中でも、資本市場の動向には大いなる注意を払って行く必要があります。量的緩和はモルヒネですが、医療現場でもこれが有効活用されるのと同様に金融政策でも時として必要悪であると言うのが現在の考え方です。この痛み止めを患者が中毒になる前に使用量を減らしていく訳ですが、これは患者にとっては徐々に鈍痛を我慢しながら正常化していく過程ですので、金融政策でこれをやる時には資本市場が鈍痛でも悲鳴を上げるという過程は避けて通れません。
Bernanke議長は、後任議長(間違いなくYellenでしょう)を慮り、自身の任期中にこの一番難しい仕事を始めておこうと考えたのではないでしょうか。そういう意味では株や債券の市場がドタバタするのは織り込み済みと言えますので、後はひたすら程度の問題であり、且つ最も重要なのは全ての前提となる実体経済の回復傾向が頓挫しない事です。
S&P500 ⇒ Losing Momentum and Ground. |
米10年債も同様で、利回りは2%を突破しても衰えず、2.5%を突破し始めました。
確認出来るところで10年債が2.514%、30年債が3.567%と言う利回りは、2011年の8月以来の高利回りと言う事になります。
中央銀行の政策金利は短期金利ですので、各国政府が最も制御に苦労するのがこの長期金利であり、為替介入のような直接的な制御手段を持たない中で、この領域が台風の目になってしまったと言うのが現状の最大のリスクということになります。