ずっと注目はしてきているのですが、先週はちょっとお騒がせ的な動きもありました。
EURCHF DAILY⇒この髭を見よ! |
日足のロウソク足チャートの実体部分は相変わらず"これ、オセロゲームですか?"と言う感じなのですが、注目はこのチャートの髭です。
要するに実体部分である始値と終値の差は小さいものの、日中に値幅が出るようになっていると言う事なのですが、先週は上方向に線が伸びていますね。これは市場の広範なEUR売りによりスイス中銀が設定しているEURCHFの1.20レベルが下抜けしそうな圧力を受ける中で、同中銀がこの下限を引き上げるのではないか、或いは防衛ではなく押し上げ介入を再開するのではないかと言う思惑が市場を駆け巡った事による物です。
更に、日銀同様に介入はやらないで済むならやりたくないと言うのがスイスのスタンスでもあるので、経済的にも安定した永世中立国である同国に流入する大量の資本を規制・牽制する意味で預金課税の検討を示唆するジャブをかました事も大きな材料でした。
正直言って、今現在動いている(スイスに雪崩れ込んでいる)資本の太宗はハゲタカ資本と富裕層の資本でしょうから、スイス当局の憤りや苦悩は相当なものではないかと察せられます。
そんなものの為にCHF高となってそういう連中の資産を更に増やす一方で、自国経済が通貨高のダメージを蒙るのは勘弁してくれという思いがあると思います。それが新たな預金課税と言うコンセプトの背景でしょう。
EURCHFは今後もイベント的に大きな値幅が出るポテンシャルが高まってきました。注目を継続しましょう。
因みにロウソク足は日本で生まれたチャートですが、今では世界的に認知され、研究もされています。一目均衡表も頑張っており、テクニカル分析における日本の手法は世界に胸を張れるものですが、何と言ってもロウソク足は米相場と言う世界最古(?)の先物取引まで行われていた日本の最高の発明品ではないでしょうか。
英語では、実体部分をそのままBodyと言っていますが、髭と言うのは馴染み難かったようで、ロウソク足の髭の部分はShadowと呼ばれるのが普通です。実体に対して髭と言うよりもBodyに対してShadowというのは十分納得出来る感じがしますので、考えた人は中々偉いですね(笑)。
外人さんにEURCHFの上髭が気になると言う話をする時には、Upper Shadowと言ってあげて下さい。