2013年6月16日日曜日

Review of the Week(6/10-6/14 2013)

試練と苦悩の段階に入ったアベノミクス政策が齎す混乱とVolatilityの上昇が金融市場を駆け巡ると言う展開が続きます。先週も日銀の政策決定会合で追加施策の投入が見送られた事を受けた日経平均の下落と日本円の上昇が世界中の市場に波及する展開でした。

1 株式市場 ⇒二極分化中。米国市場が最後の砦に。

・日経平均は乱高下を経て2013年の最安値で越週。(12,686.5円)
・英国FTSEも4週連続の陰線で越週。
・独DAXも3週連続の下げ(陰線)で越週。
・米国株式市場の調整が最も浅く、ここが最後の砦状態。

株式市場間の資金移動としては、各国の市場から米国に資金が移動してきている可能性もあると思います。いずれにしても今週のFOMCにおけるTaperingの議論(資産買入れオペ縮小の議論)次第で米株市場が崩れる展開となれば大変な混乱が必至であり、Bernanke議長もそれを意識しての会合と言う事にはなります。

2 為替市場

・円高の猛威止まらず。ドル円は93円台まで下落。
・クロス円のテクニカルは明確なベア転へ。
・ドルインデックスの反落も顕著。
・南半球の弱さも継続で、北米通貨に失速感。日本円の上昇が際立つ環境に。
・先週前半で新興国通貨が大幅下落。その後反発も極めて不安定。

ドル円が上昇してきた背景にはアベノミクス政策に加えて米ドルのブルトレンドがありましたが、今は米ドルが反落過程に入っている事でドル円の下落幅が広がりやすい状況になっています。

3 長期金利(債券市場)

・円債市場(JGB市場)の混乱継続。
・沈静化への措置を取れなかった日銀決定会合への失望感も混乱継続の触媒に。
・金曜日には米債などに調整も入ったものの、世界的な長期金利上昇のトレンドは不変。
・先週前半には新興国債券市場に纏まった売りも観測。長期金利上昇懸念が世界的拡大へ。

今週ですが、以上のような環境下で開催される米FOMCが、最大の注目イベントになります。上述のTaperingの議論に注目が集まりますが、何も示せなかった日銀会合で拡大した混乱をFOMCが沈静化することでBernankeが役者の違い(器の違い)を見せるのかどうかです。

4 今週の予定


17日(月)

G8首脳会議(18日まで) 
米)NY連銀製造業景気指数(6月)





18日(火)
(日)鉱工業生産(4月) 
(日)5月工作機械受注 
(英)消費者物価・生産者物価・小売物価(5月)
(独)ZEW景況感指数(6月)
(米)消費者物価・住宅着工・住宅建設許可(5月)
ドラギECB総裁、講演 


19日(水)
(日)貿易収支 
(米)政策金利・FOMC・バーナンキFRB議長記者会見 


20日(木)

(中)6月HSBCフラッシュ製造業PMI 
(英)小売売上高(5月)
(米)中古住宅販売・景気先行指数・
ユーロ圏財務相会合 


21日(金)

(加)CPI、小売売上高
黒田日銀総裁講演




強調文字で示したところが要注意です。主に週の前半ですね。