2014年10月27日(月)~10月31日(金)の週の簡単なReviewです。
1 Key Events.
①欧州圏 / スイス
・ECB 銀行Stress Test.
⇒主要銀行は全て合格。
⇒ユーロ圏の銀行のうち25行が不合格。
⇒資本不足総額は246億ユーロ。
⇒12行は既に150億ユーロの増資済み。
⇒イタリアが9行、ギリシャ、キプロスが各3行(不合格)。
・ECB Praet専務理事
⇒欧州圏のデフレリスクは限定的。
⇒IMFの欧州デフレリスク(30%)は過大評価。
・欧州圏10月消費者信頼感指数⇒▲11.1(予想▲11.1)。
・独10月IFO企業景況感指数
⇒103.2(予想104.8)。2012年12月以来の最低値。
・独10月IFO景気動向現況指数⇒108.4(予想110)。
・独10月IFO景気動向期待し数⇒98.3(予想99.2)。
・独9月輸入物価指数⇒+0.3%(予想▲0.1%,mom)。
・独10月失業者数⇒▲22千人(予想+5千人)。
・独10月失業率⇒6.7%(予想6.7%)。
②米国 / カナダ
・米9月耐久消費財受注⇒▲1.3%(予想+0.3%,mom)。
同 Ex-Transport ⇒▲0.2%(予想+0.5%,mom)。
・米第3四半期GDP⇒+3.5%(予想+2.9%,qoq)。
・米第3四半期GDP価格指数⇒+1.3%(予想+1.4%,qoq)。
・米失業保険申請件数⇒10月25日の週は287千件(予想277千件)。
・米FOMC金融政策決定会合
⇒QE3の終了を決定。
⇒声明文の緩和継続の”considerable time”の文言は残る。
(以下声明文)
⇒就業増と失業率の低下は労働市場の継続的改善を示唆。
⇒リソースの”unde‐rutilization”は徐々に減少している。
⇒インフレが安定的に2%未満に抑制される可能性は年初来減少。
③日本
・9月小売売上高⇒+2.3%(予想+1.0%,yoy)。
・9月鉱工業生産⇒+2.7%(予想+2.2%,mom)。
・日銀金融政策決定会合
⇒追加の金融緩和を決定。投票結果は5-4の僅差。
マネタリーベース拡大規模を年間゛60~70゛兆円から80兆円に増額。
⇒長期国債買入れ規模を年間50兆円から80兆円に増額。
⇒満期までの平均期間も7年から7年~10年に延長。
⇒ETFやJ-Reitの買い入れも3倍増へ。
・日銀 黒田総裁
⇒日本はデフレ脱却の”critical moment”
デフレマインド転換の遅延を回避するべく追加緩和を断行。
⇒物価上昇率の低下を懸念。
⇒将来の賃金や価格設定を低めに設定する動きを警戒。
・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
⇒海外投資比率を23%から40%に引上げ(予想30%)
⇒外国株が25%、外国債券が15%。
⇒国内株は12%から25%に引上げ。
⇒国内債券は60%から35%に引下げ。
④英国
・BOE Cunliffe副総裁
⇒賃金と物価の落ち着きと外部環境から英国は
当初想定よりも長期間の緩和的環境の維持が可能。
⇒インフレ上昇リスクよりも景気回復の腰折れリスクの方が大。
・BOE Shafik副総裁
⇒明確な物価上昇圧力の証左は無い。
⇒労働市場のSlackを示唆する材料も無い。
⇒中銀は多くのデータに共通するトレンドの把握が肝要。
⑤豪州 / NZ
・豪第3四半期輸入物価指数⇒▲0.8%(予想+0.2%,qoq)。
・NZ RBNZ10月政策金利発表
⇒OCRレート3.5%据置き。
⇒将来のインフレ抑制に追加引締めが必要とする文言が消滅。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式市場急騰+債券市場下落(利回り上昇)
・日銀追加緩和で日経平均が7年振り高値。
・海外市場も全面高。米株は最高値更新。
・日経平均は金曜日に+755.56円高。
週足は16,413.76円(先週15,291.64円)。
・Dow→$17,387.37、S&P500→$2,017.68、Nasdaq→$4,630.74。
(先週 $16,805.41 $1,964.58 $4,483.72)
(週次 +3.4% +2.7% +3.3% )
・米10年債利回りは2.33%(先週2.27%)。
・米30年債利回りは3.06%(先週3.04%)。
②商品市場
・ドル高で商品市場は逆風継続。
・原油価格は6週続落。バレル単価で$80.71(先週$81.33)
・貴金属は大ダメージ。
金価格はオンス単価で$1,171.91(先週$1,230.75)
③為替市場
・黒田日銀のサプライズ緩和でJPY全面安。
・ドル円、クロス円が全面高。
・緩和当日はドル円が4BF,ポンド円が6BFに跨る上昇。
(BF=Big Figure)
・QE3終了でUSDは上昇軌道修復モード。
・AUDが上昇バイアスを維持。