「そもそも主役は海外勢だった」と言うのは良く語られる事ですが、であれば尚更彼らが本格的に動き出すのは7月からと言う事になるので6月中は流動性が落ちる環境下で、やっているのは短期売買の投機筋が中心と言う不安定な市場が続きそうです。
株高、円安に踊った順風満帆だったアベノミクス序盤戦では、鳴りを潜めていた債券市場において遂に長期金利の急騰と言う事態が勃発した事が株高、円安のトレンドを乱暴に反転させ始めていると言うのが足元のBig Pictureです。
もう一つの見方として、そもそも海外勢は日本株を買って、日本円と円債は売っていた訳で、長期金利の上昇は好ましかった筈だという説もあります。ところが、先に株と為替がおかしくなり、長期金利の上昇で何とかヘッジで来ていたのですが、円債市場が乱高下するようになった事で海外勢のPLも無茶苦茶に痛んでしまったのが全ての市場の混乱に繋がっているとの見方もあります。
いずれにしても、ここへ来て主要国株式市場の最後の砦となっているのが米株市場です。
日経平均とチャートを並べてみればよく判ります。
Japanese Nikkei ⇒ Huge Drop. |
US S&P500 ⇒ Still Looks Supported. |
こういう状況で行われる今週のFOMCがとてつも無いBig Eventになってしまいました。
Bernanke議長の本音としては、限りある残存任期の中で、量的緩和の出口政策には目処をつけておきたいと言うところでしょう。しかし、ここでTaperingと表現されている資産買入れ規模の縮小などを発表してしまえば、踏み止まっている自国の株式市場への悪影響ばかりか、世界中の株式市場に止めを刺してしまうリスクも感じているはずです。
また、そもそも米国がQE(量的緩和)の出口に迎えるのは、日銀の異次元緩和が資産市場の下支えとなる過剰流動性供給を肩代わるからだと言う指摘もある中で、日本への配慮と言う要素も間違いなく考慮には入ってくるのではないでしょうか。
過去には”International Consideration”と言う言葉も使って米国の金融政策には国際情勢への配慮もあるという態度を示してきたBernanke議長ですが、今週はどのような決断をするのでしょうか。世界中が固唾を呑んで見守っています。結論が出るのは、19日(水)になります。