2013年6月9日日曜日

Review of the Week(6/3-6/7 2013)

先週の金融市場の動向も総括すれば、各市場とも双方向に大きな値幅を伴う乱高下だったと言う事になります。週末の間の海外のレポート類にもジェットコースター相場と言う表記が目立っている印象ですね。

アベノミクスによる日本市場の転換が基点となって世界に広がってきた大きな潮流が、一つの転換点に差し掛かっていると言う印象が強まる昨今の動きです。

1 資本市場の乱高下継続

・米Dowが$14,844まで下落したものの$15,248まで戻して越週。
・米10年債利回りは、1.999%まで低下してから金曜日には2.161%まで上昇して越週。

2 通貨市場も乱高下継続

・ドルインデックスが81.07まで下落後に81.69で越週。
・円ショートの調整も継続。ドル円が100円割れから94円台を垣間見て97円ミドルで越週。
・クロス円も下落トレンド入りの可能性を強めるが、戻り局面も乱暴でドル円以上の値幅。
・AUD,NZDの下落基調はより鮮明に。

3 各国のファンダメンタルズも斑模様に

・米ベージュブックで12地区のうち11地区で経済の緩やかな拡大を確認
・米5月製造業ISMは予想を裏切る形で49に下落。昨年11月以来初の縮小。
・米5月サービス業ISMは予想を上回る53.7と好調を維持。
・注目の米5月雇用統計は、NFPが+175千人(予想は+168千人)だが4月の数字の下方修正(+165千人⇒+149千人)や失業率の上昇(7.5%⇒7.6%)は期待を裏切る一面も。
・ECB金融政策はNo Change。市場が催促した追加利下げは無し。
・RBAも政策金利を過去50年最低の2.75%に据え置くも豪ドルは依然高すぎるとのコメント。

今週から数週間に渡り、金融市場は次の展開を探る神経戦の様相を強めるように思います。アベノミクスが齎した大きな潮流は、5月終盤戦以降あらゆる戦線で乱暴な調整を経験してきましたが、先週の終盤に入り落ち着きと反発を見せています。
 短期的には、オリジナルトレンドの復活(円安、株高、金利上昇)に見えるかもしれない動きですが、各金融市場のダメージは深く、一方向に動いては意外な規模での寄り戻しも入るというダメージコントロール的な流れが続くのではないでしょうか。トレーディングでも投資でも、忍耐強くじっくり構えて対処する事が肝要な時間帯となりそうです。