies.

それにしても今週は主要通貨のBracketではAUD,NZD,CADの不調が際立ちました。

対ドルでは・・・・
AUDUSD DAILY⇒5本陰線で安値引け











NZDUSD DAILY⇒これも陰線5本で安値引け











豪州は市場予想を上回る幅での利下げもありましたが、それ以上に世界景気への懸念が背景だと思われますが、特に豪州経済は中国経済との相関も高く、通貨市場で言えば規制通貨である中国人民元の代替として豪ドル(AUD)を取引する傾向も根強いので、その辺りも気になるところです。

対円でも同様です。

AUDJPY DAILY⇒特に週末の下落が大きい!











NZDJPY DAILY⇒このチャートは壊れている!











これらの通貨は中央銀行の金融緩和や政府の財政出動などで景気が復調すると著しく反発もするためにバフェットの株式投資の如く、こういう局面で買った人達が纏まった収益を得るというパターンになる事も多いのですが、兎に角当面は値ごろ感だけで買い拾うのは厳禁ですね。通貨に投資をされるならボリンジャーやフィボナッチのサポート水準で止まっている状態でRSIなどのモメンタム系指標が反転を示唆するところを待った方が良いでしょう。

Risk Aversion Lifting USD and JPY.

結局足元はリスク回避バイアスがまたまた米ドルと日本円を持ち上げる展開となり始めています。
 
GBPUSD⇒先週は英国ポンドが5連続陰線











EURUSD⇒週後半にユーロ大幅下落










 
USDCHF DAILY⇒対スイスフランでも米ドル大幅高

USDJPY DAILY⇒円高圧力に80円割れ











 週初は連休明けの本邦勢の動向を見極める動きに様子見相場となる可能性が高いと見ていますが、5月相場は基本的にドルも円も強いと言うのがベースラインとなる可能性が高そうですね。

Was It Just "A Catch-Up" Thing? : Slowing Momentum of US Job Situation.

注目された米国の4月の雇用統計ですが、市場の事前予想を下回る内容でした。

①新規雇用者数の伸びが115千人 (事前予想の平均は170千人)
②労働参加率の低下 ⇒ 継続的求職活動をしている失業者の減少
③失業率は8.1%に低下⇒3年振りの低水準
④所得、労働時間数ともに頭打ち傾向

①に関しては3月の数字が上方修正されましたが、2ヶ月連続で市場の期待を下回ってしまった事には変わりはありません。

②に関しては非常に心配なデータとしか言いようがありません。一旦諦めてしまったのか、生活保護のようなプロセスに入った人達が少なく無いと言う解釈になります。

③は一見、せめてもの改善点のようにも見えますが、失業率を計算する時の分母が減少した事によるテクニカルな改善でしかない事が明らかです。これが②の意味でも有ります。

④も説明不要でしょう。

この項の標題にも書きましたが、ここに来て頻繁に"Catch-Up"需要と言う言葉が聞かれる様になりました。

過去数年間続く経済危機を受けて企業が過剰に雇用を抑制して来ていた物が、一気にリバウンドするかのように緩和される現象が起きており、足元の雇用データの改善はまさにこの動きであったと言うのです。

またこれは、嬉しい誤算でもる自動車販売の好調さにもいえることであり、経済危機の中で自動車の購入や買い替えを自粛してきた消費者達からのリバウンド需要が背景であるという見方も可能です。

要はCatch-Up需要であれば、やがて失速、減速すると言う事なので今後の経済指標には細心の注意を払っていく必要があります。

少なくともこれで長期金利の上昇圧力も一旦後退するでしょうし、可能性が薄れたとも考えられていたQE3実施シナリオが選択肢として復活してくる事になりそうです。

Watchout for the FULLEST SUPER MOON !!

何らかの形で相場に関わりのある人ならば月を気にする人も多いでしょう。

そもそもメリマンサイクルで有名なレイモンド・メリマン氏は占星術で相場変動を予測している訳ですが、月だけを取ってみても満月、新月、月食(皆既or部分)等の現象時に金融市場のみならず社会現象全般が明らかにVolatileになりやすい事はよく知られています。

私がまだ駆け出しの頃から周囲の先輩たちは真剣にこういう事を気にしていましたし、実際にリスク量を調整する人達もいました。

その中の一人が話してくれた事が今でも印象的なのですが、例えば満月の時には実際に引力の変化の関係から海であれば潮の満ち引きが大きな影響を受けますし、NYのマンハッタン島等も通常時よりも40cm程度隆起したりもするそうです。こういう時には人もハイテンションになり易く、暴動等にも注意が必要であり、また満月時に懐妊するケースも多いとの事でした。

「だから普段ならやらないような仕掛けをしたり、大き目のポジションを取ったりもするんだよ」

と言う話だったのですが・・・・・・

さーて、さて。

満月にも色々あるようなのですが、中でも飛び切り大きくて明るいやつをSuper Moonというようなのですが、2012年で最高のSuper Moonがこの週末に当たるようです。2012年の他の満月よりも14%程度大きく、30%も明るい満月との事なのですが、ちょっと気にしておきましょう。

もし興味があれば、詳細はこちらをどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=1MPmdJ6mGQ4&feature=endscreen

金融市場にも大きな影響が???

The Final Round Rush:How They Finished the Week

金曜日の雇用統計を受けて相場は乱高下をしましたが、結局は投資家の戦線縮小モード(Risk-Off)が強まり、今回は引けにかけてのより戻しも限定的でした。

週の最終ラウンド=最後の4時間の攻防を確認します。

     通貨ペア ↑↓ 今週終値    前週終値    変動(pips)      変動(%)
①AUDNZD↓   1.2787    1.2809     -22        -0.17%

 ②AUDJPY↓     81.26      81.39      -13        -0.16%

③GBPAUD↑    1.5872    1.5849    +23       +0.14%

④AUDUSD↓    1.0175    1.0189     -14       -0.14%

⑤AUDCHF↓    0.9341    0.9352     -11       -0.12%

⑥EURGBP↓    0.8095    0.8104      -9        -0.11%

⑦AUDCAD↓   1.0126    1.0137     -11       -0.11%

⑧EURNZD↓    1.6437   1.6453     -16       -0.10%

⑨EURJPY↓     104.47    104.55      -8        -0.08%

⑩CADJPY↓     80.23      80.29       -6        -0.07%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。

上昇サイド=JPY(3回),NZD(2回),GBP(2回),USD,CHF,CAD
下落サイド=AUD(6回),EUR(3回),CAD

私も取引終了近くまで見ていましたが、EURとAUDの弱さは際立っていましたね・・・・・

Top FX Movers of the Week.

今週の金融市場は結局リスク回避色を強めて越週する結果となりました。過去2年間同様に日本の黄金週間にVolatilityが上昇する結果となったと言えるでしょう。

・欧州では景気失速感、内部協調の不協和音、週末のフランス、オランダの選挙結果への懸念

・中国では斑模様ながら勢いに欠ける経済指標や新たな人権問題

・米国では結局は期待を裏切る4月の雇用データ

等が材料になっています。

週足ベースでの主要通貨ペアの動向は以下の通りでした。

    通貨ペア ↑↓    今週終値   前週終値       変動(pips)     変動(%)
①NZDJPY↓   63.53     65.96       -243        -3.82%

②AUDJPY↓   81.26     84.03       -277       -3.41%

③NZDUSD↓  0.7955   0.8219     -264       -3.32%

④AUDUSD↓  1.0175   1.0470     -295       -2.90%

⑤GBPNZD↑  2.0293   1.9755     +538     +2.65%

⑥GBPAUD↑  1.5872   1.5525     +347     +2.19%

⑦EURNZD↑  1.6437   1.6090     +347     +2.11%

⑧NZDCHF↓  0.7302    0.7456     -154      -2.11%

⑨CADJPY↓   80.23      81.85       -162      -2.02%

⑩NZDCAD↓  0.7916   0.8062      -146      -1.84%

やはり結構な変動幅ですね。これは終値ベースですので所謂値動きの上髭や下髭は考慮していません。実際の高値や安値で見ていくと値幅は更に拡大します。

通貨ペアを分解すると、上昇サイドではJPYが3回,USDとGBPが各2回でEUR,CHF,CADが1回登場しています。

下落サイドですが、NZDが6回、AUDが3回、CADが1回となっており、景気敏感通貨の崩落が目立った格好です。

また、後続が11位がEURJPYの下落(-1.77%)、12位がCHFJPYの下落(-1.76%)となっており、資源国通貨の下落と円高と言うリスク回避時に"お約束"の組合せだったと言う事がわかります。